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冬休み映画として定着している『映画 妖怪ウォッチ』シリーズ。今年も12月16日(土)に、劇場版第4弾となる『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』が公開される。
本作で描かれるのは、現在放送中のアニメ「妖怪ウォッチ」から 30年後の世界が舞台であり、おなじみの妖怪たちのキャラクターデザインもストーリーにあわせて大幅に変更されることがすでに発表されているが、先日公開されたジバニャンたちのホラー要素満載のビジュアルは、大きな反響を呼んだ。

人気がありながらも、攻め続ける姿勢を崩さないポリシーとは......製作総指揮/原案・脚本を担当する、株式会社レベルファイブ 代表取締役社長/CEOの日野晃博氏に話を聞いた。

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12月16日(土)公開『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』
製作総指揮/原案・脚本 株式会社レベルファイブ 代表取締役社長/CEOの日野晃博氏


【特報】『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』映像>>


■『妖怪ウォッチ』にホラー要素を取り入れた理由とは!?

――先日、劇場版第4弾の新キャラクターたちのビジュアルが公開されましたが、そのホラーチックなたたずまいは、大きな反響を呼びました。

日野: 「なにが起こったんだ!」という感じですよね(笑)。でも、作品の個性を使っておもしろいことをしたいという思いはずっと変わらないですし、『妖怪ウォッチ』はそんな幅の広いコンテンツだと思っています。

――ホラー要素を取り入れた理由を教えてください。

日野: 『妖怪ウォッチ』って、"妖怪"といいながらもホラー要素がありませんでした。これまではコメディとしておもしろいものを作ってきたのですが、原点というか、妖怪の持つホラー要素があるのもいいなと思ったんです。もちろん、いままでのコンセプトである、楽しくて笑えて感動できるという要素はそのままに、新しくホラー要素を入れることによって、こうした感情のコントラストがより強くなるのかなと。

――劇場版で、新たなチャレンジをするのはなにかポリシーがあるのでしょうか?

日野: 映画って僕のなかでは、家族で遊園地に行ったりするような、特別なイベントなんです。特別な場所にお金を払って観に行くもの。ならば映像としても特別であるべきだし、非日常的であり、ワクワクするようなものにしたいんです。

■子どもの好奇心に訴えかけるキャラクター!

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12月16日(土)公開『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』
(C)LEVEL-5/映画『妖怪ウォッチ』プロジェクト 2017


――かなりキャラクターのインパクトは強く、子どもが怖がるという心配はなかったのでしょうか?

日野: 確かに僕もビジュアルを初めて見たときは『大丈夫かな』と。結構危険なビジュアルですよね(笑)。関係各所からもいろいろな意見は出たのですが、みんな新しいものを作りたいという意味で、良いチャレンジになるという考えのほうが強かったです。自分に置き換えても、子どものときって怖いものに興味を持ったりしますよね。あまり怖すぎるとダメですが、適度に怖いものって子どもたちにとって、魅力的なんです。その意味で、このビジュアルがどこまで、子どもたちの好奇心に訴えかけることができるか、興味はあります。

――怖いものに興味を持つという子どもの特性もしっかり作品に入っているんですね。

日野: 今作のコンセプトも、最初怖い部分が出てくるのですが、後半に向かって熱い想いが沸いてきて、最後は感動する......という『妖怪ウォッチ』の本来持つ良さをしっかり踏襲しているんです。もう一つ言えば、ホラー要素のビジュアルなど第一印象では、大人向けかなと思うのですが、物語が進んでいくうちに、子どもも楽しめる作品だなと気づくと思います。大人にとっては、最初から無理やり子ども向け作品に付き合うのではなく、普通に大人も物語に入り込んで、でも最後まで見ると、子どもとしっかり想いを共有できる作品になっていると思っています。

――すごく緻密に練られたストーリー展開に興味が沸きますが、これまで安定したヒットを続けている『妖怪ウォッチ』に大きな変化を持たせようと思ったのはなぜですか?

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12月16日(土)公開『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』


日野: レベルファイブという会社は、"常に新しいIP(知的財産権)を作っていこう"というのがモットーであり、一つヒットしたからといって、ずっと同じことをやっていくのはおもしろくないという考えなんです。もちろん『妖怪ウォッチ』は数字も出ていて、子どもたちには依然人気なのですが、大ヒットしていた時期と比べると、やや上の年齢層は減ってきているのも事実なんです。子どもへの目線はしっかり持ちつつ、もう少し上の世代でも楽しめるものを作っていこうというのが今回の取り組みですね。

――ホラー的な要素ということですが、日野さん自身、子どものころに怖いものに影響を受けたりしましたか?

日野: 楳図かずおさんの作品には影響を受けましたね。一度なにかの形でご一緒できたらとあこがれています。

■日野社長が考えるコラボの基準!

――コラボという意味では、なにか組むうえでの基準というのは設けているのでしょうか?

日野: エンターテインメントなので、楽しめるならば基本的になんでもありというスタンスが僕の考えです。双方にメリットがあって、おもしろければ基本的にはウエルカムなんです。ただリソースの問題もありますし、あまり余裕がないので、現状はなんでも......というわけにはいかないんですが(笑)。

――"おもしろいこと"という以外に『妖怪ウォッチ』の持つ役割についてお考えになっていることはありますか?

日野: 子どもたちを元気づける存在でいたいという想いはあります。子どもの世界でもつらいことや大変なことってあると思うんです。そんななかで、『妖怪ウォッチ』のキャラクターたちが常に子どもたちの味方であればいいなと思っています。

――逆に、これだけはやらないというものはありますか?

日野: 教育的なことを押し付けようという意識は低いですね。例えば『妖怪ウォッチ』のキャラクターを使って「○○はやめましょう!」みたいな標語のポスターを作るとかはやっていません。あくまで子どもたちにとってキャラクターは味方であり友達なのですが、先生ではないというか。そういう意識はあります。

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12月16日(土)公開『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』


――本作は「高品質アニメ」という部分も魅力の一つだと思われますが"高品質"の定義とは?

日野: アニメーションってフィルムのなかに、作り手の意図しているものが信号として入っていると思うんです。例えば子ども向けなのか、大人向けなのかというものも、フィルムのなかには焼き付けられている。その意味で"高品質"という表現が言葉として正しいかはわかりませんが、「この作品は大人が見てもいいよ」という信号をフィルムのなかにしっかり入れたいということなんです。そこにはキャラクターの感情や心の動きなど、映像的な部分だけではなく、メンタルの部分の扱いを含めたアニメーションの高いレベルを信号として入れているという意味です。

――公開まで楽しみがつきませんが、今回の新ビジュアルのなかで、日野社長自身、思い入れが強いキャラクターはいますか?

日野: 自分で描いていてインパクトを出そうとがんばったのはミツマタノヅチが変化した姿ですね。ミツマタノヅチは『妖怪ウォッチ』のゲームなどに出てくる最初のボスなのですが、ミツマタノヅチがライトサイドに戻ったとき、筋肉ヒーローになっているのが笑えておもしろいと思っています。これは完全に僕が狙って作ったキャラクターですね(笑)。

(取材・文・撮影:磯部正和)

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日野 晃博(ひの・あきひろ)
1968年7月20日生まれ、福岡県出身。
世界累計出荷1,600万本以上を記録した「レイトン」シリーズや、社会現象となった「妖怪ウォッチ」をはじめ「イナズマイレブン」「ダンボール戦機」「スナックワールド」各シリーズなどのクロスメディア作品で、企画原案、シナリオ制作、プロデューサーを務め、続々とヒット作を生み出す。
座右の銘は「小五心」

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エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
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