ここから本文です

「律(長瀬智也)―凜華(吉岡里帆)―サトル(坂口健太郎)」の男女、そして「律―サトル―麗子(大竹しのぶ)」の母子。これら二つの三角関係が交錯する『ごめん、愛してる』(TBS日曜9時放送)は、「この夏一番切ない愛の物語」をキャッチフレーズに放送されている。
誰にも愛されたことがない男(長瀬智也)は、自分を捨てた母(大竹しのぶ)に復讐を誓ったが、運命の人(吉岡里帆)と出会う。男は生まれて初めて人を愛すること、愛されることを知る。そして余命幾ばくもない中で、愛する人を求め、母を求める男は、最善の選択をしようとする......。

サムネイル

『ごめん、愛してる』の各種指数


【無料配信】「ごめん、愛してる」配信中>>


■視聴者評価は右肩上がり

韓国KBS放送のドラマを原作とする同作品は、ストーリーの大筋は同じだが、登場人物やストーリーの設定に多少の違いがある。7話までが既に放送され、次回からいよいよ「愛が狂気に代わる」「最大の悲劇が起こる」など、物語は佳境に入るらしい。

ちなみに、これまでの視聴者の評価は興味深い動きとなっている。
まず視聴率は10%ほどで始まり、その後やや数字を落としているが、そこそこ安定している。これまでの平均視聴率では、今期GP帯(夜7~11時放送)の民放ドラマ全14本の中で7位と中位につけている。
ただしビデオリサーチ社が測定しているタイムシフト視聴率は7%前後で推移しており、全14本の中では3位。両方を合わせた総合視聴率でも16%ほどと3位の好成績となっている。

明らかに"じっくり視聴する"人が多い"専念視聴型"のドラマだ。これを裏付けるデータとしては、データニュース社「テレビウォッチャー」が調べるドラマの質的評価がある。
実際に視聴した人の満足度は3.60とドラマの平均程度しかない。ところが当初3話が、3.32⇒3.49⇒3.45と低い数字だったことが原因で、4~6話で平均値を超え初め、7話では3.82と高い数値へと進化している。
5段階評価での次回「絶対見る」「なるべく見る」を足しあげた「次回みたい率」でも、初回は66%で始まり、3話で80%を超え、4話以降で9割ほどとなっている。

"母に捨てられた男""余命幾ばくもない運命""母を巡る三角関係""女を巡る三角関係"などが何重にも重なる"あり得ない設定"に、入り込めない視聴者が一定数いたがゆえの序盤の低評価だったようだ。

「韓国っぽいドラマだった」男47歳(満足度3・次回見るかもしれない)
「ちょっと現実味なないストーリー」女57歳(満足度3・絶対見る)
「韓流ドラマみたいでつまらなかった」女34歳(満足度2・たぶん見ない)
「ありえない偶然が重なったり」女55歳(満足度2・見るかもしれない)

苦しいスタートだったが、回を重ねるうちに質的評価はどんどん上がっていった。明らかに物語にどっぷりハマった視聴者を一定数作り出すことに成功している。
特に興味深いのは、M3(男50歳以上)の評価が極端に変わっている点だ。

■M3の評価は極端から極端へ

初回満足度3.32とい低さは、実はM3が2.85と極端に低い評価だったことに起因する。ところがM3の満足度は次第に高くなり、4話以降3.79⇒4.10⇒4.13⇒4.18と鰻(うなぎ)上りに高くなる。極端から極端へと振れたと言えよう。

この変化は、例えば66歳男性の評価が象徴的だ。
初回は「韓国ドラマを日本版に焼き直したところ少し無理がある」(満足度1・たぶん見ない)だった。ところが4話以降「ストーリーが面白い」(満足度5・絶対見る)と大絶賛に変わっていく。

他にも男79歳は、「展開にスリルがある」(6話・満足度4・絶対見る)、
「(長瀬が)いつ倒れるかハラハラしながら見ていた」(6話・満足度4・絶対見る)。
男51歳「長瀬の演技が良い。母親役大竹しのぶとのシーンが印象に残る」(2話・満足度5・絶対見る)、
「自分の命が短いことを自覚する律の一日一善という気持ちが痛いほど分かる」(5話・満足度4・絶対見る)、
男50歳「(長瀬が)なんで、母親に指輪を見せなかったのか? イライラした」(2話・満足度3・たぶん見る)、
「母親のグズっぷりには腹が立つ」(5話・満足度4・たぶん見る)

中高年の男たちほど、極端な設定の中の究極の感情に、どっぷり漬かっているようだ。しかも男たちのこれらの共感は、「求めても求めても母親の愛が得られない」「相手のことを考えるからこそ、本当の気持ちが伝えられない」という思いが大きく関係している。
これらはM3以外の層にも共有され、質的評価が後半ほど上がる状況につながっている。

「主人公の報われない感がせつない」女36歳
「ストーリーが切なくて良い」女27歳
「三角関係がどうなるのか今後も楽しみ」男39歳
「気持ちとは反対のことを言わなければならない......毎回可哀そうでならない」女40歳
「母とは何か考えさせられる」女68歳

■いよいよ佳境

ハマっている視聴者の気持ちは、このように盛り上がっている。そして物語は、いよいよ佳境に入っていく。

律(長瀬智也)の元に韓国にいたときの仲間・ビョンチョル(成河)から連絡が入る。若頭の狼(おおかみ)(イ・スヒョク)が撃たれたという。その報復のために戻って来てほしいと頼まれるが、かつて組織に使い捨てにされた律はその判断に迷う。ところが律の脳の手術が可能な名医を探し出したと告げられ、生きられる希望を持った律は韓国行きの意思を固める。
いっぽう麗子(大竹しのぶ)は凜華(吉岡里帆)にサトル(坂口健太郎)との結婚を勧める。しかしあまりにも突然の提案で、律への思いを断ち切れない凜華は、サトルから必要とされる気持ちを受け止められずにいた。そんな中、律と凜華の関係を気にするサトルは、若菜(池脇千鶴)の家を訪ねる。そこには律の帰りを待つビョンチョルの姿があり、サトルはビョンチョルから衝撃の事実を告げられる......。

"ありえない設定"ではあるものの、そこで生まれる登場人物の"究極の思い"は、限りなく切なく見る者の涙を誘う。
今からでも決して遅くはない。感情や価値観の座標軸をこれでもかと揺すぶられ、心洗われたい人には絶対お勧めのドラマである。第7話からでも見ていただきたい。

【無料配信】「ごめん、愛してる」配信中>>

文責:次世代メディア研究所

Facebookコメント
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。
PR

最新記事

rss

もっと見る

本文はここまでです このページの先頭へ