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大沢伸一のライフワークとも言えるソロ・プロジェクトMONDO GROSSOが、実に14年ぶりとなる通算6枚目のオリジナル・アルバム『何度でも新しく生まれる』を6月7日にリリースする。
本作は、MONDO GROSSO史上初となる「全曲日本語ボーカル曲」アルバム。大沢の盟友であるbirdやUAをはじめ、ロックバンドAMPSのメンバーとしてともに活動する二神アンヌ、さらには満島ひかりや齋藤飛鳥(乃木坂46)など多彩なボーカリストをフィーチャーし、作詞もTica・αことやくしまるえつこや宮沢和史らが名を連ねるなど、ファンの予想を(いい意味で)裏切り新境地を切り開く意欲作となった。

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MONDO GROSSO 、14年ぶりのアルバム『何度でも新しく生まれる』を6月7日にリリース


1991年にバンド編成でMONDO GROSSOを結成して以来、25年以上も第一線で活躍し続け、数多くのヒット曲を生み出し続けてきた大沢。その圧倒的なクリエイティビティ、無尽蔵とも言えるモチベーションは、一体どのように保ち続けてきたのだろうか。

【ミュージックビデオ】ラビリンス [Vocal:満島ひかり]>>


【ミュージックビデオ】惑星タントラ [Vocal:齋藤飛鳥(乃木坂46)]>>


【ミュージックビデオ】TIME [Vocal:齋藤飛鳥(乃木坂46)]>>


■今回も皆さんが想像するストライクではないところを狙ってみました、それが僕なりの誠意の尽くし方

――ここ最近は、DJ、プロデューサー、リミキサーというイメージが強いですが、そんな中で「MONDO GROSSO」は大沢さんにとってどんな位置付けになるのでしょうか。

大沢: 意外と僕の中でもはっきりとした棲み分けというものがなくて。こうやってアルバムを作る機会がある時に、出来上がってくるものというか。「こうあるべき」という指標みたいなものは漠然と浮かんでくるんですけど、それを言葉にして説明できるかというと、しっくりくるものがなかなかないんですよね。
でもやっぱり、僕が個人で作る作品も、誰かとの化学反応みたいなものが多分に含まれるんですけど、MONDO GROSSOというのはその集大成というか。「自分一人で作っている」というのはおこがましくて、誰かとのコラボレーション......「コラボレーション」というと安っぽく聞こえてしまいますけど、誰か作った何かに対して、また他の誰かが反応して何かを作る、みたいな化学反応の繰り返しで、生み出したものなんですよね。

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MONDO GROSSO 、14年ぶりのアルバム『何度でも新しく生まれる』を6月7日にリリース


――作品ごとに作風も変化してきていると思うのですが、MONDO GROSSOはライフワークとも言えるのでしょうか。

大沢: そうかもしれないですね。ここまで長く続いているものでもありますし、別に休止もしていなければ再開もしていない、「ずっとあるもの」で良いのかなという気がします。その時々で、存在の仕方が変わっていくことはあるかもしれないですが。

――では、今作『何度でも新しく生まれる』を作る上でのコンセプトやテーマはありましたか?

大沢: とにかく、やっていないことをやろうということになり、それで「全曲日本語ボーカル曲」に挑戦しました。MONDO GROSSOでは、これまで少なからず、皆さんの想像を裏切るようなことを毎回やってきているので、今回も皆さんが想像していたことのストライクではないところを狙ってみました。それが、僕なりの誠意の尽くし方というか(笑)。

――歌モノに向かったのはなぜ?

大沢: 最初はもう少しインストゥルメンタル曲とか、自分なりのこの10数年間「大沢伸一」名義でやってきたことのフィードバックというか、もっとひねくれたことをやろうと思っていたんです(笑)。でも、実際にやり始めてみると、なかなかそれだとしっくりくるものが出来なくて。そんな中、「ラビリンス」という曲が出来上がった時に、「これ、どう考えても日本語の歌詞にした方が面白いんじゃないの?」って思って。まずその曲を日本語ボーカルでやろうと決めたときに、「そういえば、全部日本語ってやってないから、面白くなるんじゃないか?」と思いついて。そこで大枠のテーマが決まった感じでした。

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MONDO GROSSO 、14年ぶりのアルバム『何度でも新しく生まれる』を6月7日にリリース


――サウンドプロダクションの部分では、テーマや縛りはありましたか?

大沢: そこは制限を一切していないです。曲によっては、ミックスしてマスタリングに出す1週間前にアレンジが変わっている曲もあったりして。そこに制限を加えてしまうと、僕ではなくなってしまうので。ものすごく自由にやらせてもらっていますね。ただ、相変わらずローランドのリズムマシンTR-808を、新しく買い直して結構使ったり、ベースとギターは僕が演奏したりしているので、そこで統一感というか、共通の色は出ているかもしれないです。

――いわゆるクラブミュージック的な16ビートの曲だけでなく、8ビートの「ERASER」「SEE YOU AGAIN」など、意外な曲も入っていてとても楽しめました。

大沢: 確かにロックっぽいし、これまでのMONDO GROSSOにはなかった曲調ですよね。この辺りは僕が80年代によく聴いていたポストパンクからの影響みたいなものも、もしかしたら入っているのかもしれないです。

