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第18回手塚治虫文化賞マンガ大賞など、数々の賞を受賞した羽海野チカの大ヒットコミックを、映画『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督で実写映画化した『3月のライオン』(前編3月18日、後編4月22日公開)。幼いころに両親と妹を交通事故で亡くし、父の友人の棋士・幸田に引き取られ、中学生でプロ棋士となった主人公・桐山零を演じるのは、同じく幼少期からプロの俳優として活躍する神木隆之介。大友監督から"小さいころからプロだった"という共通点がキャスティングする上で重なったと言われたという神木。そんな彼に、役柄へのアプローチ方法や、作品の魅力を語ってもらった。

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映画『3月のライオン』(前編3月18日、後編4月22日公開)


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■幼ないころから「芝居の世界は、できて当たり前」と言われてきた。

――大友監督が神木さんと桐山零には"小さいころからプロだった"という共通点があると仰っていました。

神木:僕も最初にお会いしたときに言われました。結構この言葉は、今回の零という役を演じる上で参考になったんです。

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映画『3月のライオン』(前編3月18日、後編4月22日公開)
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会


――どういった部分が腑(ふ)に落ちたのでしょうか?

神木:親には幼いころから、「芝居の世界は一人の役者として子どもも大人も関係ない。できて当たり前。わがままは許されない」と常に言われていたんです。お芝居の中では、相手の役者さんは自分のことを一人の演者として、役として語り掛けてくるので、プロということが何かはわかっていなかったと思いますが、"きちんとしなければいけない"という想いは常にありました。桐山も中学生でプロになり、年齢に関係なく自分を倒そうとしてくる大人がいる。そういった人との向き合い方とかは、僕と桐山が共通しているかはわかりませんが、共有はできるのかなと感じたんです。そのことは役をつかむ上ではすごく大きかったです。

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映画『3月のライオン』(前編3月18日、後編4月22日公開)
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会


――神木さんが演技者としてこだわっている部分は?

神木:自己満足の話かもしれませんが、演技をしているとき、相手の役者さんとは余計なことを考えず、心と心のコミュニケーションをとることを心掛けています。役を演じる上で、性格や癖はつけるようにはしますが、あまり"こういう人物だ"と決めつけず、相手と対峙(たいじ)することによって出てくるものを、しっかり受け止めて表現しようと思っています。

――では桐山零という役を演じる上で、しっかり意識した部分はどこですか?

神木:僕は彼の孤独を経験していないので想像の世界ですが、今回はいかに孤独を抱えていることを見せずに、寂しい気持ちであるかを表現することでした。その加減が難しかったです。

■二部作の重圧......現場はとても温かかった

――そんな零に共感する部分はありましたか?

神木:物語の中で、零は周りにちゃんと人がいてくれる。僕も今回の作品に出演させていただき、それを感じました。二部作の主役を演じるのは初めてで「頑張らなければ」という気持ちが強い一方、「どうしよう」という想いもあったんです。でも伊藤(英明)さんや倉科(カナ)さんをはじめとする3姉妹、加瀬(亮)さん、佐々木(蔵之介)さん、豊川(悦司)さんなど皆さんに支えていただきました。みなさんがいて、隣で手を差し伸べてくださっているという実感がありました。

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映画『3月のライオン』(前編3月18日、後編4月22日公開)
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会


――共演者とのエピソードはありますか?

神木:伊藤さんは健康オタクで、「隆ちゃんお風呂あがったらどうしてる?」といきなり聞かれたり「よく眠れてる?」と僕の健康をいつも気にしてくださっていました。加瀬さんは「SPEC」でも一緒で、その時から演じる時、静寂な中で鬼に徹するところなどは、すごく尊敬しています。豊川さんは『妖怪大戦争』では倒すべき仇(かたき)役だったのが、今回は義理のお父さんでしたし、佐々木さんも演じた島田のように、謙虚な上で積み重ねる強さを感じる方でした。

――先日行われた完成披露試写会でも、神木さんは司会役をするなど、現場の和気あいあいとした雰囲気が出ていました。

神木:僕の中では、すごく温かい方たちばかりの現場だったので、そんな温かさを伝えたいなと思いました。


■零のビジュアル、髪の毛は自分で切った!

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映画『3月のライオン』(前編3月18日、後編4月22日公開)
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会


――これまで人気コミックの原作を演じられることも多々あったと思いますが、本作はビジュアル面ではどんなアプローチを?

神木:髪の毛を初めて自分で切りました! と言ってももちろんメイクさん監修のもとですが。零は美容室や床屋とかにいかなさそうだよという話になったので、自分で切りました。あとは座り方、姿勢、考えているときの姿、そして歩き方などの癖は普段からつけるようにしました。伊達(だて)メガネに関しては、いつも僕もしているので、そのあたりは感覚をつかむことができたのですが、一番難しかったのは歩き方です。

――コミック原作に挑む場合、相当研究されるのでしょうか?

神木:この映画の場合は、きちんと物語の一人の人間として生きて、結果的に原作に寄り添えればいいという考えを大友監督と話し合いました。

■神木家・家庭の味はすいとん!

――倉科さん演じる川本家の料理がとてもおいしそうでした。

神木:撮影中は本当によく食べました。原作でも料理がおいしそうというのがありますが、本当においしかったです。この物語は、零が人間として成長していく要素の一つが川本家の料理にあると思っているので、とても大事なシーンだと思っていました。

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映画『3月のライオン』(前編3月18日、後編4月22日公開)
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会


――神木さんにとっての家庭の味は?

神木:僕はすいとんが好きです。母が良く作ってくれていたので、おふくろの味というとすいとんです。自分でも、ごくまれに作るのですが、母のようにはいきません。すいとんを食べるといろいろなことがフラッシュバックとしてよみがえってくるので、神木家だなと感じます。

――前編と後編では、零の表情が全然違うように感じられました。

神木:ラストの零の表情が最終目標という想いはありました。ただ、あまり極端に成長した感じは出したくなかったんです。人間はそこまで目に見えてわかる成長はないと思っていて、いつの間にか成長したねという方が説得力があると思います。比較的緩やかに時間が進んでいく作品なので、前編、後編を見終わったあとに、人間としての輝きや温かさが少し成長したと思っていただけるとうれしいです。

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映画『3月のライオン』(前編3月18日、後編4月22日公開)
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会


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映画『3月のライオン』(前編3月18日、後編4月22日公開)


神木隆之介(かみき・りゅうのすけ)
1993年5月19日生まれ。埼玉県出身。『妖怪大戦争』(05/三池崇史監督)で、第29回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し一躍注目される。その後も『劇場版SPEC』シリーズ(12~13/堤幸彦監督)、『桐島、部活やめるってよ』(12/吉田大八監督)、『バクマン。』(15/大根仁監督)、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(16/宮藤官九郎監督)など数々の話題作に出演し、傑出した若手演技派俳優として認められる。大友啓史監督とは、『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(14)に続いてタッグを組む。『サマーウォーズ』(09/細田守監督)、『借りぐらしのアリエッティ』(10/米林宏昌監督)など声の出演でも高く評価され、主人公の声を務めた『君の名は。』(16/新海誠監督)は大ヒットを記録した。公開待機作に、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(17/三池崇史監督)がある。

(取材・文・写真:磯部正和)

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