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"マツコとゲストの本音ガチバトル"が売り。さまざまなジャンルのスペシャリストが、その道の知られざる世界を紹介し、マツコの独自の世界観からこぼれる"マジなコメント"が楽しい『マツコの知らない世界』。
深夜放送から2014年にゴールデンタイムに昇格。去年からはさらに9分拡大している人気番組だ。
見どころは言うまでもなく"マツコ節"だが、6月20日放送の「誰もが世界一に!ギネスワールドレコーズの世界」は、トークもさることながら、出演者たちのギネス記録挑戦が見ものの、スタジオドキュメンタリーになっていた。

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ギネスが公認した珍記録


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■ギネス記録の世界

ギネス世界記録とは、世界一を収集する書籍。世界一の記録を「ガイドライン」と呼ばれる基準に従い認定し続けている組織だ。こうした記録は、年に一度出版されている。
ところが実際には、世界一の記録は既に5万件以上認定されている。よって本にはすべては載り切れない。新しい種目、面白いもの、すごい記録だけ抜粋して、後はホームページで見るようになっているらしい。

番組では、「ニラの遠投記録」「消しゴムのカスの最長記録」「1分間で剥いて食べたゆで卵の最多数」などを紹介した後、VTRで「耐久水噴射」、つまり飲み込んだ水をどれだけ口から吹き出し続けられるか、その秒数で世界一となったエチオピアのキルベル・イルマ氏の技を紹介した。イルマ氏の記録は56秒36。おなかにいったん入れた水を逆流させて口内に戻し、同時に口外に噴射し続けるという驚きの裏技で大記録を打ち立てていた。
海外の「ビックリギネス人間大集合」的な番組にも出演し、焚(たき)火をおなかから出す水だけで完全に消火させたこともあるという。
いずれにしても56秒以上水噴水を続ける映像は、とにかく一見の価値ありだ。

■番組のゲストたち

番組では、スタジオに3人の日本人記録保持者を招いていた。彼らに出会った瞬間、3人の異様なテンションを見て、まずマツコは「なんかねえ、ギネスとか狙うやつは面倒くさい」とかまし、爆笑をとる。"マツコ節"は、この回も快調だ。

さて1人目のゲストは、会社員の渡邉貞捻氏。縄跳びで3つのギネス世界記録を持つ。
いずれも2016年の記録で、「60秒間リフティング縄跳び188回」「30秒間お尻縄跳び104回」「30秒間10m縄跳び20回」の3つだ。早速渡邉氏は技を披露するが、お尻縄跳びを見てマツコは「動きがバカみたいなので、テレビが飛びつきやすい」と冷めた発言で笑いを取る。

2人目は20歳の大学生・藤村聡之氏。
やはり2016年に「60秒間に片手で指パッチンした数296回」という記録を打ち立てている。

3人目は、ジム経営のいとう けんいち氏。
2015年に「100m四足走行15秒71」というギネス世界記録を樹立した。
彼が100mを走る姿を見ると、「二足と四足はどちらが早いのか」という疑問が湧いてくる。
実際は二足の方が、四足より少し早いそうだ。いとう氏の夢は、四足が二足を抜くことだそうだが、四足を毎日練習すると、次第に二足も早くなってしまって、いたちごっこで容易に夢は実現しないようだ。
いとう氏は、ジムを経営し、ボルダリングと四足走行の練習ができるようにしている。そこで激しい訓練を積んでいるが、本来人間の背骨はS字に湾曲しているのに、いとう氏の背骨は一直線になり始めている。四足歩行が本来のサルに近づき始めているのだが、ギネス世界記録が伊達(だて)じゃないと伺える。

■ギネス世界一の意味

縄跳びで3つのギネス世界記録を持つ渡邉氏は、2014年に最初に記録を出して以後の厳しい日々を振り返る。記録を出したその日から世界中がライバルとなり、過酷な記録争いが始まるというのである。
実は「60秒間リフティング縄跳び」では、ジャグラーのピーター・ネスラー氏(アメリカ)が、2013年8月29日に126回という記録を出していた。その翌14年4月6日に、渡邉氏が134回と8回上回った。ところが5日後の4月11日に、ピーター氏が一挙に22回上乗せして、156回で世界王者を奪還した。渡邉氏は三日天下ならぬ、五日天下で陥落してしまった。
翌15年1月25日、渡邉氏は3回上回ったものの、2カ月後にピーター氏が一挙に21回更新して180回で王者に返り咲いた。そして1年9カ月を要して、去年12月10日に渡邉氏が188回を出した。
「ライバルがいることがうれしい」「サッカー部なので、負けられない」と、気概を見せていた。

世界一指パッチンの藤村氏は、記録樹立によって新たな可能性が見えてきたという。
音楽やリズムに指パッチンがコラボする世界を模索し始めている。既にユーチューブやツィッターに、その動画をアップして人気ものになり始めている。
スタジオでも、星野源「恋」にあわせて指パッチンする姿を披露した。ところが彼の指パッチン恋ダンスに、マツコはなんとも微妙な顔で反応する。"マツコ節"は言葉だけでなく、非言語でも秀逸だ。
ところが、そんな重い空気を打ち破るようなハプニングが起こる。途中から藤村が妙な声で歌い出したのである。スタジオは爆笑に包まれるが、番組の編集が巧妙だ。さっさとそのシーンを切り上げてしまうのである。
やっぱりマツコが直感したように、「ギネスとか狙うやつは面倒くさい」輩のようである。

■マツコの挑戦

番組では、マツコのギネス世界記録挑戦のコーナーも設けた。
挑んだのは、利きアイスクリーム。目隠しした状態で、アイスを食べて、何のアジかを当てる種目だ。1分間に11個以上正解するとギネス世界記録となる。
スタジオにギネス世界記録公式認定員が登場し、きなこ・ブルーベリー・ココナッツなど、次々に異なるアイスクリームを食べさせる。ところがマツコは、正解が4つ、不正解が5個。そもそも味を判断するのに時間がかかり過ぎ、11個も口にできなかった。
こうしてみると、一見簡単に破れそうなギネス世界記録だが、実際には一筋縄では行かないようだ。ギネスの重みが少し伝わった瞬間だ。

次に縄跳びで3つのギネス世界記録を持つ渡邉氏が、「30秒間10m縄跳び20回」の記録更新に挑戦した。
そして24回成功し、番組収録という一発本番の中で、ギネス世界記録を樹立してしまった。「初めて目の前でギネス記録が作られるところをみた」と大喜びのマツコ。しかも認定書には、「『マツコの知らない世界』の中での達成」と刻まれたことを発見するや、「もう、これだけで良いです。名前が載ったんだったら、(自分が記録を打ち立てなくとも)それで良いです」と大興奮。
やはり人は名を遺すことに、相当の執着があるようだ。番組は、ギネス記録の持つ意味を、マツコのリアクションで見事に表現してしまった。

いずれにしても、"マツコ節"が売りの当番組。単なるトークだけでなく、スタジオドキュメンタトを加味して、新たな番組の可能性を見いだしたようだ。ギネス記録挑戦の映像だけでも一見の価値があるが、マツコが言葉だけではなく、リアクションなどである種の意味を伝える手法を進化させていく様は、今後この番組を見る上での楽しみとなりそうだ。

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文責・次世代メディア研究所

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