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テレビ朝日の木曜よる8時は"木曜ミステリー"枠である。
ただし近年では、『科捜研の女』と『警視庁・捜査一課長』の2シリーズだけは、視聴率が安定的に二桁となっているが、『出入り禁止の女』『最強のふたり~京都府警 特別捜査班』『女たちの特捜最前線』など、いくつかの単発ドラマによる挑戦はいずれも一桁に終わってしまった。

そこで今回、かつて3シーズンが全て二桁にのった『遺留捜査』が、本来は水曜よる9時"刑事ドラマ"枠がふさわしいと思われたが、"木曜ミステリー"枠で好評を得た。

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上川隆也, Jul 05, 2017 : ドラマ「遺留捜査」制作発表会見 (写真:MANTAN/アフロ)

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■これまでの実績


事件現場に残された"遺留品"を徹底的に調べ、遺留品が遺体の代わりとなって語り出す。その情報をもとに、刑事・糸村聡(上川隆也)が、事件を解決していくユニークな切り口の刑事ドラマだ。
遺留品をただの証拠と捉えず、遺族の心情に寄り添う糸村の優しさ。その反面、自己中とも言える超マイペースを貫き、KY(空気読まない)な不思議キャラで同僚の刑事たちを振り回す。そこが視聴者の心をガッチリわしづかみにしてきた人気ドラマである。

2011年放送の第1シーズンは、平均視聴率14.3%。その後12年の第2シーズンが12.4%、13年の第3シーズンが11.5%と少しずつ下がってはいた。ところが記録が残るデータニュース社「テレビウォッチャー」が調べる満足度では、第2シーズンの3.59が第3シーズンでは3.73へと上昇している。
ドラマの平均満足度は3.6~3.7なので、「視聴率が二桁」「満足度が上昇気流に乗っている」「しかも平均を超えている」の3点をもって考えれば、今回の第4シーズンも大いに期待できる。
実際に初回の視聴率は13.1%だった。これは今クール全ドラマの中で、今のところトップを行っている。好調なスタートを切ったといえよう。

■第4シーズンの見どころ


物語は前シリーズの月島から、今回は舞台を京都に移し、ドラマの中に関西ならではの歴史的建造物が続々と登場する。見る者を喜ばせるこれら美しい風景も、見どころの一つだ。
共演キャストには、女性刑事・神崎莉緒を栗山千明が演じ、美しく存在感のある熱演を披露している。
さらに桧山特別捜査対策室室長に段田安則、特対刑事・佐倉路花に戸田恵子、雨宮宏に永井大など、豪華俳優陣が出演する。
第一話のゲストには、事件の重要人物となる、黒沢恒之助役に伊東四朗、代議士・長部麗子役に財前直見らが出演し、初回2時間スペシャルに大輪の花を添えていた。

神戸港を周遊する遊覧船で、爆発が起き、乗客が人質に取られる事件が起きる。犯人は、身代金2億円を要求し、黒沢興産を脅迫する。
早速、京都にある特別対策室が動き出し、神崎莉緒(栗山千明)が現場に向かう。
偶然、船に乗っていた謎の男が、デッキから手旗信号を振り、事件の情報を提供していた。この男が、月島署から異動してきた刑事、糸村聡(上川隆也)だったのだ。
糸村が、爆発現場で見つけた、紙片を大事に保存し、遺留品として科捜研への鑑定を依頼する。
この紙片が、のちに事件の大きな鍵を握ることになる。
「こういう男は苦手だ」と桧山(段田安則)に言われながらも、京都署の刑事を巻き込みながら、糸村の捜査は進む。

■音楽と物語の絶妙なコラボ


音楽は、作曲家でピアニストの吉川清之が担当。
数々のドラマから映画に至る劇中音楽を提供し、中でも刑事モノやミステリーに関しては、大のベテランだ。
例えば『警視庁捜査一課9係』は、2006年のseason1から今年放送のseason12まで、すべてを担当した。他に『臨場』『ホンボシ~心理特捜事件簿~』『捜査地図の女』『刑事7人』や、今回の『遺留捜査』も第1シリーズからすべてを受け持っている。テレビ朝日の御用達と言っても過言でないくらい、同局のドラマを知り尽くしている。

さて初回2時間スペシャルの音楽。
シーンとのフィット感、ストレスフルな事件シーンの迫力、心を打つメロディアスな演出など、巧みなワザと経験、知識を出し惜しみせず、すべてのシーンを盛り上げている。
ストーリー展開も、爆発から始まる強烈なインパクトで、出だしから迫力満点。さらに細かな描写と、複雑な人間関係が入り組み、複雑に絡まった事件は糸を丁寧にほどいていくように解決していく。

登場人物のそれぞれのキャラクターも個性豊かで、おもしろい。
事件解決後に、糸村聡(上川隆也)おきまりの「3分だけ時間をください」を聞くと、このシリーズが帰ってきたのだと実感する。
そして、容疑者の動機や被害者の語られぬ思いを糸村が代弁する。
大きな事件が解決に向かい、見るものの心が安心と感動に包まれるのと同時に、エンディングテーマ、小田和正の『小さな風景』が流れる。
まさに出来すぎ、完璧に出来すぎている!
シンプルな言葉で、言葉少なく、しかも優しく透き通った声で歌われ、嵐の後の静寂のようで見る者の心を和ませる。
このラストの癒しを求めて、人々はこのドラマを見たくなるのだろう。前シリーズに続き、この第4シリーズも大いに期待できる作品である。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修:次世代メディア研究所

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