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今年、結成20周年を迎える藤井フミヤと藤井尚之による兄弟ユニットF-BLOODが、前作『Ants』から9年ぶりとなる通算3枚目のアルバム『POP 'N' ROLL』をリリースした。

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藤井フミヤ&藤井尚之「F-BLOOD」、アルバム『POP 'N' ROLL』をリリース


【公演情報】「F-BLOOD 20th Anniversary POP 'N' ROLL TOUR 2017」(Yahoo!チケット)>>

【ミュージックビデオ】チェッカーズを彷彿させるファン垂涎の「孤独のブラックダイヤモンド」>>


本作は、ロックンロールやロカビリー、グラムロックなど、彼らのルーツとも言える音楽スタイルを下敷きにしたシンプルかつストレートな楽曲が並ぶ。歌詞の内容も、今の彼らだからこそ歌える等身大のラブソング、メッセージ・ソングがつづられており、同世代のファンにとっては感慨深く、新しい若いファンには新鮮に響くだろう。
この20年間、一度もけんかをしたことがないという2人。兄弟ユニットであることの楽しさ、「同志」と呼ぶファンへの思いなど大いに語ってもらった。

【LIVE映像】 「孤独のブラックダイヤモンド」(「POP 'N' ROLL」リリース記念ライブ ver.)>>


■自分の中から自然と出てくるものを、そのままやっている感じ(尚之)

――前作から9年ぶりのアルバムということで、随分時間がたってしまいましたが......?

フミヤ: 「20周年ですよ」って言われるまで気がつかなかったんです(笑)。「どうしますか?」って言われて。このタイミングを逃して25周年、30周年ってなると60過ぎちゃうしヤバイってことになって。「じゃあ、アルバム作ろう」ということになりました。

――アルバムのテーマやコンセプトはありますか?

フミヤ: 今までのF-BLOODはどちらかというと、恋愛における哲学的なアプローチが多かったんですけど、なんかもうそんな難しいこと言うのはやめようって思った(笑)。「明るいロックンロールでいいんじゃない?」ってことで、ビートも軽快に軽めにして。

尚之: もう、背伸びをする必要も全くないし、こういう元気なサウンドは今のうちにやっておいたほうがいいかなって(笑)。

【LIVE映像】グラマラスなロックンロール「ROCK BAR」(「POP 'N' ROLL」リリース記念ライブ ver.)>>


――お二人の音楽的ルーツが明確にわかるという意味では、等身大のアルバムだなという印象を受けました。

尚之: やっぱりロカビリーとかロックンロールとか、その辺が入り口になって音楽を始めましたから。長く音楽活動をやっていく中、いろんなジャンルに挑戦してきましたが、やっぱりロックンロールのこの感じっていうのは、体の中にちゃんと刻み込まれているんだなあって。
久しぶりに演奏してみても、「なんか無理しちゃってる俺」みたいなところが一切ないんです。自分の中から自然と出てくるものを、そのままやっている感じ。しかも、「ロックンロールなんてどうせ単純な音楽」は大間違いで、付け焼き刃だと案外できないんですよね、こういうサウンドって。

――しかも、お二人の年齢だからこそ、シンプルな「ロックンロールの美学」が際立っていると思います。

フミヤ: 俺たち福岡出身だからさ、福岡のロックンローラーって「ええかっこしい」が多くて。ファッションから入るバンドが多いんですよ。ちゃんと革ジャン着てリーゼントにしたい、みたいな。以前、森山のアニキ(THE MODSの森山達也)に、「おまえ、こないだテレビで靴を脱いでたけど、ロックやるのに靴下見せるな」って怒られましたから(笑)。そういうところがあるんだよね、ロックの美学ってさ。

【LIVE映像】「COOL BABY」(「POP 'N' ROLL」リリース記念ライブ ver.)>>


■「チェッカーズだったらこんな感じだよね、みたいにして作った曲」(フミヤ)

――歌詞の内容は、シンプルですが年を重ねないと書けないような世界観だなと。

フミヤ: うん。「好きだ、会いたいだけじゃない」領域には落とし込めたかなと。例えば「Make Me」は、今の「女性上位」な社会を歌っているところもあって。「もう、俺のことを作ってくれ」と。今までは「俺についてこい」という感じが男らしくていいのかな、と思ってたけど、そういうことでもないように最近は思えてね......(笑)。

――芸能界でもいろいろ騒がれていますが(笑)、世の恋愛事情について最近はどう思われます?(笑)

フミヤ: 周りでよく聞くのは、女の子の浮気が原因で別れるケースが増えたということ(笑)。それは、SNSが普及していろいろな人とコンタクトを取りやすくなったのもあるのかもしれないし、男女関係なく「自由」になりつつあるのかなあって。あ、そういえば、会社の社長とかと話してると、「女性社員はみんな、プロフェッショナルを目指して働いてくれてる。男なんてすぐ辞めていっちゃうんだよ」って嘆いていて。ファッションにしても、俺らの頃と比べたら開放的になったと思うし。そんなこんなも含めて、より「自由」で「自立」した女性が増えてきた気がする。その延長で、恋愛も謳歌(おうか)しているというか。

尚之: 音楽業界も、照明さんとか美術さんとか女子率すごく増えたよね。

フミヤ: そうそう。だから男はもっと頑張らなきゃ(笑)。

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藤井フミヤ(Vocal,Guitar,Harmonica)


――GYAOでは「孤独のブラックダイヤモンド」を配信するのですが、この曲はどんなイメージで書きましたか? 

