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公開中の映画『ラ・ラ・ランド』は、2月26日に発表されたアカデミー賞で「作品賞」受賞を誤って発表されるという憂き目にあったが、最多の6冠を受賞し、日本でもヒットを飛ばしている。

サムネイル

Emma Stone'La La Land' film premiere, Los Angeles, USA - 06 Dec 2016(写真:REX FEATURES/アフロ)


映画『LA LA LAND』WEB版予告編映像 1>>


映画『LA LA LAND』WEB版予告編映像 2>>


■夢の中で生きる喜びと苦さを描く

今年のアカデミー賞では、授賞式のクライマックスとも言える「作品賞」受賞を誤って発表されるという前代未聞の大ハプニングに見舞われた。授賞式前に大本命と有力視されていた『ラ・ラ・ランド』は惜しくも「作品賞」を逃したが、今年最多の6冠に輝き、2月24日から公開が始まった日本でも公開初週の興行成績で1位を獲得した。

主演のエマ・ストーンとライアン・ゴズリングが見せる華麗なステップや、ハイウェイでの豪華なダンスシーンは、公開前から熱心なミュージカル好きの胸をときめかせていたが、ミュージカル映画は好き嫌いが大きく分かれてしまうのもまた現実。しかし、今作は低迷していたハリウッドのミュージカル映画界で久しぶりに大ヒットを飛ばしている。

今作は長回しを多用したカメラワークで、歌い踊り出す見せ場のシーンも、ストーリーと共に流れるように展開。また、コメディ作品も得意な演技派の主演2人によって、思わず吹き出してしまうようなシーンも多く盛り込まれ、過剰なロマンチックさに身構えることなく作品を楽しめる。

さらに、女優を目指すミアを演じたエマ・ストーンとジャズの店を開きたいセバスチャン役のライアン・ゴズリングは、夢に向かって生きる人が実際に経験する苦さや迷いも痛々しいほどに熱演。才能を否定されるつらさや愛する人とのすれ違いなど、自分が描く"夢"の中へ飛び込むには、喜びだけではなくたくさんの苦々しい思いも同時に伴うことを突き付けてくる。それはまるで、先述のアカデミー賞の誤発表のような、幸せと不幸が表裏一体になっている現実をポンと差し出されるような展開にも似ている。

大ハプニングによって予期せぬ注目も集めてしまった『ラ・ラ・ランド』と『ムーンライト』(4月28日公開)だが、アカデミー賞を受賞したかどうかは一つの評価軸に過ぎないように、『ラ・ラ・ランド』の結末も、見る人の経験や受け止め方によってさまざまな思いがわいてくるだろう。

■今だからこそ見るべき作品!?

今作の監督と脚本は、映画評論家も舌を巻くような映画の知識が豊富なハーバード大卒のエリート、デイミアン・チャゼル。往年の映画好きはニヤリとするような膨大な数の名作にインスパイアされながら、それらの知識がなくとも圧倒されるような映像美で描かれている。普遍的な男女のラブストーリーが基軸になっていることも、多くの人がストーリーに共感しやすいエンターテインメント作品として仕上がっている大きな要因の1つだ。

今作は華やかな映像を楽しみ、ラブストーリーに胸を締めつけられ、作品のインスパイア元である過去の作品をもっと知りたくなるような興味も誘われる。過去の名作の醍醐味(だいごみ)を現代の視点から描き、多くの人が共感しやすい要素を持った『ラ・ラ・ランド』を見る重要性は、今後ますます高まっていくのかもしれない。

V.A. 「シティ・オブ・スターズ」(映画『ラ・ラ・ランド』楽曲)>>


(文/岩木理恵@HEW

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