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ポストダブステップやインディR&B、エレクトロハウスなど海外のインディ~オルタナ・シーンとの同時代性を保ちながら、ジャパニーズ・ポップスへと落とし込むソングライティングが話題を集めている男女混成グループ、雨のパレード。昨年3月にアルバム『New generation』でメジャーデビューを果たした彼らによる、初の地上波タイアップとなるサード・シングル『Shoes』が8月23日にリリースされる。シンセサイザーを大々的に導入し、80年代エレポップ的なアプローチを試みた表題曲は、どこか夏の終わりを感じさせる切なくも涼しげなナンバー。"青春"と"少年"をテーマにした歌詞も、過ぎ去った日々に思いをはせずにはいられない。懐かしさと新しさが絶妙なバランスで同居する、彼らの音楽性は一体どこから来ているのだろうか。

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雨のパレード、サード・シングル『Shoes』を8月23日にリリース


【ミュージックビデオ】雨のパレード 「Shoes」>>


■自分の思うがまま、好きなように作ってやってみようと思ったのが雨のパレードなんです(福永)

――まずは、雨のパレード結成の経緯を教えてください。

福永浩平(Vo): もともと僕と大澤(実音穂:Dr)と山崎(康介:Gt&Syn)は、地元の鹿児島でバンドを組んでいたんです。そのバンドが解散したのを機に、上京して本格的に音楽活動をしようと思った時に2人に声をかけて。そのあと紹介してもらったのも、偶然にも同じ九州で大分出身の是永(亮祐:Ba)でした。
前のバンドは、ブラックミュージック寄りの歌モノをやっていたんですけど、その頃は僕もまだ若くて、音楽も始めたばっかりというのもあって、年上のメンバーに自分の意見をちゃんと言えなかったんです。なので、自分の思うがまま、好きなように作ってやってみようと思ったのが雨のパレードなんです。曲作りの方法も、それまではメンバーの誰かが歌詞と曲を書き、それを元にアレンジしていたんですけど、雨パレではメンバーみんなでセッションしながら作っていくことが多くなりました。そうすることで、常に実験精神を持っていられるんですよね。

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左から、山崎康介(Gt&Syn)、是永亮祐(Ba)、大澤実音穂(Dr)、福永浩平(Vo)


――みなさんの音楽的なルーツは?

山崎: 僕はまず「ギター」という楽器の魅力に惹(ひ)かれました。アコギから入り、高校生の時にエレキギターを初めて手にして。そこからはメタルやハードロック、メロコアなどギターが目立つ音楽を聴いていましたね。高校を卒業してからは、ブルージーな音楽へと方向転換して今に至ります。

是永: 僕は青春パンクから入って、友達がカラオケで歌うaikoを聞くようになり、椎名林檎や東京事変にハマって、専門学校に行ってからはパット・メセニーやジャコ・パストリアスのようなフュージョン系に進みました。椎名林檎つながりで、亀田誠治さんの影響はめちゃめちゃ大きいですね。

大澤: 私は、両親の影響でクラシックから入りました。音楽の専門学校に入って打楽器を専攻しつつも、是永くんと同じく東京事変にハマって畑利樹に憧れ、ずっと「ドラマーになりたい」という気持ちがありました。東京事変の他にはYUKIさん、ハナレグミさんが好きで、雨パレをやるようになってからインディR&Bなどを聴くようになりました。

福永: 小六の時、ドラマ『プライド』のオープニングテーマだった、クイーンの「I Was Born To Love You」を聴いて「なんてカッコいいんだろう!」と思い、初めて自分のお金で買ったのがクイーンのベスト盤『JEWELS』でした。それ以来、基本的には洋楽が好きでしたね。新しい洋楽もよく聴いていて、今年はサンファやロード、SZAのアルバムが気に入りました。2017年の洋楽はかなり豊作だと思います。

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雨のパレード、サード・シングル『Shoes』を8月23日にリリース


――音楽性の違う4人がセッションすることで、さまざまな要素が入った独自のサウンドが生まれているわけですね。

福永: そう思います。メンバーそれぞれのルーツが根底に流れつつ、最近のUSインディ~オルタナ・シーンを意識した音作りを目指しながら、なおかつジャパニーズポップへ落とし込んでいくところが、雨パレらしさじゃないかと。

■若い頃はCDを買っていたのに、最近は買わなくなってしまった世代を振り向かせたい(福永)

――3枚目のシングル『Shoes』は、どのようなコンセプトやテーマがありましたか?

