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高畑充希が主演、若手人気俳優の竹内涼真・黒木瞳・時任三郎他など、豪華キャストがそろう『過保護のカホコ』が始まった。

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高畑充希, Dec 07, 2016 : 「ORICON STYLE クイーン・アワード 2016」授賞式(写真:MANTAN/アフロ)


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根本加穂子(高畑充希)は、両親の愛をたっぷり受けて育った箱入り娘の大学生。就活に苦戦し、ことごとく就職試験に落ち続けている。
カホコの父・正高(時任三郎)は、保険会社に勤めるサラリーマン。穏やかで優しいが、自分の意見を口にすることができず、出世はおろか家庭でも発言権すら持たず、愛らしくほほ笑みかけてくるカホコを甘やかし、子離れできずにいる。
母・泉(黒木瞳)は自覚症状のない過干渉で、身の回りの世話から就職活動に至るまでカホコの全てを決める。
ある日、同じ大学に通う画家志望の麦野初(竹内涼真)に、「おまえみたいな過保護がいるから日本がダメになる」と言われたカホコは、「なぜ、何のために働くのか?」と自分に問いかけ少しずつ動き変わり始める。

■重い家庭問題をポップにコミカルに!

"一卵性母娘""アダルトチルドレン""モンスターペアレンツ""毒親""過干渉"など現代家族の問題は、見えにくい家庭の中から少しずつ世に芽を出し始め、今や深刻な社会問題となりつつある。
苦労をした親が「子供には幸せな人生を」と干渉することが多く、"ゆとり世代"の子供は便利でラクな人生を選び、旅行でさえ自ら海外へ出かけていく若者は減っているという。
そうした親子関係の究極ケースをカホコの家庭で見ることができるが、実は現実の世界でもこうした現象は多く見られ、時には悲劇的な事件に発展したりしている。

ところが同ドラマは深刻な状況をコミカルに描き、音楽もフレンチビストロで流れるような軽快なリズムとノリで包み込んでいる。重い家族問題をポップに仕上げ、しかも課題を家族3世代に渡る因果関係の中で描くことで、多くの人が自分の家にも当てはまると思わせてくれる。
今期のドラマは、今のところ日曜の2本『ごめん、愛してる』(TBS)『警視庁いきもの係』(フジテレビ)と、木曜『セシルのもくろみ』(フジテレビ)の3本が一桁スタートと振るわない。その中にあり11.6%で始まった同ドラマは、大いに健闘しているといえる。
誰でも見られるよう開かれた設定というのが一つの勝因だろう。

■音楽は違和感と親しみ

音楽のスタイルは雰囲気重視の軽快なノリ。
ベースはジャズマヌーシュ(ジャズ×ボヘミアンジプシー)で、リズムベースはシンプルで軽いが、メロディがどこか風変わりな色彩で、異国情緒が織り交ぜてある。
昔のヒット曲に「異邦人」(久保田早紀作詞・作曲・歌)という歌があったが、今回のドラマ音楽も同じ種類で、心地よい違和感があり、聞きやすいのに新鮮という微妙な線をうまく保っている。
アコーディオンの音色がカジュアルで情緒的。さらにストリングスを使用してボリュームも出せるようになっている。
ここぞ! というぐっとくるシーンでは、ピアノのアコースティックな音で、語りかけてもくれる。
考え抜かれたチョイスが、わざとらしくなく、極めて効果的だ。

■役者もハマっている!

俳優陣もなかなか良い。
久々のドラマ出演となった時任三郎の父親役は、実生活でも子煩悩なのでピッタリはまっている。
今年1月クールの『就活家族』に続く母親役、黒木瞳の名演技は、どんな役でも役になりきるベテラン女優のなせる業といえよう。
高畑充希も完璧なカホコに変身している。精神年齢5歳のメルヘンな世界、プリンセスのようなほほ笑み、少女漫画のようなキラキラの目など、役作りのためのパーツをたくさんそろえ、その全てをまとってできたカホコが存在している。

ただし高畑充希の演技に対しては、"わざとらしい""舞台向きで大げさ過ぎ""見ていてイライラする"などの酷評もある。プロからは"うまさに安定感がある""目で感情表現ができる"など高く評価され、NHK朝ドラ『トト姉ちゃん』などの大役を若くして担ってきた。
今回のカホコについては、日テレのドラマに多い"極端なキャラクター"ゆえ、少々"大げさ""わざとらしさ"が仮にあったとしても、ちょうど良いあんばいになっている気がする。

■何のために働くのか?

同じ大学の学生・麦野初(竹内涼真)がカホコに放った「おまえみたいな過保護がいるから、日本がダメになる!」......この名セリフ、一度聞いたら忘れられない。
そして「なぜ、何のために働くのか?」と問われたカホコが、"過保護"空間から少しずつ自立していく物語が展開されていく流れは楽しみだ。

そもそも人は何のために働くのか。
「お金」「自己実現」「社会的評価」「人の役にたつ」「家族を守る」など、人それぞれいくつもの理由・動機があるだろう。
初めてバイト経験をしたカホコに、食事をごちそうしながら初が「これがうまいから、明日も頑張ろうと思う」というシーン。働くことの意味・意義を示す端的なセリフだ。働くすべての人の心に寄り添う一言が、ドラマ初回の終盤で視聴者に届き、多くの視聴者は心洗われたであろう。

カホコの心の成長や変化していく家族の形を、原作もなく、自由に書き進める遊川和彦のドラマ。これまでに『女王の教室』『曲げられない女』『家政婦のミタ』『〇〇妻』『偽装の夫婦』『はじめまして、愛しています』など、話題作・問題作がいろいろあった。
今回もそれらに連なる傑出したドラマになる予感がある。どんな名言が生み出され、人の心に響くのか。水曜の夜が楽しみになってきた。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修:次世代メディア研究所

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