土屋太鳳と竹内涼真 主演、大人たちが号泣するピュアな群像劇『青空エール』/<視線の先>三木孝浩(監督)・河原和音(原作)インタビュー
2016/8/ 1 11:00
『別冊マーガレット』(集英社)を中心に活躍する人気漫画家・河原和音の作品『青空エール』が、土屋太鳳と竹内涼真の出演で映画化される(8月20日公開)。監督は『陽だまりの彼女』『アオハライド』を手掛けた、今もっとも青春・恋愛映画をいきいきと映し出す映画監督の三木孝浩。主題歌はGReeeeNの名曲『キセキ』を妹分・whiteeeenがカバー。これは面白くならないワケがない! との前評判どおり、公開前のマスコミ試写でも、いい大人たちが号泣してしまったという話を多く耳にする。
そこで今回、世代を超えて胸を熱くさせる本物の青春ラブストーリーを手掛けた三木監督、この感動物語を誕生させた原作者の河原和音に、映画化にまつわる秘話など熱く語ってもらった。
「青空エール」予告編映像>>
■原作コミックを読んで、1巻につき3回は泣きました
――原作を読まれた際にどの部分に魅力を感じ、どのように映像化しようと思われましたか?
三木:少女マンガの実写化は何度かさせてもらいましたが、この「青空エール」は原作を読み始めてすぐに、これまでと描き方が少し違うと感じました。ラブストーリーというのは一般的に、恋愛に切磋琢磨(せっさたくま)しながらも"お互いが向き合っている"というイメージですよね。だけど、この主人公のつばさと大介の場合は"お互いが前を向いて走っている"という画が浮かんできたんです。
最初は大介が夢に向かって先に走っていたところを、つばさが後を追いかけていく。大介がつまずいてしまった時にはつばさが前を走り、その姿を見て大介がまた走り出す。2人がそれぞれの背中で互いを引っ張り合うという姿が、これまでになくとてもフレッシュに感じて。この絶妙な関係性にグッときてしまいました。コミック1巻につき、3回ぐらい泣いてしまいましたよ(笑)。映画ではこの部分を一番描きたいと思いましたね。
河原:完成した映画を見させてもらって、今監督がお話しされたグッとくる2人の関係性をクローズアップして描きたかったのだとわかりました。監督からは多分、たくさん説明をいただいたり脚本を見せていただいたりしていたと思うのですが、実はわかっているようでイマイチ理解していませんでした(笑)。映画を見て、監督の描きたかったことがしっかり伝わってきて、しかも物語のひとつひとつが全てつながっていて、スゴいなってあらためて思いました。
――実際の映像を見るのと脚本とでは違うのでしょうね。
河原:そうなんです。脚本だと全体の流れが見えてこなくて。どうなるのかなぁって思っていましたが、映画を見てビックリ。キャスティングもとっても良かったですし、あの言葉がココにつながるのか! とか、ソコとソコがそうなるのか! って。とっても素晴らしかったですし、恐れ入りました。
■太陽のような存在、山田大介役を探し出すのが本当に大変だった
――つばさ役に土屋太鳳さん、大介役竹内涼真さんを選ばれた理由は?
