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デーモン閣下によるオリジナル・ソロアルバム『EXISTENCE』が、3月15日にリリースされる。前作『MYTHOLOGY』からおよそ5年ぶりとなる本作も、盟友であるスウェーデン人サウンド・プロデューサー、アンダース・リドホルム氏と制作。ハードロック・ヘヴィメタル(HR/HM)を基調としながら、プログレやロックオペラ、さらには邦楽の要素まで取り込んだ、聖飢魔IIとはまた一味違ったテイストのサウンドに仕上がっている。

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デーモン閣下、オリジナル・ソロアルバム『EXISTENCE』3月15日にリリース


聖飢魔IIとしては、魔暦17 (2015)年に「地球デビュー30周年」を記念し期間限定にて再集結。2本の大黒ミサツアーと武道館2DAYSファイナル公演は全て「満員札止め」となり、翌年2月に魔界へと帰還した後も、置き土産として最新楽曲の小教典(17年ぶり)や、大黒ミサの模様を収めた作品を立て続けに発布するなど、絶大なパワーと人気のほどを見せつけた。そんな閣下が、ソロ作品で表現したかったものとは......?

「ゴールはみえた」ミュージックビデオ>>


■「いかに自分らしく新たな要素を取り入れていくか?」が今作のポイント

ー今作、『EXISTENCE』のテーマやコンセプトを教えてください。

閣下:ここ10年ほど、アンダースと組んでいるので、基本的には彼がそもそも持っているクイーンやジャーニー、TOTOからの影響や、プログレ、北欧メタルの要素が混じり合ったものになった。なるべくしてこうなったというか。やはりソロなので、ヘヴィメタルやハードロックだけでなく、ソロならではの挑戦というか、「いかに自分らしく新たな要素を取り入れていくか?」が今回のポイントだったと思う。

ーそこはアンダース・リドホルムにとっても、チャレンジングな経験だったと。

閣下:そう。例えばリズムセクションが打ち込み(コンピュータ・プログラミング)になっているものや、和楽器が入っているものなどは、どういう風に作り込んでいくべきか悩んだね。

ー曲によって、作り方も違いますか?

閣下:そう思う。まずたたき台があって、おそらくアンダースが得意であろう曲調に関しては、ある程度は「お任せ」にした。そうでない曲は、「こういう風な構成でいきたい」とか、「こんなトライはどう?」という具合に、やりとりをしながら作り上げている。特に打ち込み系は、音色の選び方にセンスが問われるから、結構ギリギリまでやりとりしながら音色を差し替えていった。その辺りは、pal@popくんにも相談したりして。

■HR/HMをエンタメ昇華させたオリジネーター

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デーモン閣下、オリジナル・ソロアルバム『EXISTENCE』3月15日にリリース


ー最近は、BABY METALの躍進や、ももいろクローバーZとKISSのコラボなど、ハードロックやヘヴィメタルが再び若い人たちから注目を集めているように思います。もともと日本には、ハードロックやヘヴィメタルのファンが多いですが、こうしたシーンついて閣下はどんな風にお考えですか?

閣下:ハードロックやヘヴィメタルが非常に身近なものになったね。マニアだけの音楽ではなくなって、素材としてみんなが楽しんで使うようになってきたというか。しかし、そういうことの出発点になっているのは、われわれ聖飢魔IIなんじゃないか?(笑)

ーもちろんです!

閣下:そういった土壌があって、今があるのかなと。まあ、別に今の状況を手放しで喜んでいるわけでもないが(笑)、興味深く見てはいるよ。昔からのヘヴィメタル、ハードロックファンの一部は、今の状況に否定的だったりするけど、「いいだろう別に!」と思う。

ー今回のアルバムでは、貴家悠(「テラフォーマーズ」原作者)さんやブルボン小林(コラムニスト)さん、羽田圭介(芥川賞作家)さんといった、現代文学の作家に作詞を依頼されました。その経緯は?

閣下:我輩のことや、聖飢魔IIの信者であることを公に表明していて、かつ文筆に携わる仕事をしている人を選びオファーした。3人とも「断る理由がありません!」という返事だったね(笑)。歌詞の内容は、完全にお任せ。かえって難しかったのではないかな。「自由に、好きなように書いてください」って言われることほど難しいことはないから。結果的に、3人ともアプローチが全然違っていて面白かったが。

ー具体的にどんな感想を持ちましたか?

