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藤原竜也と伊藤英明をダブル主演に迎え映画化された『22年目の告白―私が殺人犯です―』(6月10日公開)。メガホンをとったのは映画『SR サイタマノラッパー』の入江悠監督。藤原とは、若いころにドラマでタッグを組み、映画への熱い思いを語り合っていたという。そんな二人が大きなバジェットの作品で再会。しかも入江監督自身が「ずっと撮りたいと思っていた」という重厚なサスペンスということで、その思いは一層強かったという。入魂の作を作り上げた入江監督が作品への思いを語った。

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入江悠監督、映画『22年目の告白―私が殺人犯です―』(6月10日公開)


【劇場予告編】『22年目の告白―私が殺人犯です―』>>


■脚本完成まで2年半、決定稿は第37稿!

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映画『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』に出演(6月10日公開)


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――サスペンス映画を撮りたいとずっと思っていたとお聞きしました。

入江: 小さいころからサスペンスやミステリーが大好きだったんです。でも『SR サイタマノラッパー』以降、青春映画や音楽映画のイメージがついたのか、あまりそういったジャンルのお話をいただく機会がなく。そんななか、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に参加したとき、ニール・ブロムカンプ監督の『第9地区』を見て「自分が撮りたかった映画はこういうジャンルだ!」と再認識したんです。しかも同い年だと知り、大きな衝撃を受けました。

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映画『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』に出演(6月10日公開)


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――ものすごく重厚なサスペンスで、緊張感も半端なかったのですが、どんな部分を意識したのでしょうか?

入江: 先人も「映画の基本は脚本」と言っていますが、この作品は徹底的に脚本を叩(たた)きました。自分も青春映画をやるときは、勢いで書きなぐってしまうこともあったのですが、水を注いで漏れてきたところをふさぐように、気になるところは徹底的に直しました。警察やジャーナリストの取材も何度も行い、最終的には2年半、第37稿までいきました(笑)。

■藤原竜也、伊藤英明の"静"の演技は日本映画を変える!?

――藤原さんが「入江監督には楽をさせてもらった」と仰っていました。

入江: そんなことはないですよ(笑)。でも脚本が弱いと俳優部はそれを演技で補わなければいけないから、その意味で迷いなく演じていただけたのかなと思います。

――藤原さん、伊藤さんの演技はいかがでしたか?

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映画『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』に出演(6月10日公開)


入江: お二人ともクランクインされたときから、すごく抑えた芝居をされていたんです。実は、演出部側は「こんなに抑えて大丈夫なのかな」と思っていたのです。特に伊藤さんは、熱い男のイメージがあったので......。でも思いを内にため込んでいく抑制された芝居は圧巻でしたね。主演2人がこうした"静"のなかで感情を表現するお芝居をしてくれたのは、日本映画が大きく変わるきっかけになるかもしれないと思いました。

――仲村トオルさんも非常にための利いた演技をされていました。

入江: かつて戦場を渡り歩いたキャスターで、現在はジャーナリストという役柄だったのですが、実際に戦場カメラマンのところに取材に行ったり、かなり勉強熱心な方でしたね。「イメージではなく事実を積み重ねて役作りをしたい」とおっしゃっていたのが印象に残っています。

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■目指す道は「世相と娯楽の融合」

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入江悠監督、映画『22年目の告白―私が殺人犯です―』(6月10日公開)


――メジャー配給会社の作品を手掛けることが多くなってきました。

入江: 『SR サイタマノラッパー』などのときは、お金も自分の貯金を使ったり、スタッフも目の届く人数だったりしましたが、この規模の映画だと、格段にスタッフの数も増えますし、まとめるのは大変ですね。以前なら、少人数だったので、飲み会して「頑張ろうぜ!」でモチベーションは上がったのですが、この規模だとそうはいかないですから(笑)。あと責任感が違います。

――どういった責任感なのでしょうか?

入江: 何百館という映画館で上映されるということは、それだけ見る人も多くなってきます。僕もそうですが、子どものころや多感な時期に見た映画って、生きていくうえで大きな影響を受けたりするわけで、世の中の不条理や喜怒哀楽をないがしろにすると、悪い影響を与えかねないという怖さというか、責任感は感じます。

――そういった責任感もそうですが、インディーズの方が自由に作れたという思いはありませんか?

入江: あまり制約を受けていると感じないですね。インディーズは予算的制約が非常に大きいので。雨を降らせたいと思っても、無理ですから。本作も、ニュース番組のスタッフはみなオーディションだったのですが、そういった大掛かりなことも、こちらがアイデアを出せば叶(かな)えてもらえることも多いですし。一番大事なのは「メジャーかインディーズか」というよりも、プロデューサーとどこまで同じ志を共有できるかということだと思います。

――非常に見ごたえのある作品を作られましたが、今後はどんな映画を撮っていきたいのでしょうか?

入江: やはりサスペンスやミステリーを撮りたいです。こういったジャンルは社会を映し出しているものだと思っているので、今後も世相と娯楽を融合させた作品を追求していきたいです。

――座右の銘をお聞かせください。

入江: 「脚本は足で書け」。この言葉は今回改めて感じました。机上で書くことが多くなりがちですが、ひたすら取材して足を使って書くことの大切さを痛感しました。

(取材・文・写真:磯部正和)

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入江悠(いりえゆう)
1979年11月25日生まれ。神奈川県生まれ、埼玉育ち。日本大学芸術学部映画学科在籍中から注目を集め、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭・オフシアターコンペティション部門で、短編作品が2年連続入選。2006年に初の長編映画『ジャポニカ・ウイルス』が全国公開。2009年に手掛けた、埼玉でくすぶるヒップホップグループの青春を描いた『SR サイタマノラッパー』が、ミニシアター系劇場における数々の動員記録を更新し、第38回モントリオール・ヌーヴォ国際映画祭で招待上映されるなど旋風を巻き起こした。その後も、2014年には松竹配給の『日々ロック』、2015年には東宝配給の映画『ジョーカー・ゲーム』などの作品を手掛けている。座右の銘は「脚本は足で書け」。

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