■音楽を続けていないと、自分の存在価値がないと思っているところはあるかもしれない

――今回、ゲストも満島ひかりさんや齋藤飛鳥さん(乃木坂48)、やくしまるえつこさんなど意外だったり豪華だったり、とても驚きました。こうしたフィーチャリングはどのように決めたのでしょうか。

大沢: 実は今回、僕からの提案はほとんどなくて。スタッフの中から出てきたアイデアなんです。というのも、MONDO GROSSOの歴史がこれだけ長くなってくると、スタッフそれぞれの思い入れっていうのが出てくるんですよね。もちろんリスナーの方々も含めて。であれば、今回はそういう提案やアイデアを、一度全て受け入れてみるというところから始めてみたんですね。

――そうすると、大沢さん自身も思いもしなかった組み合わせ、化学反応が生まれる確率も上がりますよね。

大沢: そうなんです。そこを楽しめるようなモードに入ったというか。以前の僕はもっとコントロールフリークというか、ある種の完璧主義的な部分もあったんですけど、今回はイレギュラーなこととか、偶発性とか、事故やアクシデントも楽しんで次の展開に変化させていくような気分で作りました。

――楽曲は、ゲストボーカルが決まってから「宛て書き」したのでしょうか。

大沢: いや、そういう曲はほとんどないです。もともとあった曲を少しアレンジ加えたりしたことはありますが。シンガーを想定した曲がほとんどないというのも、MONDO GROSSO史上初めてのことかもしれないですね。以前はかなり作り込んでいたし、ボーカルの声を想定したアレンジということにこだわった時期もありましたけど、結局はそれも「勘違い」というか。作る時に「こんな声が乗ったらいいな」と思ったとして、それとは全く違うボーカルが乗った時に生まれる偶発性とか、驚きの方が新鮮だし、そこで「よし、こういう声ならアレンジはもう少しこうしよう」という新たなアイデアが生まれるかもしれない。さっきも言ったように、そういう偶発性を大切にしたいんですよね。

――今回GYAO!では、「ラビリンス」のPVを配信させていただきます。この曲の思い入れやエピソードがあったら教えてください。

大沢: 「ラビリンス」という曲自体が、満島さんじゃないと歌えないというか。歌手をなりわいにしている人が歌っても、あんな風にはならないと思うんですよね。と同時に、歌手の人がPVでああいう風に演じたり踊ったりということをやろうとしても、絶対に難しいと思うんです。そこは本当に、奇跡的に全てがマッチングしたなと思います。

――他に印象に残っているコラボレーションは?

大沢: 僕が思いついた曲に対して声を探している時に、たまたま知り合いのエンジニアに紹介してもらった下重かおりさんという、主婦業をされている方も印象的でしたね。そういう方が、UAやbirdと並んでいるというのも、このアルバムの面白さかも(笑)。

――それにしても、25年以上も曲を作り続けている原動力は、一体どこからくるのでしょう。

大沢: そこはもう、「音楽中毒」っていうことですよね。他に理由ないですね。音楽を辞めてしまったら、もう僕の存在が危ぶまれるというか(笑)。音楽を続けていないと、自分の存在価値がないと思っているところはあるかもしれないです。

――フジロックへの出演も発表されました。どんな編成になる予定ですか?

大沢:まだちょっと未定です。これだけゲストが多いと、やり方をちゃんと考えないとですね(笑)。

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MONDO GROSSO 、14年ぶりのアルバム『何度でも新しく生まれる』を6月7日にリリース


◆6th ALBUM『何度でも新しく生まれる』(2017.6.7 RELEASE)

※ CD
01. TIME
VOCAL & WORDS : bird

02. 春はトワに目覚める (Ver.2)
VOCAL & WORDS : UA

03. ラビリンス
VOCAL : 満島ひかり
WORDS : 谷中敦 (東京スカパラダイスオーケストラ)

04. 迷子のアストゥルナウタ
VOCAL : INO hidefumi
WORDS : 宮沢和史 (元THE BOOM)

05. 惑星タントラ
VOCAL : 齋藤飛鳥 (乃木坂46)
WORDS : ティカ・α (やくしまるえつこ)

06. SOLITARY
VOCAL & WORDS : 大和田慧

07. ERASER
VOCAL : 二神アンヌ
WORDS : 二神アンヌ, 大沢伸一

08. SEE YOU AGAIN
VOCAL : Kick a Show
WORDS : Kick a Show, 大沢伸一

09. late night blue
VOCAL & WORDS : YUKA (moumoon)

10. GOLD
VOCAL : 下重かおり
WORDS : bird, 大沢伸一

11. 応答せよ
VOCAL: やくしまるえつこ
WORDS : ティカ・α (やくしまるえつこ)

※ DVD
Music Video
・ラビリンス
・惑星タントラ
・SEE YOU AGAIN
・TIME

◆大沢伸一
音楽家、DJ、プロデューサー、選曲家。主な活動はMONDO GROSSO、AMPS、Thousand Tears Orchestra、LNOL。リミックスワークを含むプロデュースワークでBOYS NOIZE、BENNY BENASSI、ALEX GOHER、安室奈美恵、JUJU、山下智久などを手がける他、広告音楽、空間音楽やサウンドトラックの制作、アナログレコードにフォーカスしたミュージックバーをプロデュースするなど幅広く活躍。座右の銘は、「何度でも新しく生まれる」

(取材・文・撮影/黒田隆憲)

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
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