ここから本文です

テレビ朝日の金曜深夜ドラマ『あいの結婚相談所』(金曜23:15~24:15・テレビ朝日系)が始まった。
今クールのドラマでは最も遅いスタートだ。原作漫画『あいの結婚相談所』をドラマ化した作品で、ここまではよくある一作品のひとつと言えるが、ミュージカル調であり、舞台のようなドラマは、今クールでは唯一であり、これまでにない実験ドラマになっている。

サムネイル

山崎育三郎, Jul 24, 2017 : 連続ドラマ「あいの結婚相談所」の制作発表会見(写真:MANTAN/アフロ)


【無料配信】「あいの結婚相談所」配信中>>


ミュージカル界のプリンス・山崎育三郎が主演を務め、さらに前田美波里、鹿賀丈史といった大物舞台俳優が、個性豊かに自由に羽ばたく。また前クールの『恋がヘタでも生きてます』でキャリアウーマン役を演じた高梨臨がマドンナ的存在だ。さらに「日本一美しい女子大生」で話題の山賀琴子の、流暢(りゅうちょう)な英語がアクセントになっている。

■第1話の概要

元動物行動学・准教授の藍野真伍(山崎育三郎)が所長を務める"あいの結婚相談所"は、成婚率100%を売りに、"200万円の入会金""恋愛禁止!""当人同士は、結婚成立まで会ってはいけない"という異例の規定とルールで成り立っている。

相談にやってきた秋山里子(小沢真珠)は、藍野から「恋愛弱者」と言われ憤慨するが、"年収3000万以上"という絶対条件で、渋々200万円の入会金を払う。
そんな中、路上で結婚相談所のビラ配りをしていたシスター・エリザベス(高梨臨)は、ふと見上げた先にビルから飛び降りようとしていた横田和之(加藤晴彦)を見つける。急いでビルに駆け込み、横田を助けてしまうのだった。
横田はシスターから結婚相談所のチラシを受け取り、事務所を訪れ入会金を支払う。
横田は大手証券会社の証券マン。年収は700万でイケメン。だが、彼が結婚相手に求める条件は、「この先の人生を一緒に自然の中でゆったり過ごせる人」というシンプルなものだった。
動物行動学や奇想天外な身辺調査能力を駆使して、藍野が所長を務める"あいの結婚相談所"は成婚率100%を誇る。相手に求める条件が両極端に分かれる横田和之と秋山里子は、果たしてそれぞれの結婚相手を見つけることができるのか。

■番組コンセプト

「"愛とは何か?"いう普遍的なテーマに、チャレンジングな切り口で挑んだエンターテイメントドラマ」と、担当プロデューサーは語っている。"婚活"という言葉が常用語になりつつある今、"相手に何を求めるか?"は女性だけでなく、男性にも大きな課題だ。簡単なことのように思えるが、生涯を一緒に過ごす相手に求める条件を明確にすることで、自分自身の価値観・ライフスタイル・夢などを、改めて知る機会になる。
「"愛の成就のヒント"がたくさんちりばめられている」とプロデューサーはいう。仕事に没頭して過ごしてきた日々、なんとなく後回しにしてきた恋愛を、一度立ち止まって見つめ直し、過去の自分・未来の自分・今の自分が求める自分を探す良いきっかけになるドラマと言えよう。

■魅力的な登場人物

ドラマでありながら、舞台はミュージカル。
主演を務める山崎育三郎はミュージカルで頭角を現し、舞台やテレビで活躍する歌って踊れるプリンスだ。
その才能を藍野役でも遺憾なく発揮している。事務所で一人の世界に浸る時、アドリブでピアノを弾きながら、時にメロディアスに、時にスウィングしながらハリのあるテノールで歌い上げる。
カップル成立のラストシーンでは、壮大な山の景色をバックに、華麗なステップを披露する。ファンにとっては、おいしいひとときに間違いない。

また結婚相談所のオーナー・都築賢一郎(鹿賀丈史)は、藍野の大学時代の指導教官。謎めいたミステリアスな雰囲気の持ち主だ。ミュージカルや舞台で活躍する鹿賀丈史の美声と偉大なパフォーマンスが、2話以降で出てくるようなのでとても楽しみだ。
同じく結婚相談所の事務員・土師野郁江(前田美波里)も、ミュージカルが本業で今後の歌の披露に期待が高まる。華やかで爽快な思い切りの良い演技が、オーバーアクションの藍野のキャラクターとよくかみ合っている。
さらに相談所調査員・橘シャーロット(山賀琴子)の流暢(りゅうちょう)な英語も、物語的にはあまり意味はないものの、突拍子もない印象が、エンターテイメント性を高め、ドラマを盛り上げている。

■音の演出も魅力

もう1点、コンセプトに沿ったミュージカルのような音楽が面白い。
冒頭の結婚シーンでは、オルガン・チェンバロとクラシックで始まる。また、ジャズを取り入れたネオクラシックや、怪しげな雰囲気のシーンではジプシーを取り入れたりと、耳を存分に楽しませてくれる演出だ。
"明るいのか暗いのか"微妙なトーンをミックスしたプロコフィエフ風な和音も、舞台や劇を思わせる要素の一つになっている。

ドラマ音楽には、シーンを引き立たせるだけのバックミュージック的な音楽や、効果音だけでインパクトをつけている。泣かせるためのメロディ付け、楽器選び、アレンジと、たくさんの手法が駆使されている。
音楽家にとって、個性と手腕の見せ所と言えるが、このドラマではシーンの色付けだけでなく、音楽家の個性と豊かな感性で、舞台音楽としても成り立つような完成度の高い音楽となっている点が圧巻だ。
ドラマで流れている曲は、ぜひオーケストラやビッグバンドの生演奏で、大ホールで聴いてみたい。

原作のストーリーの幹の強さ、俳優陣の才能、そして魅力的な音楽の世界。
第2話以降でもそれぞれが存分に力を発揮し、これまでにない総合芸術的なドラマに進化して行くことに期待したい。

【無料配信】「あいの結婚相談所」配信中>>

コラムニスト:はたじゅんこ
監修・次世代メディア研究所

Facebookコメント
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。
PR

最新記事

rss

もっと見る

本文はここまでです このページの先頭へ