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シンガーソングライター阪本奨悟が、両A面のデビューシングル『鼻声/しょっぱい涙』を5月31日にリリースする。自分自身の弱い部分を包み隠さずさらけ出した赤裸々な歌詞、切なくも美しいメロディ&歌声は聴き手の感情の奥深くを刺激する。

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阪本奨悟、両A面デビューシングル『鼻声/しょっぱい涙』を5月31日にリリース


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もともとは俳優として、ミュージカル「テニスの王子様」や大河ドラマなどに出演するなど将来を期待された存在だったが、音楽への強い思いから自らその道を選び、ゼロからアーティスト活動を始めたという阪本。その道のりは決して順風満帆なものではなく、一時期は絶望の淵(ふち)に立たされたという。そうした紆(う)余曲折があったからこそ、彼の「歌」は深く胸を打つのだろう。
今回のシングルについてはもちろん、音楽に目覚めたキッカケやつらかった時代のエピソードなどもたっぷりと訊(き)いた。

テーマは"今までで一番かっこ悪い阪本奨悟" 「鼻声」ミュージックビデオ>>


「しょっぱい涙」ミュージックビデオ>>



■正直、「諦めた方がいいんじゃないか」と思うくらい絶望の暗闇にいた

―― 阪本さんが音楽に目覚めたキッカケは?

阪本: 僕の父親が音楽好きでジャズギターを弾くなどしていたので、生まれた時から音楽は身近にある環境でした。小学校高学年の頃、家にあったギターを弾いていたら父が手ほどきしてくれて。それからずっと趣味で続けていました。一番のきっかけは、中学二年生の頃に『ミュージカル・テニスの王子様』の主役をやらせていただいたこと。その舞台でたくさん歌を歌わせてもらえたことで、その魅力にどんどん引き込まれていき、そこから抜け出せなくなってしまうほど夢中になりました。

――曲作りを始めたのは?

阪本: もともと、ものづくりが大好きで。プラモデルも説明書をあえて読まずに組み立ててみたり。そういうことを一人で黙々とやっていたんです(笑)。将来の夢もその頃は大工さんでした。工事現場を見て建物が出来上がっていくプロセスを見るのも大好きです。曲作りに興味を持ったのもそういう性格からかもしれません。弾いていたギターで、何か作ってみたいという衝動にかられました。

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阪本奨悟、両A面デビューシングル『鼻声/しょっぱい涙』を5月31日にリリース


初めて作った曲を自分のファンミーティングで披露したら、うれしいことにそれが思っていた以上に好評だったんです。それからはもう「もっともっと、自分の曲を作って歌いたい」っていう風になっていきました。曲作りこそが「自分らしさ」を表現できる一番の手段のような気がしたんです。決して役者が嫌になったわけではなく、とにかく当時は音楽がやりたくて仕方なかった。それで衝動的に役者を辞めて音楽に専念することにしました。

――それはかなり大きな決断だったのでしょうね。

阪本: 本当に天狗(てんぐ)になっていたんだと思います。役者としての知名度も上がっていた頃でもあって。完全に慢心状態だったんですよね。

――その頃特に影響を受けた、あるいは目指すミュージシャンはいましたか?

阪本: 僕が役者を一旦辞めたのが17歳で、その時はすごくモヤモヤしていた時期だったんです。役者になったのも親に勧められたのがキッカケで、順調にやらせて頂いていたんですけど、そんな自分をカッコよく思えなくなっていたというか。自分の人生なのに自分でちゃんと決断してきていないなって。そんな頃によく聴いていたのは尾崎豊さんとか、ONE OK ROCKさん。歌詞に共感もしたし、すごく救われた気がしましたね。自分の人生を自分で切り開いている姿にも憧れました。

――俳優を辞め、まずは路上ライヴを始めたそうですが、最初から自分で思ったようにいきましたか?

阪本: それがもう全然ダメでした。大阪駅でアンプを転がし、セッティングも完了していざ歌おうと思ったら、ギターの音は出ているのに恐怖で声が全然出なくて。例えば役者の頃にやっていたミュージカルは、ステージに立つ前からすでに僕のことを待ってくれている人たちがたくさんいたわけじゃないですか。でも路上ライヴは、誰も自分のことなど気にもかけていない。その感じが物凄くショックでした。役者をやっていた頃、自分はどれだけスタッフさんやお客さんに支えられていたかを思い知らされた。ものすごく後悔しましたね。「あの世界に戻りたい」って。

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阪本奨悟、両A面デビューシングル『鼻声/しょっぱい涙』を5月31日にリリース


――そこを踏みとどまって、挫折を乗り越えたのはどうやって?

阪本: その時、本当に独りきりだったら乗り越えられなかったと思います。というのも路上ライヴをやって絶望していた時に、同じように大阪駅でライヴをしているミュージシャンに「一緒にライヴハウスでやりませんか?」と声をかけてもらったんです。それで彼も含めた何組かで一緒にライヴをやったんですけど、そこには新しい音楽を探しているお客さんもいて、そういう環境で演奏できたことで僕の歌を聞いてくれるお客さんも少しずつ増えていったんです。正直、「もう諦めた方がいいんじゃないか」と思うくらい絶望の暗闇にいた僕に救いの手を差し伸べてくれたミュージシャンの方には本当に感謝しています。

――役者時代のファンの方も、ライヴハウスに来てくれるようになったとか。

阪本: そうなんです。お客さんがSNSで「阪本奨悟くんというアーティストのライヴを観てきた」というふうに呟(つぶや)いてくれて。それで知った昔のファンの方が、また戻って来てくれたりもしたんです。それでも最初のワンマンライヴは50人くらいだったんですけど、全くのゼロから始めたことを考えると本当に自信につながりました。

■もし自分に自信満々だったら歌も歌ってないのかなとも思う

――では、今回のシングル「鼻声/しょっぱい涙」はどんな風に作りましたか?

