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今や"夜の女王"と呼ばれ始めている剛力彩芽。
『ドクターカー ~絶体絶命を救え~』(16年春・日テレ系)、『グ・ラ・メ~総理の料理番~』(16年夏・テレ朝)、『レンタルの恋』(17年冬・TBS)と、この1年で夜11時台のドラマで主役を張り続けている。「ナイトドラマ=剛力」という図式が出来上がり始めているのである。

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『女囚セブン』の各指標評価


今クールの『女囚セブン』の舞台は、頂点(トップ)に君臨すべく壮絶なサバイバルが繰り広げられる女子刑務所。
山口紗弥加(政治資金規正法違反および詐欺罪で服役した謎多き政治秘書)、トリンドル玲奈(殺人罪で服役したキレると怖いシングルマザー)、平岩紙(遺産目当てで男に色仕掛けをし殺人を犯した毒婦)、橋本マナミ(業務上過失致死で服役した不倫にハマった有名美容整形外科看護師)、木野花(老老介護の末に夫を殺害)、安達祐実(無銭飲食を繰り返す刑務所ナンバー1の情報屋)、以上6人の個性的な女たちが剛力の前に立ちはだかる。

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■ゴールデンウィークという逆風

「経験したことのない役どころで、難しさもありますが、挑戦できることがうれしい」と剛力が話す通り、ユニークな設定のドラマだが、序盤戦では思わぬ逆風が吹き荒れた。
初回7.5%と好調な滑り出しを見せたが、2話5.3%、3話4.1%と視聴率が急落してしまったのである。同じ2,400人のテレビ視聴動向を追うデータニュース社「テレビウオッチャー」でも、視聴者数は44人→32人→31人と不調だ。

原因は明らかにゴールデンウィークというテレビにとっての"落とし穴"。
今年は4月29日から5月7日と最大9連休が可能な大型の休暇となった。『女囚セブン』の2話はその入口にひっかかってしまった。そして3話は後半の真っ最中。
例えば、同じく4月29日が2話となったテレ東『釣りバカ日誌2』は、視聴率を1%ほど下げた。5月5日に4話が放送されたTBS『リバース』も、2%ほど数字を落としてしまった。
まさに大型連休は鬼門なのである。

■満足度は急上昇

視聴率という量的評価では苦戦しているものの、満足度など質的評価は大きく好転している。
「テレビウオッチャー」によると、番組を見た人全体の満足度は初回2.84と振るわなかったが、2話で3.03に上げた後、3話では3.84と急上昇した。
特に若年層の変化は顕著だ。1層(20~34歳)で見ると、初回3.25が2話3.29を経て、3話で4.15まで上がっている。5段階評価でドラマの平均は3.6~3.7となっている。3話は大変な支持のされようだ。
実際に「次回見たい指数」でも、初回15→2話31→3話47と急浮上している。

こうした評価は、「テレビウオッチャー」自由記述でも確認できる。初回の書き込みは、残念ながら酷評が散見された。

「面白くない。囚人なら囚人らしく、もっと自然に演じてもらいたい」男70歳(満足度2)
「何が見どころなのか、全くわからないドラマ」女37歳(満足度1)
「囚人というあまり面白みのない題材にワクワクしない」男29歳(満足度1)

2話でも大きな改善は見られなかったが、3話では若年層を中心に異なる意見が増えていた。

「面白い」女31歳(満足度5)
「剛力がカッコよくて、なんか惹かれるドラマ」女52歳(満足度5)
「剛力さんの演技が良かった」男34歳(満足度4)
「剛力ちゃんははまり役」女34歳(満足度5)

評価急上昇の前提には、剛力の決まり文句が定着し始めている点もある。しかも3話では、そこに至るシーンが秀逸だった。

剛力「罪は犯すやつが悪いんやない。犯させるやつが悪いんどす」
トリンドル玲奈「あんた一体なにもの?」
剛力「ただの芸妓どす」

元ヤンのトリンドルは、このままでは娘が殺されると、クズ中のクズ男の夫を殺害している。前提に「保育園落ちた、日本死ね」問題を入れている。

剛力「元ヤンのシングルマザーは大変ですやろなあ。仕事さがすだけでも大変。そのために保育園に入れたくても、仕事がないから落とされる。保育園に入れへんさかいに、仕事も見つからへん。シングルマザーの無間地獄ループどすなあ」

こうした長ぜりふの合間に、カットバックでトリンドルの地獄の日々が描かれる。

「日本の男はみんなクズどす。男女平等とかいいながら、家事も育児もみんな女任せや」
「嫁を外で働かせて、家の中でも働かせて、自分はちょっと手伝うだけで、イクメンや呼ばれるなんて、アホラしゅうてかなわんわ」

これらを経ての決めぜりふ「罪は犯すやつが悪いんやない。犯させるやつが悪いんどす」は、剛力の言い回しの柔らかさが一層心に染みる。

"新感覚群像コメディ"という触れ込みのドラマだが、テーマとして極めて真面目なメッセージが挟み込まれている。エグさとブラックな笑い、そしてずしりと重い問題提起のバランス。切り口・台本・演技・演出の絡みは秀逸と言わざるを得ない。

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文責・次世代メディア研究所 鈴木祐司

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