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テレビ朝日『黒革の手帖』が終了した。
視聴率は11.7%で始まり、最終回は13.0%。途中一度も一桁に落ちることがなかったが、今クールで完全二桁を完遂したのは、『コード・ブルー3』と『黒革の手帖』の2作しかない。大健闘といえよう。

サムネイル

『黒革の手帖』視聴率 前作との比較


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■米倉涼子版との比較

今作の視聴率については、「武井咲版『黒革の手帖』、完全な失敗・・・最高視聴率が米倉涼子版の最低にすら届かず」などの記事がネットに出ているが、視聴率の見方はもう少し慎重を要する。
同記事では、「米倉版の最終回は17.7%の高視聴率で、ワーストも13.2%だっただけに、武井の最高記録は米倉の最低記録にも届かなかったというワケだ」「武井が所属するオスカープロモーションの先輩女優・米倉涼子が04年に同シリーズの主演を務めた際の成績には、遠く及ばないまま終わった」と切り捨てている。

しかし04年時点では、HDD内蔵のDVDレコーダーはまだ世に出ていない。VHS録画機でテレビ番組を録画再生する人の率はごくわずかで、視聴率はリアルタイム視聴だけで十分だった。ところが今や85%の家庭にデジタル録画機が存在する。つまりリアルタイム視聴率だけで比較してもあまり意味がない。
図の通り、米倉涼子版の視聴率は平均で15.7%あった。ところが武井咲版の平均は11.5%だ。4.2%ほど差がある。ところが今回のドラマは、毎回5%前後の録画再生視聴率を伴う。よって総合視聴率に直すと、武井咲版の平均は16%を超え、決して米倉涼子版に引けを取っていない。最低視聴率も最高視聴率も、上回っている可能性がある。

■存在感の比較

視聴率比較だけでなく、主役の存在感なども比較され、ネット上では散々たたかれた。
例えばドラマ序盤、「『黒革の手帖』、武井咲がしゃべるたびにガッカリ・・・米倉涼子との格の違いが露呈」など記事が激しい批判を展開する。
「主演の武井咲の"致命的欠点"に今後の不安を感じずにはいられなかった」「残念ながら、武井は声が幼く、力強さを感じられない」「米倉と武井ではまったく比べ物にならないことくらい、初めからわかりきっていた」などと酷評されていた。

この種の意見・感想を持つ人はたしかにいた。
同じ2400人のモニターの毎日のテレビ視聴動向を調べるデータニュース社「テレビウォッチャー」でも、実際にドラマを視聴した人の中には、否定的な意見があった。

「武井咲がまだまだ貫禄が足りない」女44歳
「米倉涼子の印象が強く残っているので、武井咲に不安感持ちながら見た」女50歳
「持って生まれた清楚な雰囲気が、悪女役のエグさを薄めている」男48歳

ところが実際に見てみると、懸念は杞憂(きゆう)だったとする声の方が多い。

「銀座のママ役は若すぎて貫禄がないと思っていたが、そんなことはなく良かった」女69歳
「なかなかセクシーで、ずる賢い役をしっかり演じていて違和感がなかった」女40歳
「キレッキレの演技のテンポが良い」女48歳
「武井咲さんの迫力ある演技に圧倒された」男23歳

そして終盤では、否定的な声はほとんど消え、評価の声が圧倒していた。

「以前の元子役の人に劣らない演技で、最終回とは残念」女72歳
「ママのどん底へ落ちる演技が見ごたえあり」男64歳
「武井咲の悪女ぶりがきれいで板につく」女55歳
「武井咲さん、ほんと上手い」女21歳

ドラマに対する満足度は、序盤こそ平均値やそれ以下があったが、中盤以降はずっと平均より上をいっていた。物語の展開や役者の演技を、大多数の視聴者は十分楽しんでいたと見るべきだろう。

■圧巻の最終回

最終話は"どんでん返し"の連続となる。
政財界のフィクサー・長谷川庄治(伊東四朗)にはめられた元子は、銀座での地位など、すべてを失いどん底まで転落する。ところがクラブ「カルネ」を取り返すため、安島富夫(江口洋介)から渡された封筒を手に、長谷川にもう一度挑む。元子の度胸に感服し長谷川は元子の要求を受け入れるが、その直後に急逝してしまう。トラブル処理のプロ・安島に後処理を委ねた元子は無事に店を取り戻し、しかも銀座の最高級店「ルダン」も手に入れる。

万事うまく行ったはずが、長谷川の事務所から出てくるところを予備校理事長・橋田(高嶋政伸)に目撃される。監視カメラにも元子は捉えられており、警察にも疑われる。
さらに黒革の手帖などを楢林クリニックの看護師長・中岡市子(高畑淳子)に持ち去られ、安島と元子は地検特捜部に連行されてしまう。
これら一連は、原作とは異なるオリジナル台本だ。しかも二人が連行の瞬間に浮かべる表情は、意味深でソーシャルメディア上では、いろんな解釈が飛び交った。

筆者は個人的に、武井咲が結婚・出産後の復帰第一作が『黒革の手帖』続編というパターンがあり得ると見た。ゼネラルプロデューサー・内山聖子は、『ドクターX ~外科医・大門未知子~』を第5期まで発展させた敏腕プロデューサーだ。

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文責:次世代メディア研究所

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