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圧倒的なファルセットボイスを持つシンガーソングライター、ビッケブランカ待望のファースト・フルアルバム『FEARLESS』が7月5日にリリースされた。ベン・フォールズ・ファイヴやミーカ、クイーンなどを彷彿とさせる、ポップで高揚感あふれるメロディに美しいコーラス、天に駆け上がるようなハイトーン・ボイスは相変わらず健在で、まるで映画音楽のような冒頭のインスト曲から始まる構成や、緻密に練り上げられた壮大なサウンドプロダクションなど、デビュー作にしてコンセプト・アルバムのような力作に仕上がっている。

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ビッケブランカ、ファースト・フルアルバム『FEARLESS』を7月5日にリリース


これほどまでの傑作を、彼は一体どのようにして作り上げているのだろうか。アルバム制作の過程はもちろん、シングル「Moon Ride」のPV撮影エピソード、ライヴにおけるこだわりなどざっくばらんに語ってもらった。

ビッケブランカ FEARLESS TOUR 2017(Yahoo!チケット)>>

【ミュージックビデオ】アルバム収録曲 最新曲「Moon Ride」>>


■多種多様な楽曲スタイルで「自分が聴いていても退屈しないアルバム」

――映画音楽のようなインスト曲から始まり、ロックオペラのような楽曲も収録されるなど、非常にコンセプチュアルな作品だと思いました。

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ビッケブランカ、ファースト・フルアルバム『FEARLESS』を7月5日にリリース


ビッケブランカ(以下.ビッケ): ありがとうございます。でも、作っている時にはテーマもコンセプトも全然意識していなくて。これまでのシングル同様、「今作れる曲を作っていこう」と思って作り始めて、ある程度曲がそろったところで、例えば「バラードが多いからアップテンポの曲も入れよう」とか、「英詞が多いから日本語詞を増やそう」とか、そうやってパズルのピースを埋めていくような感覚で曲をそろえていきました。ある意味、行き当たりばったりというか。

――ということは、作っていく中で最終的にテーマが浮き上がって来た感じ?

ビッケ: そうですね。5、6曲できたところで、「このアルバムのラストはどう締めようか」という風に思いはじめて。それで「THUNDERBOLT」という曲ができた時に、この曲を軸としたアルバムにしたい、つまり"前に向けて一歩踏み出す勇気"とか、そんなエネルギーを感じさせるアルバムにしたいと思うようになりました。アルバムタイトルを『FEARLESS』(恐れを知らない、大胆不敵)に決め、そこからは意識しながら残りの楽曲を書いていきました。

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ビッケブランカ、ファースト・フルアルバム『FEARLESS』を7月5日にリリース


――なるほど。ファーストなのにベスト盤的、アワード的な雰囲気満々なジャケットのアイデアはどこから?

ビッケ: 1枚目のフルアルバムって、普通ならすげえ気合が入りそうじゃないですか。そこをあえて外してみようかなと。「1枚目でアワード感を出すとか、バカみたいでいいよね」というノリでこうなりました(笑)。

――アレンジやサウンドプロダクションも緻密な上に、さまざまな音楽スタイルを取り込んだ情報量の多いアルバムだと思いました。その辺りは意識していますか?

ビッケ:自分自身、音楽だけじゃなくて映画でもドラマでも小説でも、ちょっとでも退屈してしまう作品はイヤなんですよ。アルバム1枚同じトーンだったりすると、ついつい次の曲に飛ばしたくなってしまう。なので、「自分が聴いていても退屈しないアルバム」というのは意識せずとも目指していましたね。

――ちなみに、何かインスパイアされた音楽などはありましたか?

ビッケ: 今回、ホーンセクションを導入したんですが、これまでホーンというのは自分にとって、あまりなじみのない楽器だったんです。あまり興味がなかったんでしょうね。それよりメロディやコード、コーラス、ストリングスなどに注目していました。でも、昨年初めにプリンスが亡くなって。それを機に聴き返してみたら、ホーンの使い方がものすごくすばらしいと思ったんです。それで取り入れてみたくなったんです。プリンスの影響は大きかったと思います。

■壮大なサウンドプロダクションは、すべて頭の中に

――曲作りはいつもどのようにおこなっているのですか?

