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ゆとり世代のイケメンをイクメンの主人公にした『3人のパパ』。
ルームシェアする3人のイケメン男子の家に、突然赤ちゃんがやってきたら何が起こるのかを描いたハートフルコメディだ。
担当プロデューサーは、"愛"にも"生(性)"にも無関心・無責任な"ゆとり・さとり"世代の、人間的成長を期して制作を決めたと言っている。イケメンがイクメンするドラマを見てもらうことで、今ドキの男を育てようという意図があったと思われる。

サムネイル

『3人のパパ』各評価指標の推移


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■ドラマの見られ方

ドラマを評価するには、量的側面と質的側面の両方がある(注)。
量的側面とは、視聴率や録画した人の数で、どれだけ多くの人々に関心を持たれ、実際にリーチしたのかを測定する方法。

『3人のパパ』の視聴率の場合、初回1.9%で始まり、3話まで上がり続けて2.4%に達した。ところが4話以降は右肩下がりで、7話で1.2%にまで下がってしまった。これが放送されている「テッペン! 水ドラ!! 」枠の前作は『レンタルの恋』だったが、1.3%で始まり3話の2.3%が最高。その後6まで下がり続けて1.4%になっていた。同じような軌跡を描いているが、深夜枠としても必ずしもヒット作とは言えない。
録画数で見ても同じようなことが言える。
一般的にドラマの初回は、録画する人が多い。『3人のパパ』も24人が録画したが、その後減少の一途となった。そして3話以降は12~14人ほどで安定している。ただし『レンタルの恋』と比べると数字は少なく、イクメンがテーマだったために、男たちにあまり関心を持たれなかったのが響いているようだ。

質的側面とは、実際にドラマを見た人が内容をどう評価するかを測定する方法だ。
まず満足度では、初回こそ1.80と極端に悪い評価だったが、その後はほぼ上がり続け、3話で3.86とドラマの平均を大きく超えた。そして5話では、4.20と極端に高い評価を勝ちとるに至った。その後6~7話も3.8前後で、かなり好調と言えよう。
ちなみに前作『レンタルの恋』は3.40で始まり、その後2.90から3.75の範囲で推移した。ドラマの平均が3.6~3.7なので、前半戦は苦戦続き。6話でようやく平均を少し超える程度で留まった。『3人のパパ』がいかに高評価かがわかる。

次回見たい率は、実際に見た人に「絶対見る」「なるべく見る」「見るかもしれない」「たぶん見ない」「絶対見ない」と5段階評価してもらったもの。上位2評価の比率を次回見たい率として計算しているが、『3人のパパ』は初回40%で始まった後、2話以降みるみる上昇した。そして5~6話は100%、7話が83.3%だった。
量的評価は今一つだったが、実際に見ている人々の評価はかなり高かったようだ。

(注):視聴率はビデオリサーチ社関東900世帯調査から。録画数・満足度・次回見たい率はデータニュース社「テレビウオッチャー」関東2400人調査から。

■視聴者が感情移入し始めた第7話

質的評価が最高潮に達した5~6話では、絶賛の声が多くなっていた。

「今回(5話)は、子育てシーンが中心に出て来て、現実味があった」
「(6話)おばさんと息子の再会は、すごく泣けた」
「技術的には拙(つたな)いけど、ちゃんと感情のこもった演技をしているので、気持ちが伝わってくる。先週(5話)、今週(6話)と感動できた」
「泣きました。笑いあり涙あり、子供もかわいいし良いと思います」

そして7話。
ある朝、恭平(山田裕貴)が1つのニュースを見て驚く。暮らしているシェアハウスの近所で幼児が1年前に失踪したという内容だった。
晴大(室野慶心)がシェアハウスに現れたのも、ちょうど1年前。そして、記事に載っている幼児の写真は晴大にどことなく似ている。
晴大は誘拐された子かもしれないと不安に思った拓人(堀井新太)、恭平、朔(三津谷亮)は、緊急会議を開く。その頃、3人の同級生・華(松井愛莉)、恭平の元婚約者・るい(相楽樹)もそのニュースを知り、シェアハウスの大家・美奈子(濱田マリ)と相談を始めていた。3人が誘拐犯なのかもしれないとすでに疑っていたのだ。
そんな中、拓人ら3人は晴大が置き去りにされた時の状況と誘拐事件を整理してみることに。すると、今まで晴大と撮った写真の中に、怪しい人物が何回も写りこんでいたことを発見する。
3人は何かの事件に巻き込まれてしまったのか......?
そんな折、警察がシェアハウスを訪ねてくる。例の幼児失踪事件の情報を集めているという。焦る3人は必死に晴大を警察から隠そうとするが......。

「3人が回を増すごとに親バカになってて、赤ちゃんに触れられなかった朔が晴大くん抱っこしてたり自然に笑顔が多くなってるのもうれしくなりました」
「美奈子さんはなんだかんだ3人に優しい理解者で、るいさんが恭平のことちゃんと信じてるのも良かった」
「なんか刑事に正直に言うことの妥当性よりも隠すことの必死さのが面白くて、がんぱれ! 隠せ! って思っちゃうのはなんなんだwww」
「誘拐犯でなくて良かったよ」
「犯罪は関係なくてよかった。(ラストで)見てたのが、本当のお母さんだとしたら、なぜそうしてるのか気になった」

実際に見た人たちの感想からは、すっかりドラマに感情移入している人が少なくないことが伺える。そして3人のパパの成長ぶりだけでなく、今後の人生を気にし始めているのも微笑ましい。さらに、本当の母子のことを心配し始めているのは特筆すべき点だろう。

ドラマの担当プロデューサーは、"愛"にも"生(性)"にも無関心・無責任な"ゆとり・さとり"世代に、家族愛や絆に目覚めてもらおうとしていた。一見ハートフルコメディだけど、確固たる狙いを持つ同ドラマは、着実に視聴者の心にリーチし始めている。
"愛と生(性)"の教育ドラマは、次回からいよいよ最終章。ゆとり世代に何をどこまで伝えようとするのか、ちょっと目が離せなくなってきた。

文責・次世代メディア研究所 鈴木祐司

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