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今年デビュー15周年を迎えるMIYAVIが、キャリア集大成となるベストアルバム『ALL TIME BEST "DAY 2"』を4月5日にリリースした。CD2枚組となる本作は、シングル曲18曲に加え、「What's My Name?」など5曲をリアレンジして再録、さらにはインディーズ時代の音源、三池崇史監督/木村拓哉主演の映画『無限の住人』のために書き下ろした主題歌「Live to Die Another Day -存在証明-」も収録されており、孤高のギタリストとして常に戦い続けてきたMIYAVIの過去、現在、そして未来までもが見えてくるような内容だ。

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MIYAVI、映画『無限の住人』のために書き下ろした主題歌「Live to Die Another Day -存在証明-」


そこで今回、「GYAO!」では『無限の住人』にちなんだ質問を彼にぶつけてみた。MIYAVIが見た『無限の住人』の印象とは。そして、木村拓哉演じる主人公・万次(まんじ)の生きざまをどう思ったのだろうか。

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■「おまえは本気で生きているのか?」「毎日燃え尽きているのか?」というメッセージが伝わってきた

ー今回のオファーが来た時、MIYAVIさんはどのように感じましたか?

MIYAVI: もともとSMAPさんとは二度ほど楽曲提供をさせてもらって、木村(拓哉)さんとも一緒にパフォーマンスなどをさせてもらっていましたし、三池(崇史)監督のことも、『GOZU』(『極道恐怖大劇場 牛頭』)の頃から知っていて、日本では数少ない「挑戦的な映画」を撮る監督だと思っていたので、今回、正式にオファーをいただいたときには二つ返事で引き受けさせてもらいました。特に、木村さんにとっては再出発の「門出」となるタイミングなので、個人的に「刀」の代わりに「ギター」でともに戦わせてもらったという感覚です。

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木村拓哉主演『無限の住人』(4月29日公開)


ー映画『無限の住人』を見た感想は?

MIYAVI: まだCGが入る前の段階のものを見せてもらったのですが、作品の根幹となるメッセージは十分に伝わって来ました。「おまえは本気で生きているのか?」「毎日燃え尽きているのか?」。今、世界がバラバラになりかねない状況にある。アメリカも政権が変わり、イギリスのEU離脱があり。世界中至る所でテロもなかなか治まらない中で、「どう生きるのか?」ということが問われていると思うんです。『無限の住人』では、万次だけでなく他の登場人物たち、それぞれの生き方、それぞれの死に方があります。でも、総じて言えることは、みんな「マジで生きている」。特に万次は「死ねない」という宿命を持っているわけですよね。それって、いつか死んでしまう僕たちにとっては「理想」のようですが、実際はつらいと思うんです。周りの人たちがどんどん死んでいく中、自分だけが取り残されていくわけですから。つまり、人と出会った瞬間に「別れ」が見えてしまうでしょう? それって、「生きる」ことそのものへの自問自答の日々ですよね。そんな万次の前に、初めて「守りたい」と思える相手、(杉咲花演じる)凜(りん)が現れた。そこで初めて本気で「生きたい」と思うわけです。とても美しい感情ですよね。人も、季節も、花も、限りある命だからこそ「生きたい」と思う。その美しさ、尊厳を、万次は凜と出会うことで、取り戻すことができたんですよね。

ーMIYAVIさんは、「守りたい」と思う存在というと何を真っ先に思い浮かべますか?

MIYAVI: やっぱり、家族ですよね。僕は今、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)という、難民支援活動をしている団体のお手伝いをさせてもらっているんですが、レバノンに2回行かせてもらいました。で、今回はアジアツアーがあったこともあり、アジアにおける難民状況を知りたくて、ミャンマーとの国境近くにあるタイの難民キャンプに訪れたのですが、そこでタイのお坊さんと知り合ったんです。彼は600万人くらいフォロワーのいる、若い人たちに人気のあるお坊さんなのですが、彼の暮らす村では教育や農業、リサイクル、全てを敷地内で行っているんですね。僕も漠然とですが教育、いつかは農業をやりたいと思っていたのでカルチャーショックでした。ただ彼は、恋愛もしない、家族も当然いない、お金も触らない。それって、どんな感覚なのかなと思って。僕には家族がいますが、人はもともと男女一つの体で、失われた自分の「片割れ」を探す旅が「人生」なんじゃないかと思っているんです。それでまた、男と女が出会い、子供という形で一つになる。そのサイクルなんじゃないかと。その考えについて、タイのお坊さんは「どう思うか?」を訊(き)いてみました。

ーなんて仰っていました?

