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SMAP解散騒動などで木村拓哉へ注目が集まり、放送開始前後からバッシングも激しかった『A LIFE~愛しき人~』。それでも視聴率は初回14.2%と、今クールで首位発進となった。
2話目は初回より数字を落とすドラマが多かったが、逆に0.5ポイント上げて14.7%。独走状態になった。それでもメディアの中には、TBS社長の「及第点は15%」発言をことさら採り上げ、「現時点でのキムタクは"落第点"」と容赦なく批判が続いた。
さらに3~4話で13.9%~12.3%と少し下降しようものなら、「ついに視聴率がダウンし始めたキムタクドラマ」「主演ドラマには酷評の嵐 キムタクはなぜ嫌われるのか?」など、キムタク叩(たた)きの声は一段と大きくなった。

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視聴率ベスト3は......


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■5話以降の視聴率は上昇トレンド

ところが、そうしたネガティブな声を跳ね返し、視聴率は5話以降で上昇トレンドに乗った。
4話の12.3%の後、5話13.9、6話15.3、7話14.5と来て、8話は15.7%と同番組最高を記録した。もちろん今クール全ドラマの中で断トツのトップである。

データニュース社「テレビウオッチャー」が調べる満足度でも、初回こそ3.46と今ひとつだったが、2話3.70、3話3.61、4話3.77、5話3.65、6話3.70、7話3.74とドラマの平均3.6~3.7を超えるようになっている。視聴率という量的評価だけではなく、満足度という質的調査でも上昇トレンドとなっていたのである。

同調査では、調査対象者の自由記述も視聴者がどう受け止めたのかを知る手がかりになる。
まず当初バッシングが激しかったキムタクについては、ドラマが始まって次第に受け止め方が変わっている。

「正直木村さんはやっぱり木村さんという感じ」女37歳
「何を演じても変わらないとつくづく感じた」女50歳

メディアでもたくさん出ていた"これまでと何も変わらない、オレ様ドラマ"論に近い感想を持った視聴者も、初めは少なくなかった。ところが回を追うごとに人々の意見は変わって行く。

「キムタクの演技が素晴らしい」女45歳
「キムタク演技うまい」男23歳
「木村くんだんだん魅力的な医者になってきました」女66歳
「木村くんはただ格好いいだけでなく、いるだけで存在感のある役者になったなぁと感心」女51歳

回を追うごとに、主人公沖田(木村拓哉)が貫く、患者を救うためにかける誠実さがより多くの人々に伝わり、それと共にキムタクの演技に対する評価も好転していったようだ。

キムタク叩(たた)きの流れに乗り、共演者に対しても酷評の声が散見されていた。代表例が「豪華キャストを謳(うた)っておいて、あんな演じがいのない役をふるもんだから、浅野忠信や松山ケンイチたちの劇中の目がもう死んじゃって(笑)」というコラムニストの意見だ。
ところが視聴者の意見はすぐに変わって来る。

「浅野の表情がうまい」男64歳
「松ケンが1番いい味出しているドラマ」女41歳
「木村文乃の演技がうまくて良い」女35歳
「ベテランだらけでお芝居うまい人ばかりだからドラマに没頭できる」女27歳

主人公と幼なじみで副院長の壇上壮大(浅野忠信)は、経営者としての冷徹さ、妻・深冬(竹内結子)に対する愛と嫉妬、なかなか院長(柄本明)に認められないやるせなさなど、複雑な状況をうまく表現して来た。
他の医師・看護師・顧問弁護士なども、一人一人にスポットライトが当たる展開で、その度に視聴者の評価は上がって来たのである。

■8話の評価と終盤への期待

いよいよクライマックスの序章となった第8話。
深冬の脳腫瘍の治療法を見つけた沖田は、1週間後に手術をすることになった。ところが父一心(田中泯)が胸の痛みで倒れ、先に手術することになり、一心の強い望みで近親者であるにもかかわらず沖田が執刀するが、ミスをして出血してしまう。井川の助けで何とか手術は成功するが、沖田は失敗したことを思い出し考え込んでしまう。

一連を見ていた壮大は、夜中に深冬の寝顔を見て決断。手術の練習を始める。そして沖田に、かつてけがのためにマウンドを明け渡した沖田が、連続フォアボールで試合に負けたエピソードを話す。そして、「痛みをこらえて投げ続けると監督に直訴すればよかった」と告げる。「今回オペだ。自滅されちゃ困る。深冬は俺が切る」と壮大。
「俺は10年前、シアトルに行った。今はもう、あの頃の俺じゃない。深冬は俺の患者だ」と返す沖田。
「深冬は俺の家族だ」
壮大が最後に言い放ったところで、沖田の電話がなり、深冬が意識不明に陥り、出血している可能性があると連絡が入る。沖田と壮大は深冬の病室に向かう......。

この回の視聴率は15.7%の最高記録。沖田・壮大・深冬のトップ3の関係がいよいよ決着へと向かう。
何度も何度も練習し、準備万端整えることで恐怖感を克服して手術本番に臨む沖田は、いよいよ"愛しい人"を手術するという正念場を迎える。
愛と嫉妬と経営との板挟みの中で、深冬の手術を自ら執刀する道を選んだ壮大の思いは結局どこにたどり着くのか。

放送開始前からさまざまなバッシングがあったドラマの置かれた状況と同じように、くしくも主人公・沖田は逆風に直面しながらも正念場に対峙(たいじ)しようとしている。
この困難から逃げない姿勢が多くの視聴者の共感を生み、高視聴率という結果につながってきた。
周囲の人々の気持ちを動かしつつ、ストーリーはどう決着していくのか。ドラマ終盤にはますます大きな注目が集まりそうだ。

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文責・次世代メディア研究所

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