三木:主人公つばさの真っすぐ過ぎるほど純粋な雰囲気を表現できる女優さんって、すぐに太鳳ちゃんかなって思いました。太鳳ちゃん自身、ダンスにずっと打ち込んできて部活の厳しさも知っているし。だけど強いだけじゃなく、優しく控えめな雰囲気も持っていて、繊細な弱い部分も表現できる。実際、つばさにすごくピッタリでしたね。
逆に山田大介役を探し出すのが本当に大変でした。アンニュイな男とか陰のあるツンデレとか、ちょっぴり傷ついた王子様タイプの役は作りやすいし、イメージしやすいんですが、「どこにいるんだ、こんなキラッキラした太陽のようなすてきなヤツは!」って(笑)。そんな時に竹内くんに会う機会があり、ものすごく笑顔がいいことにビックリして。ニコ~って音が鳴りそうなくらい白い歯を見せて照れ笑いするんですよ。その笑顔を見てすぐに、これは大介だ! と思いました。現場でも「とりあえず白い歯見せて!」って笑顔キラキラにさせましたよ(笑)。太鳳ちゃんも竹内くんも、ナチュラルにピュア感がにじみ出てくるので、2人のその素質に頼った面も多々ありましたね。
河原:少女マンガの中でも、飛び抜けてむずかしいですよね、大介タイプの男の子。しかも、演技だけでなく、その素質を持ってなきゃわざとらしくなっちゃうから、なおさら難しいと思います。竹内くんの大介、とってもピッタリでしたね。太鳳ちゃんも、どんなこともいつも頑張ってるんだろうなっていうオーラが見えます。だからとっても応援したくなる雰囲気がありますよね。2人とも本当に良かったです。
■一人ひとりのドラマが見える、群像劇を描いた映画にしたい
――あらためて映画を見た時の印象を教えてください。
河原:監督が、ラブストーリーよりも群像劇みたいなイメージで作りたいとお話しされていたことを思い出し、なるほどなって思いました。いろんな立場のさまざまな子が出てくるんですが、それぞれにドラマがあるんだというのが、詳しく説明しなくても見えてきていました。出番の少ない子からも、その子の背景が伝わってくるなんて、本当にスゴいなって思いましたよ。大介の親友の城戸のストーリーも、吹奏楽部の森先輩のストーリーも、そんなに詳しく描いていないのにビシビシ伝わってきました(笑)。
三木:群像劇にしたいなと思ったのは、撮影前に部活の強豪校へ取材に行ったことがきっかけです。高校の吹奏楽の全国大会も見に行ったのですが、演奏を終えた子たちが舞台からはけた途端に号泣しているんです。結果発表もまだしていないのに、全てを出し切ってやり切ったという思いがあふれて、とまらない感情が爆発している。3年間ずっと頑張ってきたという思いから解き放たれた瞬間だと思うのですが、そんなシーンを見てしまって、こちらも胸が熱くなりました。その子たちの顔を見ていると、それぞれのドラマがすごく伝わってきたんですよ。
だから一人ひとりの顔が見える映画にしたいなって思ったし、頑張っている人は必ず誰かが見ているんだよっていうことを伝えたいと思ったんです。
――確かに、出演者それぞれの背景が鮮明に見えましたね。
河原:ほんとにそう感じました。だからマンガよりも、よりキャラクターの性格や背景がクッキリ浮き彫りになっていましたね。一人ひとりの個性がしっかり伝わって、みんなの成長がうまく絡み合っていて、見ている私たちに届いた。だから2年後という映画の設定も、頭の中でみんながちゃんと2年成長しているから、あたりまえに受け入れられましたよ。
■実は原作の連載当初から、GReeeeN『キセキ』をよく聞いていた
――上野樹里さんの先生役も存在感ありましたね。
三木:杉村先生像は樹里ちゃんと一緒に作ったという感じです。最初、僕のイメージではガッツリ厳しい先生だったんですけど、樹里ちゃんは厳しい中にも人間味とか優しさが見える先生がいいなという感じで。河原先生には「樹里ちゃんにお任せします」という言葉をいただいたので、相談しながら樹里ちゃんらしい先生のキャラクターを作っていきました。
河原:ステレオタイプじゃない面白い先生像でとても良かったです。すごく厳しくもないし、優しいわけでもない。だけどみんなが自然に慕ってついていってしまうような、型にはまらない先生だったところが印象的でした。上野さんと監督が作った杉村先生、雰囲気があって芸術家っぽくて好きでした。
――whiteeeenの主題歌もストーリーにピッタリでした。
三木:主題歌候補をさがしていた時、やっぱり『キセキ』は青春を描いた名曲でもあり、ストーリーにもスッと溶け込んでくる。歌詞を読めば読むほど物語に沿っていると思って選びました。GReeeeNの名曲が、whiteeeenのピュアな歌声によって、また違った新たな感動曲になっていると思います。
河原:実はマンガの連載最初の頃、GReeeeN『キセキ』をよく聞いていましたよ。この曲を聴くと気持ちが高まるので、ストーリーにも自然に反映されていたのかもしれないです。
三木:そうだったんですね! それは初めてお聞きしました。
――公開を心待ちにしているファンへメッセージをお願いします。
三木:直接的な行動や言葉だけでなく、頑張っている姿を見るだけで勇気づけられたり励まされたりするということを、僕もこの映画を通して知ることができました。このひたむきな思いを、観てくれる人たちに感じてもらえるとうれしいですね。
