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LUNA SEAのベーシストJが、ソロデビュー20周年を記念した2枚組のベストアルバム『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017>[W.U.M.F.]』を、3月22日にリリースする。本作は、ファンからのリクエスト投票上位曲を中心に、Disc1にはロックナンバーを、Disc2にはミディアム&バラード曲をまとめたもの。また、新たにヴォーカル・レコーディングおよびリミックスを行った曲、さらには書き下ろしの新曲「one reason」も収録されており、ベストアルバムとはいえ「現在進行形のJ」を堪能できる内容だ。

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J、『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017>[W.U.M.F.]』を3月22日にリリース


タイトルの『[W.U.M.F.]』は、「WAKE UP MOTHER FUCKER」の略。Jファンにはお馴染(なじ)みのこのフレーズを冠したこのベストアルバムに、彼は今どのような思いを込めているのだろうか。

J、書き下ろしの最新曲「one reason」>>


■この20年は、「俺にとっての20年」であると同時に「ファンにとっての20年」

ー 1997年にスタートしたJさんのソロワークスも、前作『eternal flames』で10作目に到達しました。このタイミングでのベストアルバムということで、何かテーマやコンセプトはありましたか?

J: 過去にリリースした2枚のベストアルバムとは違う内容にしたいという気持ちがありました。そして今回は過去音源の寄せ集めではなく、今までやってきたこと、これからやろうとしていることが浮き彫りになるような、そんなベストアルバムにしようと思いました。

ー Disc1にはロックナンバー、Disc2にはミディアム?バラード曲を中心にまとめてあり、さらには過去曲の再録ヴァージョンや、書き下ろしの新曲も収録されています。そうした内容も、今おっしゃったテーマやコンセプトを反映させたものですか?

J: そうです。今回再録ヴァージョンを入れたのは、例えば昔の曲をライブで何度も演奏していると、「今の自分ならこういう表現もできるな」とか、「こういう表現もやってみたかったな」とか、そういう思いが生まれてくるわけなんです。おそらく今後もやっていくうちに、どんどん(アレンジが)変わっていくかもしれない。なので今回の再録は、「現在進行形」の自分が演奏したらどうなるか? という実験でもありました。歌を録り直した曲にしても、実はところどころにオリジナルの声を混ぜ込んでいるんですよ。過去の自分と現在の自分をブレンドさせているのが、よく聴くとわかると思います。

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J、『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017>[W.U.M.F.]』を3月22日にリリース


ー過去の自分とセッションしているような感じですね。

J:確かにそうですね。ミックスダウンの時は結構大変だったのですが、満足いく仕上がりになりました。ロックナンバーとバラードを分けたのも、ちょっとした遊び心というか。今って、自分で自由にプレイリストを作って聴く人が増えていて、それはそれで素晴らしいと思うんですけど、だからこそ逆にこちらから曲順を提案するのも、面白いかもしれないと思ったんです。

ー選曲には、ファンからのリクエスト投票上位曲も反映されているそうですね。

J:実は、最初にその案をスタッフからもらった時は、「どうなのかな?」と少し不安に思ったんです。「すごく偏った投票結果になってしまったらどうしよう?」って。でも、よく考えてみればこの20年というのは、「俺にとっての20年」であると同時に、「ファンにとっての20年」でもあるわけじゃないですか。その思いが、このアルバムに封じ込まれるのだとしたら、それ以上のものはないですよね。それで今回、リクエスト投票上位曲を中心に選曲させてもらいました。

ーアルバムタイトルの『[W.U.M.F.]』は、「WAKE UP MOTHER FUCKER」の略ですよね。Jさんファンならお馴染みのフレーズだと思うのですが、改めてその意味、由来を教えてください。

J:昔、自分のベースにこのフレーズを殴り書きしたのが始まりです。あまり行儀のいい言葉じゃないので、意味はそれぞれ調べてもらえたらと思うのですが(笑)、当時は自分を鼓舞しようと思ったのか、あるいは、ファンに対してのメッセージだったのか......その両方だったのかもしれないですね。自分の中にある、本当の自分を目覚めさせるような、そんな存在でありたいし、そんな音楽を作りたい。その気持ちは今でも変わらないですね。今じゃ、その言葉が僕のキャッチフレーズみたいになって、たくさんの後輩ベーシストに、「Jさん、書いてください!」って頼まれますよ。(笑)。

■「変わらない音楽を作る」と強く思う自分

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J、『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017>[W.U.M.F.]』を3月22日にリリース


ーこの20年で、歌いたいことは変わってきていますか?

J:基本的には変わっていないと思います。1997年に『PYROMANIA』というファーストアルバムをリリースしたのですが、そこで言いたいことは言いつくしたんじゃないか? と思っている自分もいるんです。そのくらいインパクトのある、自分にとって絶対的な作品にしたい、そういう思いでレコーディングしましたからね。なので、そこから始まった物語が、どんどん膨らんで今に至るという感じかな。

ーサウンド的には、ターニングポイントってありましたか?