閣下:ほぼ同時に3人の歌詞を受け取ったのだが、切り口が3人とも全く違うし、我輩には書けないような歌詞を書いてくる人もいれば、いかにも我輩が書きそうな歌詞を書いてきた人もいて。とても新鮮な体験だった。

ー文筆家の方に、閣下のファンが多いのは、閣下の歌詞に文学性を見いだす人が多いのでしょうか。

閣下:それは自分ではわからない。今まで30年間、自分がソロや聖飢魔IIで書いてきた歌詞というのは、小説というより随筆に近かったと思うので、そんなに文学性の高い内容じゃないと思うのだけどね。きっと、何か......、例えば世の中への視点とか、引っかかるところがあったんだろう。それは歌詞だけのことではなくて、我輩のさまざまな表現から感じ取ってもらったのかもしれない。本人たちに聞いてみないと分からないが(笑)。

■アイデアは、ある程度制限を与えた方が湧きやすい

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デーモン閣下、オリジナル・ソロアルバム『EXISTENCE』3月15日にリリース


ー「Shibuya Scrambled Crossing」というタイトルの曲もありますが。

閣下:今回は、どんなテーマで歌詞を書くかで悩んでいた時期があった。そんなときに長年付き合いのあるプロデューサーから、「1曲ごとにテーマを決めてから作ってみては?」と言われて。「それはいい考えだな」と思った。さっきも言ったように、アイデアというのは、ある程度制限を与えた方が湧きやすいからね。

ーテーマを挙げていく中で、今、閣下が何に興味があるのかも浮かび上がってきたのでは?

閣下:確かに。「作り方」というのは、とても大事なのだなと思った。渋谷の曲も、地方に住んでいる若者が、大きな夢を抱いて東京にやってくるんだけど、自分が思い描いていた世界と現実のギャップに打ちのめされ、雑踏の中...例えば渋谷のスクランブル交差点みたいな象徴的な場所で孤独を感じる。なんていう大まかな物語を最初に作った。それで本格的に歌詞を考えていたら、「Shibuya Scrambled Crossing」は、メロディにピッタリ合ったんだな(笑)。そういう偶然の一致が、今回はいくつもあったね。

ーミュージックビデオはどんな仕上がりになりましたか?

閣下:これがまた、偶然が重なってね。渋谷ヒカリエで開催されていた、都市とアートをテーマにした展覧会『TOKYO ART CITY by NAKED』の会場を使って、撮影をやらせてもらえることになり、東京のランドマークの模型を使って映像が作れたのだ。それで、「せっかく渋谷にいるのだから、スクランブル交差点でアルバムのブックレット用の写真を撮ろう」という話になって......(笑)。雑踏の中を、往復し歩き回りながら撮影したのだ。その画像はミュージックビデオの中でも使っているぞ。渋谷三昧だね。

ー今回、アルバム作りで特に苦労したのは?

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デーモン閣下、オリジナル・ソロアルバム『EXISTENCE』3月15日にリリース


閣下:すべて日本語中心で書かれた歌詞なので、アンダースと作業をしていく中、全ての歌詞を英語に翻訳しなければならなかったことだな。というのも、楽曲に抑揚をつけたり、ハーモニーをつけたりする上で、その曲がどんな内容のことを歌っているか、何について歌っているのか分からないと、頓珍漢なアレンジになってしまう。翻訳は全て我輩がやったので、これが一番面倒くさかったし大変だった。おかげで英語力が、ここにきて少し上がったが(笑)。

ーさて、魔暦(D.C.)19年コンサートに向けて。どのような演出を考えていますか?

閣下:まだ具体的なことは全然考えていないな。曲順なども含め、もう少し日程が近づいてこないとなんとも言えない。直前になって思いつくアイデアもあって、それでいつもスタッフがあたふたするって言う(笑)。今年もきっとそんな感じでしょう。これまでも十分変わったことをやってきたから、楽しんでもらえるはずだぞ。

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初回生産限定盤=デーモン閣下、オリジナル・ソロアルバム『EXISTENCE』


「EXISTENCE」 
M1: 深山幻想記 序曲
M2: ゴールはみえた
M3: Forest Of Rocks
M4: Just Being -ここにいる そこにいる-
M5: Shibuya Scrambled Crossing
M6: 地球へ道づれ!
M7: てふのやうにまひ
M8: 方舟の名はNoir
M9: 深山幻想記 -能Rock-
M10: Post Truth -青空が殺気立つ-
M11: Stolen Face
M12: Heavy Metal Strikes Back -血まみれの救世主たち-

※初回限定盤付属DVD
01. 「ゴールはみえた」Music Video
02. H.E. Demon Kakka's Commentary
◆デーモン閣下
悪魔。「表現者」「音楽・娯楽の創作と演出」などアーティスト活動のみならずバラエティー、スポーツ、報道、教育、芸術、環境、国際、CM、選挙特番など遍く媒体で「ご意見番」として活動。現在、情報番組「ひるおび!」にコメンテーターとして出演。
魔暦前17(1982)年、ロックバンドの姿を借りた悪魔集団「聖飢魔Ⅱ」の歌唱・説法方として現世に侵寇(しんこう)。魔暦前10('89)年、大教典「WORST」はオリコンALチャート第1位を記録、「NHK紅白歌合戦」に出場(ともにHM/HRでは史上初)。魔暦19(2017)年4月21日より、全国コンサート「DEMON'S ROCK "EXISTENCE" TOUR, DC19」をスタートさせる。
座右の銘は、「常識破りとなるも、常識外れとなるなかれ」

(文・写真/黒田隆憲)

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
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