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現役の東大生、高野りょーすけが留年を経験したことから一念発起し、昨年3月にブログで"東大生の1日を50円で売る"企画をスタートした。体当たり企画の数々はネットを中心に大きな話題となり、今年2月にはその体験談をまとめた書籍も発売されている。格安の報酬を通して、高野氏が手に入れたものとは?

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 現役東大生、高野りょーすけ)


1日を50円で売る東大生がNGな依頼>>


■東大に入学するも敗北感から無気力に......

「僕が自分の1日を50円で売りはじめたきっかけは、もともと大学を留年してしまったことが大きいんです。僕が唯一得意だった勉強も、東大入学後は周囲に勉強ができる子だらけになったので、自分の存在が光らなくなったように感じました。それまで勉強しかできなかった僕は、特に将来の夢もなく東大に入学したので、すっかり無気力になってしまったんです。そのまま自分の長所も見いだせないことに不安を覚えて、まずはブログを始めました。その後、おっさんレンタルや彼女レンタルなど、自分の時間を売っていらっしゃる方々を知りまして。いろいろなご依頼をこなしていけば、自分の長所がわかるかもしれないな、と。そこでレンタル系の最安値である小谷真理さんという方にならい、僕も『自分の1日を50円で売る』という企画をスタートさせました」

「最初はこの企画のルールを特に設けず、実際に依頼されたことを手探りで受けていきました。日本の男性から依頼を受けて、韓国旅行へ一緒に行ったこともあります。韓国へ出発する前に空港で初めてお会いして、旅行費や現地での滞在費や食費を全部出してもらい、1日当たり50円もいただきました。依頼は高校生から勉強の悩み相談を受けることが多いですね。ただ、高校生だと50円を踏み倒されることも多いです。基本的になんでも引き受けているんですが、宿題の代行は引き受けてないんです。僕は宿題をやっても構わないんですけど、それが学生さんの学校などで発覚したら炎上しそうなので断っています。今は毎月20件~40件くらいの依頼がきていて、この企画を始めてから依頼がそろそろ200件を超えそうです。そんな状態なので、学校はあんまり行ってません。いやもう、ゴミです」

■1日を50円で売って見つけた自分の価値とは?

「今まで受けた依頼で特に印象的だったのは、岡山県に住む発達障害のお子さんの所へ行ったことですね。数学がものすごく得意で、小学生ながら高校生レベルまで理解している子でした。親御さんが話し相手になるのは難しいので、数学を教えるためというわけではなく、単純な話し相手になってほしいという依頼でした。小学生ながら『モンティ・ホール問題』という確率論の有名な問題の話題も話せて、すごく驚きました。その他にも、長野県に住んでいる自殺未遂経験のある方へ会いに行ってきたこともあります。僕1人では大したことはできないんですが、岡山の発達障害の子とは数学の話し相手になれたし、長野の方の人生については僕を通して記事にすることができました。イチロー選手みたいな特別な才能は自分にはないのですが、人と接することによって「この人に対して自分はこういうことができるな」みたいな、相対的な価値は見つけられたのかもしれません。50円で僕の1日を売ることでそのことに気づけたので、もっと人と接していかなきゃいけないと思いました」

「自分の時間を売る活動がきっかけで1つ新しいサービスも生まれたんです。『Branch』というアスペルガー症やADHD(注意欠陥・多動性障害)などの発達障害児と、その子どもたちが興味を持っている分野の学生や専門家をマッチングさせて、発達障害の子たちの才能を伸ばすwebサービスです。そのサービスを使って、岡山の子ともう一度オンライン上のチャットで話すことができました。約1年前に話したときと比べて格段に難しい質問をしてきて、短期間での成長ぶりにびっくりしました。そんな新しい動きのきっかけ作りになれたのは、すごくうれしかったです」

■台湾では有名な"悲しき勇者"!?

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 現役東大生、高野りょーすけ)



「50円企画とは別に、webライターの活動もほそぼそさせていただいています。昨年のハロウィンには、"童貞"と書かれたTシャツを着て渋谷のスクランブル交差点に立って目立つかどうか確認する企画をやりました。仮装した女性がたくさん集まってきてくれたので、台湾の2ちゃんねるのようなところで話題になり、『日本の悲しくて勇敢な童貞がたくさんの美女を引き付けたのはなぜか?』みたいな記事が台湾のネットメディアで掲載されました。LINEのIDもさらされて、鬼のように台湾の方々からメッセージをいただきました。なにこれ、って感じです」

「僕が台湾で本当に有名人になれたのか確認するために、台湾への出発前にSNSで告知してから行ってきました。台湾の街を歩いていると『童貞さん!』とたくさんの方に寄ってきていただいたので、知名度が上がったおかげで見知らぬ人と触れ合えました。握手を求められるうれしさを実感できましたね。台湾の朝日新聞のような存在の新聞にも、僕が台湾にやってきたことを取り上げてもらいました。ただ、童貞としてではなく他のことで有名になれたらもっとうれしいんですけど。21年間生きてきた対価がこれって、悲しくないですか」

■経験を糧に今後は就職活動や彼女作りに意欲

「東大生でいることによって、僕の1日の時間を売りやすかったんですが、僕は勉強しか得意じゃなかったので、東大生でいることをすごくコンプレックスに感じることもあります。"勉強ができる=頭がいい"ということでもないし、東大に入っていない優秀な方がごまんといて、実際に世の中を動かしていますし。50円で僕の1日を売る企画をやったおかげでたくさんの人と出会えていろいろな経験ができたので、これを糧にしつつ、就職活動ふくめていろいろがんばろうと思っています。この1年は出会いが多かったんですけど、彼女は作れなかったので、在学中に運命の恋人ができたらもう泣き崩れます。有名人でいうとスポーツキャスター、マラソン解説者の高橋尚子さんのような女性がタイプです」


本人は「特に奉仕の精神を持っているとは自分で思っていません」と笑うが、謙虚な姿勢を崩さずに「大切だけれど埋もれてしまっているような物事を世の中に伝えていきたい」と語る高野氏は、自分が世の中に対して何ができるのかを真剣に模索し続けているようだった。

1日を50円で売る東大生の気になる月収>>


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その他の出演番組>>

・現役東大生が出会った岡山の天才小学生
・1日を50円で売る東大生を雇う費用が......
・小学生が東大生を「遊戯王」でフルボッコ

◆高野りょーすけ
1995年、茨城県生まれ。東京大学理科2類に現役合格。自分の取りえがないことと将来に不安を覚えて、自主留年。留年が決まった翌年の2016年1月1日にブログを立ち上げ、同年3月から「東大生の1日を50円で買ってくれませんか」企画を始める。同企画をもとに、小説投稿サイト「カクヨム」のエッセイ・実話・実用作品コンテストに連載を開始、受賞。
<座右の銘>「どうせ死ぬ」

(取材・文/谷本美花@HEW
(写真:トレンドニュース)

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
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