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三浦友和が17年ぶりに連ドラの主人公を演じた『就活家族』。平均視聴率はわずかに二桁に届かなかったが、最終回は自己最高を記録し、有終の美を飾った。
データニュース社「テレビウォッチャー」によれば、視聴者数は2,400人のモニター中、初回から最終回まで100人前後で推移し、極めて安定していた。いっぽう満足度は、序盤はいま一つ振るわなかったが、後半じわじわ伸び、最終回は3.89と極めて高かった。視聴率同様、見事なエンディングだったと言えよう。

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「就活家族」各指標の推移


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■視聴者の評価

「テレビウォッチャー」モニターで全9話に対する感想の流れを追うと、派手ではないがジワジワ良さが伝わる佳作ぶりが伝わって来る。満足度が5話まで低かったように、序盤では視聴者の自由記述にも厳しいものが少なくなかった。

「内容がリアル過ぎて見ていてしんどい。少しドラマらしくあればラクに見られたかも?」女46歳(初回の満足度2、2話で満足度1と最低。3話以降は視聴せず)

2話で「家族がそれぞれ抱える問題が、結構重い」(満足度2)と答えた女50歳は、3話でも「人の危うさを怖く感じた。誰もが持っていると思う」(満足度2)とした。それでも番組を見続け、最終回では「期待してなかったけど、結構面白かった」と答えている。

それでも後半から最終回にかけて、評価はぐんぐん上がって行く。
6話で「考えさせられる点がたくさん」(満足度5)とした女49歳は、7話以降も「最終回の展開が楽しみ」(満足度5)などストーリー展開にハマっていた。
5話で「主人は現実的ではないドラマだといっていたが、私は反対で、どこの家庭にもおこりそうなドラマだと思った」(満足度5)とした女69歳も、6話以降で「歯車がかみあわない夫婦。少しずつ良い方向に向かっているようで安心した」(満足度5)と最終回に強い期待を持ち見続けていた。

誰にでも起こりうる身近な社会問題や家族関係を、過剰に演出したりせず、リアリティを持って描いていたため、共感した視聴者が少なくなかったようだ。そして、待ちに待った最終回。評価はグッと上がったのである。

「家族がうまくいきそうでなかなかうまくいかない。見ていて何となくもやもやする気分が残った」と終盤ぎりぎりまでハラハラしていた女69歳は、最終回で「やっと収まる所に収まった感じで安心した」と満足度を最高の5にしている。
他にも「なかなか見ごたえのあるドラマだった」女54歳(満足度5)、「家族の個々の生きざま......考えさせられました」男41歳(満足度4)と、中身を噛(か)み締めるようにラストを迎えた視聴者がたくさんいた。

■20~30代にとっての理想の父親像

実はこのドラマ、満足度の全体平均は図表の通り、序盤は低く、後半でジワジワ上がり、最終回で高値となっていた。ところがF1M1(男女20~34歳)に限ると、最初から結構高く、最後は異例のハイスコアとなった。
F1は序盤から3.7台で推移し(ドラマの平均値は3.6~3.7)、最終回は4.25。M1に至っては3.8台でスタートし、途中で何度も4.0を突破し、最終回は4.30まで上がった。娘・栞(しおり)(前田敦子)と息子・光(工藤阿須加)が20代という設定で、同世代から見た家族の問題、特に父親像を描いたドラマだったために共感するところが多かったようだ。

「家族みんながそれぞれ仕事に関しての問題を抱えて追い込まれていて、今後どうなっていくのかが楽しみ」と初めから強い関心を示していた女31歳は、「バラバラになってしまった家族が、最終的に新しい家で皆んなで一緒に暮らせてよかった」(満足度5)とした。特に「仕事人間だと思っていた父親が、家族のために転勤を断って、子供達の相談相手にもなっていたことを知った母親はうれしかったと思う」と、父親の変貌ぶりに感動していたようだ。
「表面はうまくいっていそうな家族だが、各々がいろいろ問題を抱えていて今後どうなるかが楽しみ」としていた男31歳も、「最終的に家族の絆が深まって良かった。続編がみたい」(満足度5)とラストを高く評価していた。
「何気なく見始めたドラマだったが、一話から面白く、最後もハッピーエンドで楽しめました」(満足度5)女30歳など、地味な内容・演出だったが、見入っていた若年層が少なくなかったのである。

「最初はつまらないと思ったが、回を進むごとに三浦さんの演技が光りました」女50歳の言葉にある通り、エリートのサラリーマンだった父親が、仕事で挫折を味わい、家族と向き合う中で成長していく物語は、さまざまな世代に思う処が多かったようだ。特に父親との関係が希薄だった若年層にとって、三浦友和が演じた中高年になっても成長する父親像は、いぶし銀なれど眩(まぶ)しい存在だったに違いない。

『就活家族』のサブタイトルは、「きっと、うまくいく」。富川一家のそれぞれは、仕事や社会で多くのものを失ったが、家族と向き合ったことで得たものは貴重だった。
何が"うまく行った"のか。最終回を見逃した方は、ぜひもう一度反芻(はんすう)してみてはいかがだろうか。

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文責・次世代メディア研究所

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