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累計60万部を突破したベストセラー小説を、映画『八日目の蝉』の成島出監督で映画化した『ちょっと今から仕事やめてくる』(5月27日公開)。働く人々にとって深刻な社会問題となっている「長時間労働」や「パワハラ」など重いテーマを絶妙な緩急で描いた本作で、アロハシャツで大阪弁、エネルギーに満ち溢(あふ)れたヤマモトにふんする福士蒼汰と、ブラック企業に所属し、陰鬱とした毎日を送る真面目な青年・青山を演じた工藤阿須加が、作品に込めた思いや成島組で学んだことなどを語った。

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福士蒼汰&工藤阿須加、映画『ちょっと今から仕事やめてくる』(5月27日公開)


【予告編映像】『ちょっと今から仕事やめてくる』>>


【メイキング映像】リハーサル映像や撮影の裏舞台も公開>>


■福士&工藤ともにパブリックイメージとは違う役に挑戦!

――本作のプロデューサーを務める池田宏之さんが、原作を読んだときにお二人の顔がすぐに浮かんだということでした。台本を読んでどんな印象を受けましたか?

福士: ヤマモトという役は関西弁で底抜けに明るい人なのですが、普段の自分はそうでもなくて。自分の顔を思い浮かべていただいたのはありがたい話ですが、どうやって自分から明るさを出していくか、ヤマモトのエネルギーの源はどこあるかを探しながら読んでいました。

工藤: まず感じたのは、この役と向き合うのは大変だなということです。青山の視点だけで物事を考えてしまうと(会社の上司と同僚で、青山に厳しく叱咤(しった)する役を演じた)吉田鋼太郎さんや黒木華さんがただの否定的な人物になってしまうので、そういった人達の思いも全部、自分が受け止めた上で演じないといけないと思いました。

――お二人とも今回はパブリックイメージと違う役柄だと思いますが、何か課題を持って臨まれたのでしょうか?

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福士蒼汰、映画『ちょっと今から仕事やめてくる』(5月27日公開)


福士: 今回は大阪弁も含め、たくさん課題がありました。成島監督にはリハーサルの時からいろいろと宿題を出されたので、なんとか食らいついてしっかり表現することを意識しました。

工藤:僕もリハーサルのたびに宿題だらけで、それを次のリハーサルまでにクリアしていくことに必死でした。しかも本番ではリハーサル以上のことが求められるわけで、どこまで向き合えるか、自分との戦いでした。正直クリアできているかは自分では分からなかったのですが、成島監督から「自信を持っていい」と言っていただけたので、少し気が楽になりましたね。

――工藤さんの職場のシーンは見ている方も心が折れそうになるぐらい厳しいシーンでした。

工藤: そう思っていただけるのは、吉田さんや黒木さんのおかげです。

福士: 完成したシーンを見たとき「これはかわいそうだ」と思いました。青山は前に向かいたいけれど怖いんだというのがすごく伝わってきました。それは工藤さんの持つ、自身の真面目で一生懸命頑張る部分と重なっているからなのかなと思いました。

――工藤さんは普段からリクルートスーツを着て役作りをされたとお聞きしました。

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工藤阿須加、映画『ちょっと今から仕事やめてくる』(5月27日公開)


工藤:リクルートスーツって自分を守る鎧(よろい)でもあり、前向きに頑張ろうという意思表示をしてくれるものでもあるんだなと思ったんです。毎日着ているとシワの出方も変わってくる。自分の血肉となって表現できればいいなと思っていました。

――そうすると役を引きずってしまったのではないでしょうか?

工藤:撮影期間中は友人とも家族とも会わずに一人でいるようにしたので、孤独でしたが、、その感覚を持てたことは良かったと思います。撮影後、改めて僕はお芝居が好きだと思えたのはうれしかったです。

■成島組で学んだことは数限りなくある!(福士)

――長い期間をかけて準備をする成島組に参加して、どんなことを得ましたか?

福士: たくさんあります。セリフの裏に隠されている真意、なぜその言葉を発するのか。それを明確にしていくことが、大事なプロセスだと身に染みました。今回の役は謎が多いのですが、シーンにいないときもヤマモトは何をしているだろうかをしっかり想像することを学びました。

工藤: 青山としてどう生きられるかを意識しました。その生き様を成島監督に丁寧に撮っていただけたので、すごく難しい役柄でしたが最後まで撮り終えることができました。

【キャストインタビュー映像】公開記念特番>>


――お二人は初共演でしたが、対峙(たいじ)してみていかがでしたか?