河原:頑張っている人にエールを送りたいという気持ちで原作を描いていました。そのメッセージを監督が見事に表現してくれています。この映画でその思いを受け取ってもらえたらいいなと思います。
初出し映像をふんだんに使用した感動的なミュージックビデオ
whiteeeen 「キセキ~未来へ」(MV映画『青空エール』 ver.)>>
■吹奏楽の名門・白翔高校に入学したトランペット初心者の小野つばさ(土屋太鳳)。全国大会を目指すレベルの高い練習についていけず、何度も挫折しそうになる。そんなつばさを勇気づけてくれる、クラスメートで野球部員の山田大介(竹内涼真)。彼もまた甲子園を目指していた。お互い夢に向かって励まし合うふたりは、ある「約束」をかわす。つばさと大介の恋の行方は? そしてふたりの夢のたどりつく先は......? 共演は葉山奨之、志田未来、上野樹里、ほか。映画『青空エール』は8月20日より公開。
原作者:河原和音(かわはら・かずね)
北海道出身。1991年に別冊マーガレット(集英社)にて『彼の一番好きなひと。』でデビュー。以後、同誌を中心に執筆活動を行い、1996年より『先生!』、2003年より『高校デビュー』、2008年より『青空エール』を連載していずれもヒット作となる。2011年には『高校デビュー』が実写映画化された。また、山川あいじ作画『友だちの話』、アルコ作画『俺物語!!』では原作を担当。『俺物語!!』はテレビアニメ化および実写映画化され、講談社漫画賞少女部門などの賞も獲得。2016年より別冊マーガレットにて『素敵な彼氏』を連載中。
監督:三木孝浩(みき・たかひろ)
1974年生まれ、徳島県出身。ORANGE RANGE、いきものがかり、FUNKY MONKEY BABYSなど多数のミュージックビデオやCM、ドラマなどを演出し、カンヌ国際広告祭2009メディア部門金賞などを受賞。2010年には長編映画監督として初作品となる『ソラニン』が大ヒット。その後も『僕等がいた』(12)、『陽だまりの彼女』(13)、『アオハライド』(14)など次々とヒット作を生み出した。今作『青空エール』の後、2016年12月に『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の公開が控えている。
(取材・文/たなべりえ@HEW)
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そこで今回、世代を超えて胸を熱くさせる本物の青春ラブストーリーを手掛けた三木監督、この感動物語を誕生させた原作者の河原和音に、映画化にまつわる秘話など熱く語ってもらった。

土屋太鳳と竹内涼真 出演『青空エール』8月20日公開
(C)2016 映画「青空エール」製作委員会 (C)河原和音/集英社
(C)2016 映画「青空エール」製作委員会 (C)河原和音/集英社
「青空エール」予告編映像>>
■原作コミックを読んで、1巻につき3回は泣きました
――原作を読まれた際にどの部分に魅力を感じ、どのように映像化しようと思われましたか?

三木孝浩監督『青空エール』8月20日公開
三木:少女マンガの実写化は何度かさせてもらいましたが、この「青空エール」は原作を読み始めてすぐに、これまでと描き方が少し違うと感じました。ラブストーリーというのは一般的に、恋愛に切磋琢磨(せっさたくま)しながらも"お互いが向き合っている"というイメージですよね。だけど、この主人公のつばさと大介の場合は"お互いが前を向いて走っている"という画が浮かんできたんです。
最初は大介が夢に向かって先に走っていたところを、つばさが後を追いかけていく。大介がつまずいてしまった時にはつばさが前を走り、その姿を見て大介がまた走り出す。2人がそれぞれの背中で互いを引っ張り合うという姿が、これまでになくとてもフレッシュに感じて。この絶妙な関係性にグッときてしまいました。コミック1巻につき、3回ぐらい泣いてしまいましたよ(笑)。映画ではこの部分を一番描きたいと思いましたね。
河原:完成した映画を見させてもらって、今監督がお話しされたグッとくる2人の関係性をクローズアップして描きたかったのだとわかりました。監督からは多分、たくさん説明をいただいたり脚本を見せていただいたりしていたと思うのですが、実はわかっているようでイマイチ理解していませんでした(笑)。映画を見て、監督の描きたかったことがしっかり伝わってきて、しかも物語のひとつひとつが全てつながっていて、スゴいなってあらためて思いました。
――実際の映像を見るのと脚本とでは違うのでしょうね。
河原:そうなんです。脚本だと全体の流れが見えてこなくて。どうなるのかなぁって思っていましたが、映画を見てビックリ。キャスティングもとっても良かったですし、あの言葉がココにつながるのか! とか、ソコとソコがそうなるのか! って。とっても素晴らしかったですし、恐れ入りました。
■太陽のような存在、山田大介役を探し出すのが本当に大変だった
――つばさ役に土屋太鳳さん、大介役竹内涼真さんを選ばれた理由は?

