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今クール最後のスタートとなった『フランケンシュタインの恋』が始まった。
"怪物的"綾野剛の肉体美&"菌女"二階堂ふみが主演だ。
120年前に生き返った名前を持たない"怪物"フランケンシュタインと、キノコの菌類を研究する大学生の恋の物語である。アラサー女子の結婚や仕事に絡む恋愛ドラマが多い中、「大学生×120歳」の恋という斬新なコンセプトで来た。

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連続ドラマ初回の二桁率


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■連ドラ初回に強い日テレ

初回の視聴率は11.2%。
実は日本テレビの連続ドラマは、好スタートを切ることで定評がある。例えば今期まで10クールのGP帯(夜7~11時)のドラマ初回視聴率を振り返ってみよう。2クールドラマやシリーズものが多いテレビ朝日を除くと、3局の中では日本テレビが二桁率82%、しかも8%未満率ゼロと圧倒的に好成績をおさめている。
ちなみに二桁率では、TBSもフジテレビも日テレの半分程度、8%未満率が2割ほどに及んでいる。

日テレは今期ドラマも3本全てが二桁に乗り、『フランケンシュタインの恋』も11.2%と好調な滑り出しだった。前提には番組宣伝を他の番組枠でうまくやっている点がある。
例えば初回10.6%だった『母になる』では、主演の沢尻エリカが直前1週間で11本の番組に出演し、うち2本がGP帯の人気バラエティだった。しかも当日は朝から4本に出演している。
視聴率12.0%だった『ボク、運命の人です。』も、主演の亀梨和也が直前1週間で15本の番組に出演し、うち4本がGP帯の人気バラエティだった。しかも当日は朝から3本に出演し、さらに直前のバラエティでも露出した。
そして視聴率11.2%だった『フランケンシュタインの恋』は、主演の綾野剛が直前1週間で14本の番組に出演、うち3本がGP帯の人気バラエティだった。放送当日も朝から4本に出演し、直前の『行列のできる法律相談所』にも出演した。

例えば初回が一桁に留まった『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』では、主演の観月ありさは当日の番組に全く出ていない。『釣りバカ日誌 Season2 新米社員 浜崎伝助』も、直前1週間の露出が少なく、当日は全く出演していない。
番組宣伝にかける日テレの徹底ぶりがわかる。

■人間界に憧れを抱く怪物

津軽継実(二階堂ふみ)は国立富獄大学農学部の学生で、生命科学を専門とする教授の鶴丸十四文(柄本明)の研究室に所属している。同じ研究室の大学院生の稲庭聖哉(いなばせいや)(柳楽優弥)から、菌類女子"キンジョ"と呼ばれている。

継実はある日、医大生と名乗る男3人との飲み会で大量にお酒を飲まされてしまう。
飲み会中のトイレで、姉で看護師の津軽晴果(田島ゆみか)に電話で助けを求め、晴果が勤務先の病院を抜け出しGPSで継実を追いかけるが、あと一歩というところで男たちに車で連れ去られてしまう。
山道で車が何かにぶつかり事故を起こす。その隙を狙って継実は森の中に逃げ出し、男たちに追いかけられるが何者かが現れ継美を助ける。バス停で目を覚ました継美の服に、小さな赤いキノコが付いていた。

それはとても珍しいキノコで、大学に持ち帰って調べてみるとアカナリカミタケという品種だった。そしてキノコを探しに再び山へ出かけ、そこで"怪物"(綾野剛)と出会う。
「僕は人間じゃない」という彼をもっと知りたいと、ついていくと"怪物"の住む家にたどり着く。
120年前からその家で暮らし、一度死んだのだが医学博士だった父・深志研太郎によって再び命を取り戻したのだった。父の死後はラジオを聴いて人間界を知り、憧れを抱いていた。
孤独な"怪物"を継実は人間の住む街に連れ出すが......

■見どころ&ファンタジー&矛盾のストーリー

拡大版となった初回。視聴者へのプレゼントとも思える90分には、さらに特典がついていた。
"知りたい"という気持ちを素直に出す継実の純粋な姿、ベレー帽をかぶり、まっすぐに目を見つめる二階堂ふみのまなざしは役柄とはいえファンサービスと言えるだろう。
その継実と怪物が、森で出会うシーンの深緑と光の美しさ。見事なカメラワークだ。

継実が山から怪物を連れ出し、自分の家に連れて行き、きのこ臭い怪物をお風呂に入れる。
人間の家もお風呂も初めての怪物は、言われた通りお風呂に入るのだが裸のまま出てきてしまう。
全裸の綾野剛のシックスパックがすごい! 鍛え抜かれた肉体美! さらに後ろを向いたツーパックまでも見えてしまう。
「何!? ちょっと見ちゃった......」という継実の声は、まさに綾野ファンの声。

一方120年山小屋で暮らしてきた怪物が人間の住む街に降りてきて、なぜ漢字が読めるのか?
どうしてすぐに自転車に乗れるのか?
ラジオだけを聞いて話すことができるのなら読み書きはどうやって? などとつまらないことを考えてしまう。シナリオに隙があると言える。
怪物×少女の恋を描いた90年代のジョニーデップ主演の映画「シザーハンズ」を思い浮かべるが、フランケンシュタインの恋では怪物のキャラが希薄で、もう少し特徴的なインパクトが欲しい!

■控えめな音楽は意図的?

個性的なイメージのこのドラマの音楽を手掛けたのはサキタハヂメ。作曲家でありノコギリ奏者だ。
「ノコギリ奏者って何?」と思う人も少なくないだろう。
西洋ノコギリを使用し、マネットかヴァイオリンの弓でスーッとノコギリを撫(な)でるのだが、ノコギリを湾曲させることによって音の高さを変えメロディを奏でる。
音色は高音で響きがあり美しい。クリスタルのグラスに水を入れ、グラスの縁を湿った指で撫(な)でると"ほわ?ん"とした、でも芯のあるソプラノサックスのような音がするがそれに似ている。
劇中でもかなりの頻度で出てくるので、見どころ聴きどころの一つとなっている。

このドラマの音楽効果は実に控えめで、音楽を主張するというより風景の効果音としてバックアップしているようだ。
その効果が山の中のシーンに美しく反映されている。
ノコギリで奏でられた抽象的で優しい音色が自然の風景に溶け込み、芸術的な空間を表現している。
ただ残念なのが、怪物が冒頭で現れるシーンでは「え? オペラ座の怪人?」と思える音楽となっている点。フランケンシュタインなのか、シザーハンズなのか、はたまたオペラ座の怪人なのか。せっかくのキャラクターの焦点がずれてしまうところはもったいない。
ノコギリで表現するというオリジナリティをぜひ生かして、フランケンシュタインをもっと個性的な非現実の世界を作り上げて欲しい。

継実が持つ頭の病気、変形した怪物の手に触れられ意識を失った姉の行方、怪物は人間界で暮らすことができるのか。
今期ドラマの中では圧倒的な個性を発揮した同ドラマ。ノコギリ音楽をどこまで生かしてくるのか、ストーリーの展開と共に楽しみにしたい。

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文責・パリ帰りのピアニスト はたじゅんこ
   次世代メディア研究所

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