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トークセッションやライブを通じてデジタル時代の音楽表現・音楽ビジネスを掘り下げる新型ミュージックフェス「THE BIG PARADE(ザ・ビッグ・パレード)」が、9月12日~15日まで、東京・代官山で開催された。

15日にDigital Garageでおこなわれたのは、「デジタル時代のヒットチャートとは?」と題したトークセッション。登壇したのは、Billboard本社のチャートディレクター、シルビオ・ピエトロルオンゴ氏、スポティファイジャパン株式会社のディレクター野本晶氏、そして、音楽ブロガーとして音楽業界関係者やIT業界の注目を集めるジェイ・コウガミ氏である。

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会場に集まったのは、最先端の音楽シーンや業界事情に興味を持つ若い男女が中心。各席に用意された同時通訳レシーバーを耳に装着し、バイリンガルなトークセッションを熱心に聴き入っていた(海外メディアのジャーナリストも数多く訪れていたようだ)。
06年に設立されたスポティファイは、スウェーデン生まれの音楽配信サービス。ストリーミングを利用した「聴き放題」のサービスにより、現在は欧米を中心に55カ国で展開。ユーザー数は2000万人を超える業界最大手である。例えばCoachellaやAll Tomorrow's Partiesなど海外の音楽フェスティヴァルの中にはスポティファイと連動しているものも多く、フェスに出演するアーティストの音楽がどのようなものか、ユーザーは無料でチェックすることが出来る。また、登録したユーザーが音楽を再生すると、その回数などがアカウントに反映され、似たジャンルの音楽を紹介してくれたり、同じような「趣味」を持つ他ユーザーを紹介してくれたりする。そうしたユーザー同士のつながりによって、「クチコミ」的に盛り上がっていくアーティストも最近は多く存在し、例えばハーレム・シェイクやロードなどのブレイクにも「少なからず影響を与えた」とシルビオ氏は言う。

そうしたシーンの動向に注目したビルボードは現在、スポティファイの再生回数をチャートに組み込んでおり、CDの売り上げや音楽データの販売数だけではない、「リアルタイムの人気」を反映させるようなチャート制作を積極的におこなっている。さらに、FacebookやTwitterといったSNS上での人気も加味し、まさに「デジタル時代のヒットチャート」を模索していることを明かした。一方スポティファイも、各国に存在するビルボード以外のチャートにも、自社のデータを提供しユーザーの趣味趣向がダイレクトに反映されたチャートが増えていくことを目指しているという。

日本はまだまだ配信サービスに対しての警戒心も強く、データよりもCDが強いコンサバな市場。その辺り、類似点の多いドイツの音楽マーケットを例に挙げつつ、野本氏は今後スポティファイを日本でどのように展開していくべきかを語る。「スポティファイやSNSによって、これまで数値として見えにくかった"クチコミ"が、ソーシャル・マーケティング・データとして可視化した。これからは日本も、ユーザーの興味を反映したチャートが必要だろう」。シルビオ氏も、「今後はCD売り上げチャートからラジオ・ランキング、そしてビルボード以外のチャートの動きなど、全てがブレンドされていくことによって、より消費者の影響力が強くなっていくだろう」と話した。

(取材・文/黒田隆憲@HEW)



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