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2016年度のドラマ界は、"お仕事ドラマ"が目立った。16年春クール『重版出来!』、夏クール『家売るオンナ』『営業部長 吉良奈津子』『HOPE~期待ゼロの新入社員~』、秋クール『地味にスゴイ!』、17年冬クール『就活家族』などだ。

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提供:アフロ


【無料配信中】スペシャルドラマ「LEADERSII リーダーズII」(2017年3月26日放送分)


実はこれら"お仕事ドラマ"には、視聴者が大いに満足した物語が多い。
データニュース社「テレビウオッチャー」は、毎日のテレビ視聴動向を調べ、人々が自発的に見た番組についての満足度を計測している。これによるとドラマの平均は3.6~3.7だが、"お仕事ドラマ"でこの平均値を大きく超えたものが少なくない。

『重版出来!』(シリーズ平均4.20・最終回4.31)
『家売るオンナ』(シリーズ平均3.89・最終回4.04)
『HOPE』(シリーズ平均4.12・最終回4.20)
『地味にスゴイ!』(シリーズ平均3.93・最終回3.98)

『営業部長 吉良奈津子』と『就活家族』は、シリーズ平均こそあまり高くなかった。それでも最終回は、それぞれ3.92と3.98だった。どうやら仕事に熱く向き合う姿は、人々の感動を呼びやすいテーマのようだ。

これら"お仕事ドラマ"が目立った2016年度のオオトリに、『LEADERSⅡ』が放送された。
TBSは2014年3月に第一部にあたる『LEADERS』を二夜連続で放送。その再放送が3月20日に4時間で一挙再放送され、続編の『LEADERSⅡ』が2時間スペシャルで放送された。第2次世界大戦前後、日本の未来のために、仲間を信じ、国産の自動車作りに人生を賭けた男たちの生きざまを、史実に基づいて創作したドラマである。"お仕事ドラマ"というより、娯楽性を度外視した本格的な"経済ドラマ"と呼ぶべき作品だった。

■『半沢直樹』『ルーズベルト・ゲーム』『下町ロケット』、そして『LEADERS』

実はTBSは、この種の"経済ドラマ"をたびたび制作してきた。
2013年夏クールには、『半沢直樹』。これは本格派というより娯楽性が高いドラマで、最終回の視聴率が42.2%と、TVドラマ史上2位に輝く作品となった。満足度もシリーズ平均4.36、5話から最終回までずっと4.4台という驚異的な評価となった。
14年春クールには、『ルーズベルト・ゲーム』が放送されている。中堅電子部品メーカーの頑張りを、野球部の存続に絡めた物語だった。こちらの満足度もシリーズ平均3.96、最終回4.22とやはり高かった。
15年秋クールには、『下町ロケット』。精密機械製造の中小企業が、ロケットエンジンのキーパーツであるバルブシステムの開発に奔走するドラマだった。満足度はシリーズ平均4.23、ラスト3回が4.3台と、『半沢直樹』に次ぐ高満足度となった。

そして第一部にあたる『LEADERS』が2014年3月に二夜連続で放送された際の満足度は、3.98と4.10。この2夜分4時間を一挙に再放送した今回の満足度が3.82。長時間の再放送という不利な条件が影響してか、やや下がった。それでもドラマの平均値を大きく上回っていた。

「高度成長期以前、日本企業で働く人のひたむきな姿がよく出ている、見ごたえのあるドラマだった」男41歳(満足度5)
「『下町ロケット』以来の男の熱いロマンと情熱を感じさせるドラマだった」女49歳(満足度5)
「熱演とドラマチックな展開が続き最後までそのまま見続けてしまった」男32歳(満足度4)
「妥協を許さずに製品開発を続けた努力と、社員を家族と言いリストラを実行せずなんとかしようとしていた社長がすごかった」女31歳(満足度4)
「主人公の信念がまっすぐでぶれないところに感動した。最後のお葬式のシーンは本当に悲しく思った」女52歳(満足度5)

『LEADERSⅡ』も4.10と、第一部の初回放送および再放送を上回る値となった。

「当時の街並みの再現や、役者の熱演が素晴らしい」女41歳(満足度5)
「旦那さんと一緒に目が離せず見てました! こういうドラマ好きです!」女30歳(満足度4)
「夢に突き進む姿、それを周りから支える姿に感動」女68歳(満足度5)
「前回も面白かったが、今回もすごく面白かった。特に車軸の耐久試験で次々と失敗していくシーンは圧巻だった」男60歳(満足度5)

老若男女に受け入れられているが、特に今回特筆すべきは、M1(男20~34歳)の満足度が4.63と突出した点だ。

「見ごたえがあった」男23歳(満足度5)
「希望をもらえた」男31歳(満足度5)
「国産車に対する物凄い情熱に感服する。もし、そんな人がいなかったら今の日本車はなかったかもしれない」男34歳(満足度5)
「トヨタも苦労していたんだなと思った」男26歳(満足度5)

■本格的な経済ドラマが若年層に刺さったという事実は、希望に満ちている

戦後、焼け野原から出発した日本の製造業は、いわばマイナスからの出発でとても苦労をした。絶望的な局面が何度もあったようだ。現代は経済も人口も右肩下がりとなり、将来に希望を持ちにくい状況となっている。その意味では戦後しばらくの日本と似た状況と言えよう。そんな現代の若者に、逆境の中で奮闘した当時の物語が熱く刺さったというのは、とても興味深い。

テレビは今や、半分以上がバラエティに席巻されている。代わりに3分の1ほどの時間量に減ってしまったドラマも、バラエティ化したり、サスペンスや刑事ものが幅を利かすなど、娯楽性が強くなっている。
こうした状況にありながらも、本格的な経済ドラマが若年層に刺さったという事実は、希望に満ちている。
何がどう若者の心を捉えたのか。彼らの心にも仕事に対する熱い思いが育っているのか。次世代の日本のあり方を占うために、ぜひ押さえておきたいドラマである。

【無料配信中】スペシャルドラマ「LEADERSII リーダーズII」(2017年3月26日放送分)

文責:次世代メディア研究所

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