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ソロ活動30年を迎える桑田佳祐が、未だほとばしる衝動を抑えきれずに炸裂させた最新オリジナルアルバムは、その名も『がらくた』(8月23日発売)。ソロ名義のオリジナルアルバムとしては2011年にリリースされた『MUSICMAN』以来、6年ぶりのリリースとなる本作は、2013年にリリースされたシングル曲「Yin Yang(イヤン)」から、2016年リリースのシングル曲「ヨシ子さん」「君への手紙」、さらには連続テレビ小説『ひよっこ』の主題歌「若い広場」や「オアシスと果樹園」まで全15曲を収録。ポップスを代表する桑田佳祐が、日常の事柄を軽快に、そして親しみのある"小品"という形で生み出した、自身のアルバムについて語ってくれた。

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桑田佳祐、ニューアルバム『がらくた』を8月23日(水)にリリース


【ミュージックビデオ】「若い広場」(平成29年度前期・NHK連続テレビ小説「ひよっこ」主題歌)>>


--ついにリリ-スされる『がらくた』ですが、どんな経緯で完成したんでしょうか?

桑田: 今回のセッションで最初にやったのは「愛のプレリュード」で、一昨年の10月くらいだったんです。その時点ではアルバム制作というより、とりあえず1曲やってみた感じでした。そのあとも、それがシングルの曲であっても力が抜けた状態で、その後も大上段に振りかざすことなくね、みんなに親しんでもらえる"小品"を目指したのがこのアルバムだったんですよ。

--"小品"という表現は、親しみやすくていいですね。ポップスってそもそも、そういうものでしょうし。

桑田: あとタイトルに関しては、ポール・マッカートニーに"Junk"って曲があって、あれは短い"意味なし歌"のようでいて、味わい深くもあってね。『がらくた』というタイトルに関して言うなら、あの歌のことが頭の片隅にあったのかもしれないですけど。

--今回の特徴としては、少人数でのレコ-ディングが多かったとか?

桑田: ほとんどの曲がそうでした。「大河の一滴」もそうだし、「ほととぎす [杜鵑草]」、「簪 / かんざし」、あと、「愛のプレリュード」に「愛のささくれ~Nobody loves me」もね。

--「君への手紙」、「オアシスと果樹園」、「ヨシ子さん」などもそのようですね。

【ミュージックビデオ】「ヨシ子さん」(WOWOW開局25周年CMソング)>>


桑田: ただ、「百万本の赤い薔薇」は原さんと曽我君ていうオペレ-タ-にもアレンジを手伝ってもらっています。さらに「過ぎ去りし日々(ゴ-イング・ダウン)」や「サイテーのワル」に関しては、どちらかというとバンド・サウンドかな。でもバンドといっても、普通はブラスとか入れるのが似合いそうな曲なのに、その代わりノイズの"ピシュゥゥ"って音を入れたりして、敢えて少人数で仕上げているんですけど。最後の「春まだ遠く」に関しては、島健さんのストリングス・アレンジで歌わせて頂いていて、他とは雰囲気が違いますが。でも基本的にはね、打ち込みも使いつつ、少人数の"ユニット"で作ったみたいなアルバムなんですよ。

【ミュージックビデオ】「君への手紙」(映画「金メダル男」主題歌/WOWOW開局25周年CMソング)>>


--その"ユニット"が機能した際の、スタジオの雰囲気はどんな感じだったのでしょうか?

桑田: いずれにしても、僕が曲を作るところから始まりますが、そのあと、"こんな感じのコ-ド進行で"みたいに、みんなのところに持っていくんです。そこにはキ-ボ-ドの片山くん、マニピュレ-タ-のカワチョー(角谷仁宣)、エンジニアの中山くんが居て、少人数のなか、僕の提案に対してアイデアを返してくれたり、僕は僕で"あ、いいねいいね"とか言いつつ、たまには"え、そう来たの?"なんてこともありながら、ゼミの夏合宿のように楽しくやってましたよ。途中、みんなの間に何度も不思議な化学反応が起きて、気づけば完成していたという感じですけどね。

--聴かせて頂くと、歌のテーマは多岐に渡りますが、「今だからこそ描けたもの」があるとしたら、どんなことでしょうか。

桑田: 1曲目の「過ぎ去りし日々(ゴーイング・ダウン)」とか、そうかもしれないです。あくまでファンタジーとしての設定ではあるんだけど、"俺の歌"が書けたのかなぁ゛というか......。

--それは具体的には?

桑田: 例えば"もう、だめだぁ~。でも、しょうがねぇなぁ~"みたいな歌詞があるとするでしょ? でも今は、そう嘆きつつも"愛してるよ~ 恋してるよぉ~"と、逆のことも同時に言える立場というかね。"過ぎ去りし日々"を単に"あの頃は良かった"と歌うより、伝わり方も意味シンだろうし、いいんじゃないかと思うんですよね。もしこれを20年前に歌ってたら、"もう、だめだぁ~"が別の意味に伝わったと思うんですけどね。

--「愛のプレリュード」と「オアシスと果樹園」は、ともにJTBのCM曲で、舞台はハワイですね。

【ミュージックビデオ】桑田佳祐 「オアシスと果樹園」無料配信(JTB 2017 TVCMソング)>>


桑田: 確かにこの2曲は"ハワイ二部作"なんですが、"プレリュ-ド"に較べて"オアシス"は、ワイキキというより荒々しい自然の中のハワイといいますかね。アメリカのテレビ・ドラマで『HAWAII FIVE-0』ってあるでしょ? あの番組に出てくる風景というか。

--10月からツアーが始まりますが。

桑田: 7月にライブ・ハウスやって8月に夏フェスに出て、そしてツアーですが、これをホップ・ステップ・ジャンプじゃないけど、いい流れで繋げていけたらいいんですけど。内容に関しては、あまり細かく決めすぎずにね、人間的な部分もふくめ、"今の自分"を見て貰えればいいかな、と思ってます。

【ミュージックビデオ】桑田佳祐 「Yin Yang(イヤン)」無料配信(2013年 フジテレビ系木曜劇場「最高の離婚」主題歌)>>


(インタビュー・文=小貫信昭)

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