土屋太鳳と竹内涼真 出演『青空エール』8月20日公開
(C)2016 映画「青空エール」製作委員会 (C)河原和音/集英社
(C)2016 映画「青空エール」製作委員会 (C)河原和音/集英社
三木:主人公つばさの真っすぐ過ぎるほど純粋な雰囲気を表現できる女優さんって、すぐに太鳳ちゃんかなって思いました。太鳳ちゃん自身、ダンスにずっと打ち込んできて部活の厳しさも知っているし。だけど強いだけじゃなく、優しく控えめな雰囲気も持っていて、繊細な弱い部分も表現できる。実際、つばさにすごくピッタリでしたね。
逆に山田大介役を探し出すのが本当に大変でした。アンニュイな男とか陰のあるツンデレとか、ちょっぴり傷ついた王子様タイプの役は作りやすいし、イメージしやすいんですが、「どこにいるんだ、こんなキラッキラした太陽のようなすてきなヤツは!」って(笑)。そんな時に竹内くんに会う機会があり、ものすごく笑顔がいいことにビックリして。ニコ~って音が鳴りそうなくらい白い歯を見せて照れ笑いするんですよ。その笑顔を見てすぐに、これは大介だ! と思いました。現場でも「とりあえず白い歯見せて!」って笑顔キラキラにさせましたよ(笑)。太鳳ちゃんも竹内くんも、ナチュラルにピュア感がにじみ出てくるので、2人のその素質に頼った面も多々ありましたね。
河原:少女マンガの中でも、飛び抜けてむずかしいですよね、大介タイプの男の子。しかも、演技だけでなく、その素質を持ってなきゃわざとらしくなっちゃうから、なおさら難しいと思います。竹内くんの大介、とってもピッタリでしたね。太鳳ちゃんも、どんなこともいつも頑張ってるんだろうなっていうオーラが見えます。だからとっても応援したくなる雰囲気がありますよね。2人とも本当に良かったです。
■一人ひとりのドラマが見える、群像劇を描いた映画にしたい
――あらためて映画を見た時の印象を教えてください。
河原:監督が、ラブストーリーよりも群像劇みたいなイメージで作りたいとお話しされていたことを思い出し、なるほどなって思いました。いろんな立場のさまざまな子が出てくるんですが、それぞれにドラマがあるんだというのが、詳しく説明しなくても見えてきていました。出番の少ない子からも、その子の背景が伝わってくるなんて、本当にスゴいなって思いましたよ。大介の親友の城戸のストーリーも、吹奏楽部の森先輩のストーリーも、そんなに詳しく描いていないのにビシビシ伝わってきました(笑)。
三木:群像劇にしたいなと思ったのは、撮影前に部活の強豪校へ取材に行ったことがきっかけです。高校の吹奏楽の全国大会も見に行ったのですが、演奏を終えた子たちが舞台からはけた途端に号泣しているんです。結果発表もまだしていないのに、全てを出し切ってやり切ったという思いがあふれて、とまらない感情が爆発している。3年間ずっと頑張ってきたという思いから解き放たれた瞬間だと思うのですが、そんなシーンを見てしまって、こちらも胸が熱くなりました。その子たちの顔を見ていると、それぞれのドラマがすごく伝わってきたんですよ。
だから一人ひとりの顔が見える映画にしたいなって思ったし、頑張っている人は必ず誰かが見ているんだよっていうことを伝えたいと思ったんです。
――確かに、出演者それぞれの背景が鮮明に見えましたね。
河原:ほんとにそう感じました。だからマンガよりも、よりキャラクターの性格や背景がクッキリ浮き彫りになっていましたね。一人ひとりの個性がしっかり伝わって、みんなの成長がうまく絡み合っていて、見ている私たちに届いた。だから2年後という映画の設定も、頭の中でみんながちゃんと2年成長しているから、あたりまえに受け入れられましたよ。
■実は原作の連載当初から、GReeeeN『キセキ』をよく聞いていた
――上野樹里さんの先生役も存在感ありましたね。
三木:杉村先生像は樹里ちゃんと一緒に作ったという感じです。最初、僕のイメージではガッツリ厳しい先生だったんですけど、樹里ちゃんは厳しい中にも人間味とか優しさが見える先生がいいなという感じで。河原先生には「樹里ちゃんにお任せします」という言葉をいただいたので、相談しながら樹里ちゃんらしい先生のキャラクターを作っていきました。