ビッケ: 曲を作るときは、特に楽器も持っていなくて。頭の中で、メロディやコードだけでなく全ての楽器が同時に鳴るんですよ。それを思い出しながらピアノに起こしたり、ドラムを打ち込んだりして具現化させていく。その過程で、「ここはもう少しこうしよう」という風にブラッシュアップしつつ、最後に歌詞を当てはめるというやり方が多いですね。

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ビッケブランカ、ファースト・フルアルバム『FEARLESS』を7月5日にリリース


――あの複雑なコード進行や構成を持った楽曲が、楽器も持たずに頭の中で全て思い浮かぶなんて、にわかに信じられませんね(笑)。

ビッケ: (笑)。なので、その頭の中の曲のイメージをトレースするのが難しいんですよね。「ここ、ベースはどう動いているんだ?」とか「この、左右に飛び交っている音は何の音だ?」とか(笑)。そういう細かい部分も、具体的に浮かんでいます。レコーディングでコーラスを1人多重録音していく時も、どのパートがどの定位にあるのか、僕の中では全部把握している。なので、エンジニアさんにミックスをお願いした時に定位が間違っていると、気持ち悪くて仕方ない。「このボーカルは、左側に置くつもりでこういう歌い方をしているのであって、右側に置くのなら歌い方も変わるし、そもそもこういうメロディラインになっていない」みたいな。

――凄まじいこだわりですね。特に苦労したのはどの曲ですか?

ビッケ: 「Want You Back」です。この曲はレコーディングの最後までできなくて。ホーンの入った楽曲が2曲続いた後、どんな楽曲を持って来たらいいのかが分からなくなってしまったんです。締め切りギリギリになって、ようやくひねり出すことができました。

■次の作品は未知「どんな経験をするのかによって、全然違うものが生まれる」

――今回、GYAOでは「Moon Ride」のPVを配信するのですが、どんな内容になっていますか?

ビッケ: これは、三部作のうちの一つで、時系列でいったら最初のエピソードが描かれています。つまり、「Slave Of Love」で収監され、「Take me Take out」で出獄してレストランでアルバイトを始め、そこで出会った女の人と旅立つという。それ以前のエピソードが今回のPVです。そもそもなぜ、ビッケブランカが収監されたのか? という部分を描いたわけですね。「Take me Take out」のPVでは演奏シーンが全くなかったので、今回は演奏シーンを多めにしてみました。ガツンとピアノを弾いていて、ピアノマン然とした姿を楽しんでもらえると思います。

【ミュージックビデオ】「愛の奴隷」をポップに描いた「Slave of Love」>>


【ミュージックビデオ】前作「Slave of Love」の出所後を描く「Take me Take out」>>


――また、1st Full Album DVD収録の「Slave of Love TOUR 2017 at Shibuya WWW」から「Slave of Love」を配信します。

ビッケ: もともと「Slave of Love」はライヴでの再現を全く考えずに"録音芸術"として作り上げていて。それをライヴ用にアレンジして演奏すると、こんな感じになるのか、こんな反応が返ってくるのか! という驚きや興奮はありましたね。例えば「NO NO NO」と叫ぶ部分は自分が叫んで気持ちよくなるために作ったのですが、それをライヴでお客さんと共有するために、ちょっと尺を長くアレンジし直しているんですよ。そういう、レコーディングとライヴとの違いを楽しんでもらえたらうれしいですね。

【LIVE映像】ビッケブランカ 「Slave of Love」(LIVE at Shibuya WWW)>>


――お客さんの中には、親子で囚人服コスチュームをしている人もいて。とてもアットホームな空間ですよね。

ビッケ:そうなんですよね。幅広く応援してもらえているな、という実感はありますね。

――今後の目標は?

ビッケ: ずっと変わらず、同じように、作りたい音楽をずーっと作れたら言うことないですね。その先のことは未知で、次のアルバムを作るまでに自分が偶然どこで何を聴くのか、偶然どこで何が流れるのか、偶然僕がどんな経験をするのかによって、全然違うものが生まれると思うので。それが楽しみです。次は突然、ピアノ弾き語りバラード全集を作りたいメンタリティになっているかもしれないし、ゴリゴリのEDMアルバムを作りたいと思っているかもしれない。で、どっちにもいくことができるのが、僕の強みだと思っています。

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ビッケブランカ、ファースト・フルアルバム『FEARLESS』を7月5日にリリース


◆ ビッケブランカ
1987年11月30日、愛知県生まれ。幼少期、読めない楽譜を横目に、妹のピアノに触れてみる。両親の影響で、日本のフォークと洋楽にも慣れ親しみ、小学校高学年で作曲を開始。中高時代は、黙々と楽曲づくりに励み、音楽活動を目標に大学進学のため上京。バンド活動でギター&ボーカルを経験した後、突如思い立ってピアノに転向。携帯電話を捨て、1年間ピアノに没頭した結果、持ち前の集中力と天性の才能で、楽曲制作能力が爆発的に開花し、ソロ活動をスタート。美麗なファルセットボイスと抜群のコーラスワークを、独創性に富んだ楽曲に昇華させ、ジャンルレスにPOPとROCKを自在に行き来する、新しいタイプのシンガーソングライター。人柄がにじみ出る、楽しく激しく盛り上がるライヴパフォーマンスも注目度が高い。
座右の銘:「しなやかに凛と」

(取材・文・写真/黒田隆憲)

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