MIYAVI: 「僕が家族を持ってしまうと、家族を優先的に守ってしまう」と。つまり、自分という存在を「公」に捧(ささ)げているわけですよね。それってすごいなと思う。僕はまだまだ人間レベルなので、「家族を守りたい」と思うし、家族や友人、スタッフ、ファンを大切にしたい。でも彼はそこを犠牲にして公の為に生きている。

ー「守りたいものがあると、人は強くなるのか? それとも弱くなるのか?」というジレンマもありますね。

MIYAVI: そうなんです。

■人はいつか死にますよね いつか死ぬからこそ、何かを残そうと思うし、「承認欲求」がある

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MIYAVI、映画『無限の住人』のために書き下ろした主題歌「Live to Die Another Day -存在証明-」


ー主題歌を作るにあたって、三池監督からリクエストはありましたか?

MIYAVI: 「自由に弾き倒してください」と。作家冥利(みょうり)に尽きますよね。作品世界と現実をつなぐような、そんな楽曲になればいいなと。万次の中にある「静と動」、繊細さと激しさを、一つの楽曲の中にどう共存させるか。いわゆる「ポップソング」を作るつもりはなかったし、かと言って作品の中で流れるサウンドトラックでもない。でもそこに凜として存在する。そういうイメージで作らせて頂きました。

ー歌詞には、どのような思いを込めましたか?

MIYAVI: サブタイトルに「存在証明」という言葉を使っていますが、人はいつか死にますよね。いつか死ぬからこそ、何かを残そうと思うし、「承認欲求」があるわけですよね。「ここにいるんだぞ」「ここにいたぞ」っていう。みんな、ブログやツイッターが好きでしょう?「どこどこへ行ったぞ」とか「何々をしたぞ」とか。それって何なんだろう、何が気持ちいいんだろうと。人間の「三大欲求」と言われる食欲、睡眠欲、性欲ともまた違う欲求じゃないですか。自分が存在したという証、それはブログだったり、子供だったり、僕らミュージシャンだったら楽曲だったり。万次にとっての「存在証明」は、もちろん「凜」という存在ですよね。そんな、「存在証明」についての歌なんです。

ーMIYAVIさんは、不老不死の体が手に入ると言われたらどうします?

MIYAVI: うーん......すごく難しい質問ですね。おそらくタイのお坊さんのように、自分自身を「公」に捧(ささ)げようと思えば、不老不死の体でもいいかなと。特定の人を愛せないわけだから。

ー不老不死になってしまったら、「存在証明」が欲しいとも思わないかもしれないですね。いつか自分がこの世から消滅してしまうからこそ、何かを残したくなるのかなと。

MIYAVI: 確かにそうですね。そのお坊さんも、自分の村のシステムを作って、そこで生まれ育つ子供達は、たとえ血がつながってなくても彼にとっては子供達、「存在証明」と言えますから。それに、彼と出会って僕自身もすごく影響され、彼の思想は僕の中にも宿った。それも「存在証明」なのかもしれない。それが、彼にとってのクリエイションとも言える。

ーでは最後に、座右の銘をお聞かせください。

MIYAVI: 「Life Is A Constant Learning Process(人生は常に学びの道)」。死ぬときに笑っていたいと思うし、そのためには、死ぬ瞬間まで学び、前に進んでいきたいです。

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MIYAVI、映画『無限の住人』のために書き下ろした主題歌「Live to Die Another Day -存在証明-」


◆MIYAVI
アーティスト / ギタリスト。エレクトリックギターをピックを使わずに全て指で弾くという独自の"スラップ奏法"でギタリストとして世界中から注目を集 め、これまでに約 30 カ国 300 公演以上のライブとともに、4 度のワールドツアーを成功させている。2015 年にグラミー受賞チーム"ドリュー&シャノン"をプロデューサーに迎え全編ナッシュビルと L.A.でレコーディングされたアルバム『The Others』をリリース。2016 年に 8 月には Lenny Skolnik をプロデューサーに迎え『Fire Bird』をリリース。また、アンジェリーナ・ジョリー監督映画「Unbroken」(2016 年 2月 日本公開)では俳優としてハリウッドデビューも果たした他、映画『Mission: Impossible -Rogue Nation』日本版テーマソンクグのアレンジ制作、SMAP への楽曲提供をはじめさまざまなアーティスト作品へ参加するなど、国内外のアーティスト/クリエイターから高い評価を受けている。 常に世界に向けて挑戦を続ける"サムライ・ギタリスト"であり、ワールドワイドに活躍する今後最も期待のおける日本人アーティストの一人である。

(取材・文・写真/黒田隆憲)

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トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
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