J:この20年間で、音楽シーンそのものが大きく変わりました。音楽メディアにしても、アナログからCD、そして配信へと大きく変化した。レコーディング現場もそう。アナログレコーディングからデジタルレコーディング、最近ではプライベートスタジオも増えてきました。そういう中で僕自身、いろいろな音楽に触れてきたし、いろいろな音楽に影響を受けたと思うんですけど、だからこそ、「変わらない音楽を作る」と強く思う自分がいて。時代に合わせて変わってしまうと、自分の音楽がうそになってしまうんじゃないか? と。今の若い世代が出す音と、僕が出す音が違って当然だと思うし、そうやっていろいろな音楽がシーンに集まることによって、厚い層が形成されていく。その方が、やる方も聴く方も、シーンそのものも面白くなるんじゃないかと。生意気かもしれないけど、そう思うんです。

■「自由」って実はすごく怖くて、誰もが簡単に味わえるものは本当の「自由」とは言えない

ーDisc1には書き下ろしの新曲「one reason」を入れています。この曲はどのようにして生まれましたか?

J:本作は今までやってきたこと、これからやろうとしていることが浮き彫りになるようなものにしたかったので、今の自分自身がもっとも色濃く出るような楽曲にしたかったんです。結果的に、ものすごくシンプルなアレンジに仕上がりました。「ベースもギターもユニゾンでいいんだ」と。それだけでカッコいいものを作りたかったし、その少ない音数の中に、この20年間の思いを封じ込めようと思いました。次のアルバムも、いいものになりそうな気がしますよ。

ーそれは楽しみです! この曲のPV撮影中のエピソードなどありますか?

J:撮影の前に監督とアイデアを出し合ったのですが、最終的にはあまり演出などこだわらず、バンド感みたいなものがダイレクトに伝わる映像にしようという話になりました。そこは、サウンド的なテーマとも一緒ですよね。僕らの立ち姿、演奏している時の様子がカッコよくなかったら、何をやってもカッコつかない。もっといえば、そこがカッコよければ何もギミックはいらないんじゃないか? って。監督にしてみたら、逆に難しいリクエストだったのかもしれないですけど、結果的にシンプルかつ勢いのある映像に仕上がったと思います。

ーさて、5月からはツアーが控えていますが、そこに向けての意気込みをお聞かせください。

J:このベストアルバムを引っさげてのツアーなので、「どこを切っても俺」というライブにしたい。20周年という節目なので、今までやってきたツアーの中で、いちばんド派手なステージにしたいですね。昔の曲もやるし、今の曲もやるし。僕ら自身も心から楽しみつつ、この20年間を誇りに思えるような内容にしたいです。

ー前回のインタビューで、座右の銘を「自由」とおっしゃっていましたが、Jさんにとっての「自由」とは?

J:「自由」って、実はすごく怖いものだと思いますよ。何でも自由に手にできるということは、その手にしたものに対して「責任」も生じると思うんです。誰かに強制されたわけでもないし、誰かのためにしているわけでもない。自分自身で選んで掴(つか)み取ることこそが「自由」ですからね。そして、その怖さ、スリルがたまらないし、だからこそ、「自由」って美しく見えるのかなとも思う。僕が「自由」を感じる時は、その怖さも一緒に感じているとき。その「怖さ」に打ち勝ってこそ、味わえるのが「自由」なので、誰もが簡単に味わえるものは、本当の「自由」とは言えないと思うんですよ。そんな、本当の自由を味わったことのある人の言葉やしぐさ、目線は、やっぱり全然違う。僕もそういう人間でありたいなって思います。

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J、『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017>[W.U.M.F.]』を3月22日にリリース


◆ J
1992年、LUNA SEAのベーシストとしてメジャーデビュー。1997年、LUNA SEAの一時活動休止を機にソロ名義でバンド活動をスタートし、ファーストアルバム『PYROMANIA』を発表。その後、LUNA SEA終幕を経て2001年にソロ活動を再開すると、海外から多数のアーティストを招き開催したライブイベント『FIRE WIRE』、史上初アリーナをオールスタンディングにして開催した日本武道館公演、数多くのゲストバンドを一同に迎えての5日間連続ライブ『SHIBUYA-AX 5DAYS』など、独自のスタイルでライブを開催。同時にアルバム作品も数多くリリースし、2015年、節目となるソロ10作目のオリジナルアルバム「eternal flames」をリリース。現在は2010年に再始動したLUNA SEAとソロの両輪で活動中。そして今年、2017年は記念すべきソロデビュー20周年。
座右の銘は「自由」。

(取材・文・写真/黒田隆憲)
ヘアメイク:大和田 京子(SLANG)

【ライブ映像】 「I know」(2015年10月10日 赤坂BLITZ)>>


【ライブ映像】 「Verity」(2015年10月10日 赤坂BLITZ)>>


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