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多くのドラマが終盤を迎えた今クール。
視聴率・録画数・満足度・次回見たい率など、質・量ともに評価がバツグンに安定しているのが『小さな巨人』だ。オリジナルドラマならではの強さを存分に発揮し、登場人物を強烈だが魅力的なキャラクターに設定し、ストーリーもどんでん返しや紆余曲折(うよきょくせつ)が満載。しかもタイムリーな時事トピックスを投入するなど、さまざまな工夫で視聴者に見続けてもらうことに成功している。

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序盤から"見たい率"が高い「小さな巨人」


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■量と質における評価

6月9日時点で判明している各ドラマの平均視聴率では、1位が14.1%の『緊急取調室』。『小さな巨人』は13.2%で2位。ただし直近の5回で比較すると13.1%対13.2%となり、『小さな巨人』がわずかにリードしている。勢いはこちらにあると言えよう。
分かっている録画数で比較すると(注)、1位は2400人中140人以上が録画している『CRISIS』。2位『リバース』(138人)に次いで、『小さな巨人』は133人で3位に入っている。そして視聴率と録画数を勘案した量的評価では、『小さな巨人』がトップに躍り出る。

いっぽう満足度では、『リバース』が8話平均4.02でトップ。『小さな巨人』は3.90で2位につけている。
『リバース』は、湊かなえが結末から順に冒頭に向かって書いた作品。ラストに向け視聴者が最も驚く内容になっていることもあり、直近2話の満足度はそれぞれ4.2を超えている。後半から終盤にかけ、満足度では少し開きが出てしまったようだ。

次回見たい率でも、同様の差が出た。「次回絶対見る」「なるべく見る」と答えた人の割合は、『リバース』93.8%に対して、『小さな巨人』は92.0%とわずかに負けている。ただし両ドラマの初回を比較すると、『リバース』の満足度は3.52、次回見たい率は84.6%。対する『小さな巨人』は、満足度3.72で見たい率84.8%と、冒頭から多くの視聴者の支持を得ていた。このことは視聴率に明らかに影響していた。『リバース』は2話で4%視聴率を落とし6.3%に低迷してしまったが、『小さな巨人』は2話でも数字をほとんど落とさず13%台をキープした。

これらの結果、『小さな巨人』は今期全ドラマの中で総合評価1位を獲得している。序盤から安定した評価を保つことの重要さを改め示す事例と言えよう。

(注):視聴率はビデオリサーチ社関東900世帯調査から。録画数・満足度・見たい指数はデータニュース社「テレビウオッチャー」関東2400人調査から。

■第8話に見る強み

オリジナルドラマゆえの『小さな巨人』の高い評価は、第8話でも発揮されていた。

香坂(長谷川博己)は、元捜査二課の江口警部(ユースケ・サンタマリア)を殺害したのは、早明学園の富永専務(梅沢富美男)だと確証を掴(つか)んだ。ところが任意同行を決意した小野田捜査一課長(香川照之)は、あっさりと富永を釈放してしまった。
100%の証拠と200%の覚悟で富永を調べ始めたが、新たな証拠を提出され富永はシロ、横沢が300%クロとされてしまった。番組序盤で早くもどんでん返しが登場し、しかも一課長が元一課長の富永とつながっていたことが明確になった。裏帳簿問題が前提になっていたが、"組織の巨悪に対峙(たいじ)する個人の正義"という構造が一挙にフレームアップされた瞬間である。

いっぽう捜査一課の藤倉(駿河太郎)らは捜査を再開。香坂ら所轄も捜査に加わった。
横沢が接触する可能性の高い妻・亜美(中村アン)に祐里(芳根京子)が見張り役についたが、その祐里の携帯を横沢との連絡の道具に使われてしまい、横沢をなかなか確保できない。意外な展開が続く。
しかし横沢と妻・亜美の裏をかいて、香坂ら所轄は何とか横沢を捕まえる。裏帳簿を一課長より先に入手するための仕掛けだった。ところが一課の藤倉は、香坂らの動きを見越して待ちかまえ、横沢を横取りしていってしまった。一課長に「使えるものはなんでも使え、同期でも」と言われていた藤倉の裏切りだった。

この後、事態はどんでん返しが二度三度と繰り返され、視聴者はジェットコースターから振り落とされんばかりに翻弄(ほんろう)される。「敵は味方のふりをする」が同ドラマの基本コンセプトだが、これがどこまでに及ぶのか、視聴者の想像を次々に超えて行ってしまう。
しかも第8話の最後は、父との確執がある山田(岡田将生)がトンデモナイ行動に出る。この山田の父息子関係は、実は香坂の父子関係にも重なり、しかも富永がここにも絡んでいることがほのめかされる。

■残り2話の行方!

複雑骨折しまくっている『小さな巨人』。
膨大な布石がちりばめられ、果たして残り2話で奇麗に回収できるのか、不安を抱く視聴者も少なくないだろう。
名作ドラマの条件の一つは、思いっきり本線ストーリーから脱線した物語が、最後の最後に見事に本線につながり、誰も想像できないような着地を見せること。
オリジナルストーリーゆえに、同ドラマはその危険な賭けに思いっきり挑んでいるようだ。

巨大な組織の巨悪と闘い続けた個人の正義が、本当の裏切り者にたどり着けるか否か。
警務部監察官(手塚とおる)がいう"警視庁の恐ろしい怪物"とは何者なのか。
山田の父親・内閣官房副長官の勲(高橋英樹)は、どんな役割を担っているのか。
17年前の事件の真相とはいったい何か。
そして、香坂の父親はどう絡んでいるのか。

"どんでん返し""紆余曲折(うよきょくせつ)"のストーリーは、"17年前の真相"と"本当の裏切り者"をどう位置付けて来るのか。われわれ視聴者は、前回の第8話から細心の注意を払って、ドラマのディテールを見逃してはならない。

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文責・次世代メディア研究所

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