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「吉田類の酒場放浪記」でおなじみの"酒場詩人"吉田類がとうとうスクリーンデビュー! 居酒屋を舞台にしたオムニバス映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』で3つの物語の案内役を務めるほか、第3話では俳優として主演を果たした。本人は「苦労はなかった」と映画初主演をすっかり楽しんだようで......。

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"酒場詩人"吉田類が出演!映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』6月10日公開


【劇場予告編】吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」>>


■吉田類、自分を「笠智衆か」と思う?

6月10日公開の『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』は、大衆酒場で繰り広げられる心温まる物語3篇が詰まった居酒屋ムービー。吉田類はそれぞれの物語の前後に狂言回しとして登場しつつ、第3話「ふるさと酒場 土佐っ子」では、高知出身の吉田みずから警察に追われる謎の投資会社社長を熱演している。

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"酒場詩人"吉田類が出演!映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』6月10日公開


「長尾(直樹)監督には、『そのままでいいよ』と言われていたんです。大体ね、演技という素養が自分の中に入っていないので、演技のスイッチ自体がない。作品に出てくる土佐弁とうちの田舎の言葉は違うので、土佐弁だけは難しかったけど、それ以外の苦労はなかったです」

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全く違う人を演じてみたかったという気持ちは?

「いや、素の自分と違うことをやれと言われてもできないです。そこらへんは見抜かれていると思いますよ(笑)。ふと頭によぎったのは、笠智衆(りゅうちしゅう)さん。笠智衆さんは、演技しないというか、監督らに『笠智衆のままでいい』と言われていた俳優です。もちろん比較なんかおこがましいですが、あくまで自然体でいましたね」

■吉田類に流れる土佐っ子気質

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物語が土佐の話で、演じたのが土佐人だったのもやりやすかった。

「逃亡者の役で、シチュエーションはこうで、と考えることはいろいろありましたが、同郷の土佐の人を演じるので、気持ちはつかみやすかったですね。"いごっそう"というんですが、土佐の男は酒飲みで気骨があって頑固者。それを美徳としているところがある。女性は"はちきん"といって威勢がよくて気が強い。実際、経済力があって社長とかやっている女性が多いんです。男は酒飲んでるだけ(笑)。女の人のほうがずっと頼りになるんですよ。

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共通して言えるのが、人懐っこいということ。土佐へ旅行に行ってリピーターになる人は多いですが、向こうで触れたあたたかさが忘れられないみたいですね。土佐人は自分を飾らないので、無理がない。それが失礼に当たったらそれはそれで終わりだけど、そのまま自分を表現しちゃう。だからこそハマった人は楽しいんじゃないかな」

ふらっと大衆酒場に入って、その場の人とすぐに仲良くなってしまう吉田類は、そういう意味で生粋の土佐っ子なのだろう。

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「僕はずっと海外を旅していて、ファッションはイタリアが好き、文学や絵画などの芸術もヨーロッパ的なものに惹(ひ)かれたのが先だった。でも、根底には土佐人気質があると思います。だから外国でもすぐになじめた。それが今の「酒場放浪記」にもつながっているんじゃないかな。もともと、守らなきゃいけないものはないという居直りがどこかにあるんでしょうね。いったん外に出たら、これはなじんだ方が楽しいよ、とスッとなじんじゃう。

外国に行っても、自然体でいればすぐに受け入れてもらえるんです。僕ね、海外でよく道を聞かれるんです。それくらいなじんでいるんでしょうね。日本でもそれが不思議がられて、そこがウケてるんじゃないかな。『なんであんな風に、どこ行ってもすぐになじめるんだ』って。ただ、あれコーヒーだったら無理ですよ(笑)。お酒だからできる。いいお酒は本当にいい潤滑油ですね。人と人を結びつけます。潤滑油として僕はお酒を飲ませていただいてるんです」

■「僕みたいにいきなり乾杯するのは難しいですよ」(笑)

ここ10年ほどの大衆酒場ブームや立ち飲みブームは、まさに吉田類によってもたらされたと言っていいだろう。吉田類の酒場探訪はとにかくファンが多い。居酒屋で客と乾杯し続けて、気付いたらプロ野球の始球式をやり映画主演を果たしていたなんて吉田類だけだ。

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吉田類が見せているのは、大衆酒場はコミュニケーションの場だということ。そしてそれがここまでウケたのは、「安くておいしいお酒と食べ物を共通項に、いろいろな人と出会いたい、触れ合いたい」と共感する人が多かったからだ。とはいえ、知らない店にいきなり入るのも勇気がいる。「いい店を見つけるコツ、大衆酒場で楽しむコツ」はあるのだろうか。

「大衆酒場だと、まずオープンなカウンターがある。コの字カウンターってあるでしょ。あれがある店はまず間違いないです。全員顔を合わせるけど、みんな初対面だったりする。今はどこにでもありますが、昔は東京の下町にしかなかったんですよ。

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あと、料理で言うなら、女性客がいるところがいいですね。女性がいないところが悪いわけではないんですが、そういう店は、ただ酔いたいだけの人が多い。おいしいものが食べたいなら女性客がいる店がいいです。

そういう店を発見して入ったら、まずあいさつすること。店の人にもそうだし、先客に対してもそう。あいさつされて怒る人はいません。でも、僕がテレビでやってるように、いきなり乾杯というのは難しいですからね(笑)。グラスをあげて軽くあいさつするくらいから打ち解けるのがいい。酒場で、人との交流の仕方を覚えていくのもおもしろいですよ」


映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』は、3つの居酒屋を舞台にした心温まる物語。
今日の大衆酒場ブームを巻き起こした酒場詩人・吉田類が待望のスクリーンデビューし、映画主題歌にも初挑戦。河島英五の代表曲「時代おくれ」を情緒豊かに歌い上げる。6月10日に全国公開。

◆吉田類
ヨーロッパ各地を旅しながら絵を学び、パリを拠点に画家として活動する。30代半ばで活動の場を日本に移し、イラストレーターへ転身、1990年代からは酒場や旅に関する執筆活動を始める。また、俳句愛好会「舟」も主宰している。2003年から放送のBS-TBS「吉田類の酒場放浪記」で一躍"飲んべえのアイドル"に。
座右の銘は、「終始一貫して、臨機応変」。

(取材・文・写真/大木信景@HEW

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