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現代美術家のサムライ・マサは、"パンツアーティスト"と呼ばれている。紅茶に沈むパンツを模した作品『BBAのパンTea』などパンツをモチーフとした作品が、ネット上で「理解が追いつかない」と話題だ。サムライ・マサが抱くパンツ観とは?

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 "パンツアーティスト"こと現代美術家 サムライ・マサ)


パンツアーティストが作る、話題の映像作品が......ナゾ>>


■もともとはアニメ業界で活躍

鎧を着た謎の芸術家の作品の値段にア然>>


マサはパンツアーティストとして、ティーポットの中の紅茶を表現したジェルに女性ものパンツを浸した『BBAのパンTea』(100万円)や、市販の尿漏れパンツにタイトルをつけただけの『世界に一つだけのパンツ』(9,000万円)、47枚の色とりどりのパンツが舞い飛ぶ3DCGアニメ『パンツオーケストラ(R)』など、パンツをモチーフにした作品を発表し続けている。

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BBAのパンTea


一体何者? と思われそうだが、実はマサはもともとアニメ業界で美術スタッフとして活躍したクリエイター。これまでアニメ『名探偵コナン』や『トリコ』、『デュラララ!!』といった有名作品に携わってきた。現在もフリーでその仕事は続けているそうだが、なぜ実力のあるアニメスタッフが、会社から独立して現代アーティストになることを選んだのか......?

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世界に一つだけのパンツ


「もともとサボり癖があって、会社に行きたくなかったんです。あと知り合いと金銭トラブルになって、僕の車を燃やされちゃって。それが悔しくて、"見返してやる"みたいな気持ちが沸いてきて......。じゃあアーティストになろうと。パンツをモチーフに選んだのは、小さい頃、洗い上がりの祖母のパンツをふざけて伸ばして遊んでいたら、なんだかそこに"宇宙"を感じたからです。それを思い出してパンツをモチーフにした作品を作ってみたんですが、たまたま現代アートのコレクターさんに作品を見せる機会があったとき、すごく笑ってもらえたんです。それがパンツアーティストになった決め手ですね!」

......何から何までわからない! ちなみにマサ、妻帯者どころか子持ちだそう。謎が深すぎる。

鎧を着た謎の芸術家がパンツで即興をやるも......>>


■"萌(も)え"や"エロ"ではないパンツ観

美術監督がパンツでアートを始めた理由>>


作品のコンセプトは一貫して、「パンツで世界の人々を幸せにする」こと。そして、マサにとってパンツとは「命そのもの」だという。村上隆や会田誠の作品のように、現代アートの中でパンツは"萌え"や"エロ"の文脈で扱われることが多いが、マサは少々違ったパンツ観を持っているらしい。

「萌えとは違う方向でやってみようかと思っています。僕のパンツ観は、小学生がパンツ一丁になって騒いでいるようなものですかね。人間と人間の垣根、つまり国境や人種だとか、性別、年齢などを取り払ってみると、つまりパンツ一丁になったら皆同じ人間なんです。それがパンツアートに込めるメッセージの根底に一番強くありますね。一言で言ってしまえば、"命あるもの皆パンツ"です」

独特ではあるが、言わんとすることはわかる。マサにとってパンツとは、非常にピースフルな存在らしい。ところで、「パンツ一丁になったら皆同じ人間」と言うなら、裸をモチーフにするのでもいいのでは?

「説明するのが難しいんですが、裸までいってしまうと、今度はオブラート感がないように思うんですよね。パンツには温かみもあるじゃないですか。そこには慈愛も感じられるようで......。裸とパンツの違いは、『パンツには人の温もりも感じる』と言えば、わかりやすいかな」

■炎上は「こっちの目論見通り」

わかるような、わからないような。とにかく、つかみどころのないマサ。パンツアートはただの悪ふざけのようにも見えるせいで、実際ネットを通じて中傷をぶつけられたこともあるという。しかし、すべてはマサの手のひらの上!? マサは、マルセル・デュシャンの作品『泉』を例に出す。こちらは、便器にサインを入れただけのものでしかなく、発表するなり"作品"とは何かという議論を巻き起こした、現代美術の祖とされる作品だ。

「ただの悪ふざけみたいなものだって、一種のアートなんですよ。鑑賞する側の誤読や議論も含めて作品です。だから僕も正直狙っているところはありますね。戦略家なタイプだとは思いますよ。ネットで叩(たた)かれていても、見るとニヤニヤしちゃったりします。こっちの目論見通りだなって(笑)。芸術史とかを勉強して、常に戦略は練っています」

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 "パンツアーティスト"こと現代美術家 サムライ・マサ)


パンツ作品に高額な値付けをするのも、本当にもうけようとしているわけではなく、話題作りの一環らしい。

「実は最初から売らないつもりで作っています。パフォーマンスの一種で、ニュースメディアに拾ってもらうための仕掛けなんですよね。逆にこういうのは売らない方が面白いんですよ。そこで100万円、200万円のお金を得るよりは、次につながるような考え方をしています」

そういった戦略を積み重ねていき、パンツアートをどんどん世界的に展開していくことをもくろんでいる。

「ミシシッピ川に巨大なパンツを流すというような、超スケールのことをしてみたいですね。大きなアヒルのオモチャを世界中の川に浮かべる『ラバー・ダック』っていう作品があったじゃないですか。あれのパンツ版です。あと今はポリティカルアートがアートシーン全体で流行しているんです。僕が最近作った『Another"WS"~The evil president AWAKENS interest in girlish tastes~』という映像作品もその一環なんですが、ポリティカルアートは今後挑戦したいジャンルのひとつです。だから、1枚のパンツをバラバラに裁断して、それを世界の指導者たちにプレゼントする。そういうアイデアを今練っているところです」

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 "パンツアーティスト"こと現代美術家 サムライ・マサ)


パンツアーティストの高祖父母のマブダチが勝海舟>>


その他の出演番組>>

・パンツアーティストを影で操る意外な人物
・パンツアーティストの意外過ぎる家柄
・19歳の会社員がヤンキーに目覚めた訳


◆サムライ・マサ
1983年生まれ、東京都出身。19歳でアニメーション業界に入り、美術助監督、美術監督を経て独立。日本テレビ系『名探偵コナン』などのアニメーション美術、絵画美術、実写映画マットペイント、コンポジットなどを手掛ける。戦国武将の末裔(まつえい)というルーツから、「サムライ」を名乗っている。ちなみに本人はボクサーパンツ派。
座右の銘は、「背水の陣」。

(取材・文/原田美紗@HEW

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