フミヤ: 実はこれ、他のアーティストから楽曲提供のオファーがあって書いた曲なんですよ。「どうせ人に歌ってもらうなら、ベタなくらいチェッカーズっぽい曲にしようぜ」って尚之に提案して。

尚之: そうそう。チェッカーズだったらこんな感じだよね、みたいにして作った曲。

フミヤ: 「俺たちだったら絶対に歌えないよね、この曲」っていう感じに仕上がったんですけど(笑)、結局そのアーティストには別の曲を提供しちゃって。それで、「どうしよっかこの曲?」ってなった時に、ディレクターから「せっかくだからやろうよ!」と言われて(笑)。歌詞も思いっきりベタにしています。で、面白かったのは、この曲を聴いて「うわー懐かしい!」って言ってくれる人と、「なんだか新鮮!」って言ってくれる人、両方の反応があったこと。80年代に青春を送った人たちの子供世代が、今20歳くらいですからね。

――なんだか感慨深いですよね。この曲の、撮影におけるエピソードなどはありますか?

フミヤ: 今回、監督からの提案でタテ型画面のスマホサイズをメインに考えて撮影しました。

尚之: 画角が狭くなったという制約の中で、どんな風に動くのか、カメラワークをどうするのか、あえて見切れてても面白いんじゃないかとか、いろいろなアイデアが出て面白かった。

フミヤ: そうそう。PCの画面で見るときは、余白の部分に歌詞を表示することにしたりね。今までにないPVになったと思いますね。

■俺にとっては、ファンが全てですね 今となってはファンのために歌ってる(フミヤ)

――元は一夜限りのユニットとして始まったF-BLOODですが、20年続くと思っていましたか?

フミヤ: 続くと思っていましたね。よく言ってるけど、「どちらかが死ぬ時が解散」というのは、結成当時から思っていました。今後も「解散」という言葉を使うことは、絶対ないだろうなって。だって、いいところはたくさんあるし、いろいろ便利で気も楽だし。阿吽(あうん)の呼吸なので、伝わることも多い。言いにくいことも、ズバッと言えるしね。デメリットはなんだろう......(しばらく考える)。まあ、ちょっと頼り過ぎてしまうところはあるかもしれない。

――でも、それもメリットとも言えますよね。じゃあ、シリアスなけんかをしたことは......。

フミヤ: それはないですね。珍しいって言われる。よく兄弟ユニットでオアシスを例に挙げられるけど(笑)、彼らとは真逆だからね。

――バンドやる前から、ずっと仲良しなんですね。

フミヤ: そうですね。

尚之: 「仲が良い」っていう感覚も、よくわからないんですよ。ずっとこんな調子だから。

――じゃあ、「いい関係を築くために心がけていること」も特にない?

フミヤ: 全然ない。

尚之: まあ、そういう風に育てられてきたということなんでしょうね(笑)。

――30代、40代、50代と経験してきて、ファンとの関係はどう変化しましたか?

フミヤ: 俺にとっては、ファンが全てですね。今となってはファンのために歌ってる。ここ5、6年はそう思っています。同じように成長して、同じように歳を重ねてきたから、一種のコミューン的同志というか。

尚之: 若い時からずっとこうやって音楽をやって来られたのは、当然自分たちだけの力ではなくて。若い時もそういう意識でいたつもりだったけど、歳を重ねていけばいくほどそれを強く感じますし、ファンに対する感謝の気持ちもどんどん募っていきますよね。

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藤井尚之(Vocal,Guitar,Saxophone)


――9月からのツアーも楽しいものになりそうですね。

フミヤ: ライヴは移動遊園地みたいなもので、みんなで遊ぶツールが新譜っていう感じなんですよ。これでみんなで遊ぼうぜ! みたいな。

尚之: 特に今回のアルバムは、F-BLOODの中で一番ポップで生き生きとしているんですよ。だから、喜んでもらえるような気がしますね。

――F-BLOODとは?

尚之: 昔に言ってたのは、ギター1本づつ持って、どこでもふらっと行って演奏できるような、そんな音楽をこれからもやっていきたい。

フミヤ: 最低限、2人いれば出来ちゃうんですよ。できればいつか、小さい箱でそういうこともやってみたいね。その場でリクエスト受け付けたりしてね。ギター1本からフルオーケストラまで、なんでも歌えるシンガーでありたいです。

【ミュージックビデオ】メッセージ・ソング「未来列車」>>


◆ F-BLOOD
藤井フミヤ、藤井尚之による兄弟ユニット。「F-BLOOD」とは「血液型F」、兄弟の"血"を意味している。1983年、チェッカーズのメンバーとして共にデビュー。以降約10年間にわたり、ティーンエイジャーを中心に熱烈な支持を受け続ける。1992年末にチェッカーズを解散、翌年からそれぞれソロ活動を開始。フミヤはソロデビューシングル「TRUE LOVE」がいきなり200万枚を超える大ヒットを記録。尚之は単身渡英し、あくまでアナログでシンプルなサウンドを追求したソロ作品の制作にとりかかる。1995年12月27日、福岡マリンメッセにて「F-BLOOD」と題した一夜限りの兄弟ジョイントコンサートを開催。1996年、猿岩石に「白い雲のように」を提供、ミリオンセラーを記録。1997年9月、正式にユニットとして活動を始め、これまでにシングル3枚、オリジナルアルバム2枚、ライブアルバム1枚を発表。座右の銘:フミヤ「上善は水の若し」、尚之「肩書きは『サックスプレーヤー』」

(取材・文・写真/黒田隆憲)

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