福士: 青山のまっすぐな部分が工藤さんとリンクしていて、工藤さんの目から伝わってくるものが、ヤマモトという役を演じる上でとても助けになりました。

工藤: 福士くんはすごく仕事に対して真面目で真摯(しんし)に取り組む人。笑顔の中にも繊細さがあって、すごくつらい場面も多かったのですが福士くんという存在によって心を動かされた部分が多かったです。

■役者という仕事は「自分を高めてくれるもの」(福士)

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福士蒼汰&工藤阿須加、映画『ちょっと今から仕事やめてくる』(5月27日公開)


――仕事がテーマの作品ですが、お二人にとって仕事とはどんなものですか?

福士: 役者という仕事は、自分のスキルを上げてくれるものと思っています。たとえば今回だったら大阪弁やビスラマ語に触れることができたし、職業や専門的なものを描く作品だと知識や技能を習得していく必要があります。人間としてスキルアップしていくことを続けていける、自分を高めてくれるものですね。

工藤: 生涯続けていける仕事を見つけられたら幸せだなと思っています。それが役者であればいいなと。でも、きっと自分に守るものができたら仕事に対する考えも変わってくると思うので、今は明確な答えを出せていないというのが正直な所ですね。

■プロでいることの厳しさはいつも実感している(工藤)

――これまで俳優という仕事をして、演じることの厳しさは感じていますか?

福士: 演じる人の人生を背負わなくてはいけないというのは、とても責任のあることだと思います。

工藤: 俳優という仕事に限ったことではないのですが、プロでいることの厳しさはいつも実感しています。映画はお客さんがお金を払って見に来てくれるので、それ以上のものを提供しなくてはいけないという責任は感じていますし、見に来てもらうためにはどういうことをしなければいけないかということも常に考えなければダメだと思うんです。その部分はもっと突き詰めていきたいです。

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福士蒼汰&工藤阿須加、映画『ちょっと今から仕事やめてくる』(5月27日公開)


――もしブラック企業だと思われる会社に就職してしまったらどうしますか?

工藤: ブラックなのはどこまでなのか線引きが難しいですよね。同じ厳しいところでも、そこに愛があるかないかで変わってくると思うんです。まずは自分の視点を変えてみて、別の見方をすれば打開策があるのかもしれないと考えますね。

福士: 「ミスったな~」って思います(笑)。でもバリバリいい仕事をして、上り詰めて部下に優しくして自分が会社を変えるか、それができないような環境だったら会社にいる意味を失ってしまうので辞めちゃうかもしれません。

――座右の銘をお聞かせください。

福士: 昨年の正月に父から「自分の苦労は、人の苦労。それが自分を保つ秘訣(ひけつ)だよ」と言われて、なるほどと思いました。

工藤: 楽しく生きるためには、苦しいことを嫌になってはいけない。ちゃんと向き合わなければいけないという考えは常に持っています。


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(取材・文:磯部正和 撮影:中村好伸)
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福士蒼汰(ふくしそうた)
1993年5月30日生まれ。東京都出身。2011年テレビドラマ「美咲ナンバーワン!!」で俳優デビュー。同年に「仮面ライダーフォーゼ」で主役・如月弦太朗を務める。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で主人公の初恋相手を演じ、大ブレイク。その後も話題作への出演が続き、今後は7月期連続ドラマ『愛してたって、秘密はある。』(日本テレビ系)に主演、公開待機作に『曇天に笑う』『BLEACH』『旅猫リポート』『ラプラスの魔女』(いずれも2018年公開)がある。

工藤阿須加(くどうあすか)
1991年8月1日生まれ。埼玉県出身。2012年にテレビドラマ「理想の息子」で俳優デビューを飾ると、翌年、大河ドラマ「八重の桜」や「ショムニ2013」、2014年にはドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」、2015年には、NHK連続テレビ小説「あさが来た」に出演。「偽装の夫婦」「家売るオンナ」「就活家族」など話題作に出演するほか、映画でも『アゲイン 28年目の甲子園』(15年)、『夏美のホタル』(16年)『恋妻家宮本』(17年)などで個性を発揮している。
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トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
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作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

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