阪本: 「鼻声」は去年の春には曲はできていました。ただ、歌詞の部分でカッコつけてしまって。「本当のことを書くのは恥ずかしい」という気持ちもあり、ちょっときれいに着飾ったまとまりのいい言葉を並べていたんですね。でもそれってうそを書いていることと変わらないし、そんな歌詞では聴き手には何も届かない。今回歌詞をプロデュースしてくださった、ある方のアドバイスもあり、これまで自分が経験してきたこと、それで感じてきたことを正直に書くことにしたんです。それこそがシンガーソングライターとしての「あり方」だとも思うし。それは「しょっぱい涙」も一緒ですね。恥ずかしがらず、むき出しの感情をつづっています。

――「鼻声」では、人の言葉を素直に受け取れない、裏の意味を探してしまう気持ちを正直に書いているし、「しょっぱい涙」では"自分だけが頼りなんです"なんて言い切っています(笑)。

阪本: そうなんです。人のことを心から信用していない部分があるんです(笑)。それでも本当は心のどこかで救いを求めてもいる。......それってきっと、自分に自信がないからなんでしょうね。誰かを100パーセント信頼したり、気持ちを委ねたりすることが「怖い」というか。それに、もし自分に自信満々だったら歌も歌ってないのかなとも思う。そういう自分の中の弱い部分を歌にして出してみたら、初めて自分の気持ちを開放することができて少し強くなれたような気がした。さらに、そんな僕の歌詞に共感してくれる人がいたりすると自分自身が救われるというか。受け入れてもらえたような気持ちになれたんですよね。

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阪本奨悟、両A面デビューシングル『鼻声/しょっぱい涙』を5月31日にリリース


――自分の弱さやダメな部分を歌詞にしてみることで自分と向き合うことが出来るし、歌に昇華することで自分自身を受け入れられるようになるところもあるんでしょうかね。

阪本: そうだと思います。「歌詞のテーマについては行き着くところまで深く深く掘り下げる必要があるよ」とその方にも言われて。例えば「鼻声」では、「僕が好きだった女の子がなぜ、振り向いてくれなかったのか?」とか。「自分のどこに原因があったのだろう」とか、すごく考えさせられたんです。「しょっぱい涙」は、TVアニメ『王室教師ハイネ』オープニングテーマで「"絆"をテーマに歌詞を書いて欲しい」というリクエストだったのですが、「果たして僕には絆と呼べる関係なんてあったんだろうか」とか。

――それはすごくつらい作業ですね......。

阪本: そうなんです。ただ、そこまで突き詰めたからこそようやく出てくる言葉もあって。

――なるほど。そういう言葉でつづられているからこそ、聴いた人も深く共感できるのでしょうね。そういう音楽って阪本さんが好きだとおっしゃっていた尾崎豊にも通じるものがあるのかなと。

阪本:ありがとうございます。そういってもらえるとすごくうれしいです。

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阪本奨悟、両A面デビューシングル『鼻声/しょっぱい涙』を5月31日にリリース


――GYAOではMVを配信するのですが、撮影のエピソードをお聞かせください。

阪本: (舞台となった)部屋が汚いなあ、って思いました(笑)。今回東京藝大の学生さんが監督なんですけど、後から聞いた話では部屋の中のモノは彼らの私物らしくて。何年もずっとタンスで寝かせていた服とか、汚れた布団とか......(笑)。「自暴自棄な男の部屋」という演出だったんですけど、埃(ほこり)だらけで文字通り「鼻声」になりました(笑)。

――では最後に今後の抱負を教えてください。

阪本: 今後は音楽と演技、両方をやっていきたいと思っています。というのも、どちらの表現も共通するところが多くて。どちらも自分からアウトプットするものですしね。なので、役者で培ったことを音楽で、音楽で培ったことを演技で表現できる人間になれたらと思っています。それと今「全国阪本化計画」というライヴをやっていて、日本全国が阪本色に染まるよう、これからの人生をかけて実現していきたいと思います!


◆ 阪本 奨悟(さかもと・しょうご)
兵庫県西宮市出身のシンガーソングライター。 過去にミュージカル「テニスの王子様」主演:越前リョーマ役や、大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」などに出演し、役者としての将来を期待されるも、音楽への強い思いからその道を選び、東京を離れ、地元兵庫にて単身音楽活動を開始。 2年間の自主活動を経て、2014年シンガーソングライターとして東京での活動を再開。翌年2015年より「全国阪本化計画」と銘打って、全国各地で精力的にLIVEを開催している。そして、2017年4月期アニメのOPテーマに楽曲「しょっぱい涙」が決定し、5月31日にメジャーデビューシングル「鼻声/しょっぱい涙」をリリースする。座右の銘は「地道」

(取材・文・撮影/黒田隆憲)

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