福永: 今回、テレビドラマ『下北沢ダイハード』のエンディングテーマということで、まずはドラマのプロットを見せてもらいました。その時にリクエストされたテーマが「希望」と「街」だったんですけど、そこから連想したのが「青春」や「少年」というキーワード。少年が走っている映像が頭の中に浮かんだので、それをメンバーと共有してからセッションで作っていきました。

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雨のパレード、サード・シングル『Shoes』を8月23日にリリース


――歌詞についてはどんなイメージですか?

福永: 僕がイメージする青春映画、最近のものだと『シング・ストリート』や『ウォールフラワー』、昔だと『グッド・ウィル・ハンティング』、漫画でいうと『ピンポン』の世界観というか。そういう要素を詰め込んだ感じです。

――この曲のPVはどんなイメージで撮影しましたか?

福永: 今回の撮影は北海道だったんです。帯広からさらに車で1、2時間かけて、秘境も秘境、名前すら付いていないんじゃないか? っていう場所へ行きました(笑)。なんかすごかったですね、木も水で腐って真っ白になっていて......。あと、フィルムを使って4:3のサイズで撮ったのも見どころです。

――この曲は、どんな人たちに聴いて欲しいと思いますか?

福永: 同世代の人たちはもちろんですけど、特に意識したのは、若い頃はCDを買っていたのに、最近は買わなくなってしまった世代。そういう人たちを振り向かせたいと思いました。最近、宇多田ヒカルさんやコーネリアスさんが久しぶりにアルバムを出して、その世代だった人たちも再びCDを買う現象が起きたじゃないですか。そういう上の世代の人たちに、もっとアピールしたかったんですよね。

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雨のパレード、サード・シングル『Shoes』を8月23日にリリース


――具体的にはどんな方法をとりました?

福永: 自分たちの中にもともとあった、ノスタルジックなイメージを今回はより強く打ち出しました。シンセの音も、ちょっと懐かしい80年代っぽい感じにしているし、シングルのアートワークやPVなども、その世代に懐かしんでもらえるような雰囲気で。

――でも、みなさんの世代は80年代のサウンドに対して、「懐かしい」という感覚ないですよね?(笑)

福永: そうですね(笑)。一周回って新鮮だし、かっこいいって思います。例えばトロ・イ・モワの新作『Boo Boo』なんかも、ROLAND JX-3Pとかかなり懐かしいシンセを使っていますが、僕らにとってはすごく新しい。次のアルバムでは、ああいう雰囲気を出せたらいいなと思っています。後は、今年出たザ・エックス・エックスの新作『I See You』みたいな感じ。

――それは楽しみですね。では最後に、9月から始まるワンマンツアーへの意気込みを。

福永: 前回のワンマンでいろいろ新しいことを試してみたんですけど、まだまだ自分たちの伸びしろはたくさんあると感じたので、次のワンマンからは、もっとはっきりと自分たちの世界観を出して、オリジナリティのあるものにしたいと思っています。やり方はいろいろあると思うので、今からいろいろ試してみます!

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雨のパレード、サード・シングル『Shoes』を8月23日にリリース


◆雨のパレード
福永浩平(Vo)、山崎康介(Gt&Syn)、是永亮祐(Ba)、大澤実音穂(Dr)。2013年に結成。ポストダブステップ、80'sPOP、インディR&B、エレクトロハウス、アンビエント、TRAPなど様々なジャンルを超えたその音楽性はもちろん、アナログシンセやサンプラー、ドラムマシーンなどを取り入れた、バンドという形態に拘らないサウンドメイクで大きな注目を集めている。2016年3月2日1stフルアルバム『New generation』でメジャーデビュー。7月20日にリリースしたメジャー1stシングル『You』はSSTVのヘビーローテーション「POWER PUSH!」をはじめ、各地ラジオ局でも続々とローテーションを獲得。リリース後に行われた渋谷クアトロワンマンを含む東名阪ツアーは全公演チケット即日ソールドアウト。12月21日には2ndシングル『stage』をリリース。2017年3月から行われた全国ツアー『Change your pops』も大盛況に終了した。

座右の銘:福永「やればできる」、山崎「晴耕雨読」、是永「需要と供給」、大澤「Don't think, feel」

【ミュージックビデオ】雨のパレード 「Change your mind」>>


(取材・文・写真/黒田隆憲)

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