河原:ステレオタイプじゃない面白い先生像でとても良かったです。すごく厳しくもないし、優しいわけでもない。だけどみんなが自然に慕ってついていってしまうような、型にはまらない先生だったところが印象的でした。上野さんと監督が作った杉村先生、雰囲気があって芸術家っぽくて好きでした。
――whiteeeenの主題歌もストーリーにピッタリでした。
三木:主題歌候補をさがしていた時、やっぱり『キセキ』は青春を描いた名曲でもあり、ストーリーにもスッと溶け込んでくる。歌詞を読めば読むほど物語に沿っていると思って選びました。GReeeeNの名曲が、whiteeeenのピュアな歌声によって、また違った新たな感動曲になっていると思います。
河原:実はマンガの連載最初の頃、GReeeeN『キセキ』をよく聞いていましたよ。この曲を聴くと気持ちが高まるので、ストーリーにも自然に反映されていたのかもしれないです。
三木:そうだったんですね! それは初めてお聞きしました。

最後の夏、このキセキに涙する――『青空エール』8月20日公開
(C)2016 映画「青空エール」製作委員会 (C)河原和音/集英社
(C)2016 映画「青空エール」製作委員会 (C)河原和音/集英社
――公開を心待ちにしているファンへメッセージをお願いします。
三木:直接的な行動や言葉だけでなく、頑張っている姿を見るだけで勇気づけられたり励まされたりするということを、僕もこの映画を通して知ることができました。このひたむきな思いを、観てくれる人たちに感じてもらえるとうれしいですね。
河原:頑張っている人にエールを送りたいという気持ちで原作を描いていました。そのメッセージを監督が見事に表現してくれています。この映画でその思いを受け取ってもらえたらいいなと思います。
初出し映像をふんだんに使用した感動的なミュージックビデオ
whiteeeen 「キセキ~未来へ」(MV映画『青空エール』 ver.)>>
■吹奏楽の名門・白翔高校に入学したトランペット初心者の小野つばさ(土屋太鳳)。全国大会を目指すレベルの高い練習についていけず、何度も挫折しそうになる。そんなつばさを勇気づけてくれる、クラスメートで野球部員の山田大介(竹内涼真)。彼もまた甲子園を目指していた。お互い夢に向かって励まし合うふたりは、ある「約束」をかわす。つばさと大介の恋の行方は? そしてふたりの夢のたどりつく先は......? 共演は葉山奨之、志田未来、上野樹里、ほか。映画『青空エール』は8月20日より公開。
原作者:河原和音(かわはら・かずね)

原作者:河原和音(かわはら・かずね) 自画イラスト
北海道出身。1991年に別冊マーガレット(集英社)にて『彼の一番好きなひと。』でデビュー。以後、同誌を中心に執筆活動を行い、1996年より『先生!』、2003年より『高校デビュー』、2008年より『青空エール』を連載していずれもヒット作となる。2011年には『高校デビュー』が実写映画化された。また、山川あいじ作画『友だちの話』、アルコ作画『俺物語!!』では原作を担当。『俺物語!!』はテレビアニメ化および実写映画化され、講談社漫画賞少女部門などの賞も獲得。2016年より別冊マーガレットにて『素敵な彼氏』を連載中。
監督:三木孝浩(みき・たかひろ)

監督:三木孝浩(みき・たかひろ)
1974年生まれ、徳島県出身。ORANGE RANGE、いきものがかり、FUNKY MONKEY BABYSなど多数のミュージックビデオやCM、ドラマなどを演出し、カンヌ国際広告祭2009メディア部門金賞などを受賞。2010年には長編映画監督として初作品となる『ソラニン』が大ヒット。その後も『僕等がいた』(12)、『陽だまりの彼女』(13)、『アオハライド』(14)など次々とヒット作を生み出した。今作『青空エール』の後、2016年12月に『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の公開が控えている。
(取材・文/たなべりえ@HEW)
トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。