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今年3月にアルバム『kitixxxgaia(キチ ガイア)』をリリースし、8月にはニューシングル「draw (A) drow」で凛として時雨のTKとコラボしたばかりの大森靖子が、早くもニュー・アルバム『MUTEKI』を完成させた(9月27日発売)。

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大森靖子、アルバム『MUTEKI』を9月27日にリリース


本作は、バンドアレンジされた新曲2曲と共に、彼女の真骨頂である弾き語りスタイルによりリアレンジした過去曲を収録した全20曲。全編、ほぼ"一発録り"によるアナログ・レコーディングであり、音数が少なくなったぶん、彼女のソングライターとしての素晴らしさはもちろん、ヴォーカリストとしての圧倒的な破壊力が、より浮き彫りになっているのが特徴だ。
新作についてはもちろん、9月30日(土)にGYAO!で生配信される大森靖子 30人限定弾語りLIVEや、秋の全国ツアーへの意気込みについても聞いた。

【ミュージックビデオ】大森靖子 「流星ヘブン[弐]」>>


9/30(土)20時~【特設ページ】「大森靖子 30人限定弾語りLIVE」(GYAO!にて生配信)>>

【ミュージックビデオ】大森靖子、これまでのMVを一挙配信中>>

■聴いている人にマイクを介さずダイレクトに歌いかけているような、そんなサウンドにしたくて

──今作『MUTEKI』には、バンドアレンジされた新曲2曲と共に、弾き語りでリアレンジされたこれまでの楽曲が並んでいます。選曲はどのように決めました?

大森: 事前にSNSなどで、ファンに向けてアンケート的なものを取っていて。それをリストに書き出し、レコーディング・スタジオの壁に貼っておいて、その日の声の調子によって、リストの中から合いそうな曲を片っ端から録っていきました。1日10曲くらいずつ、何日かかけてレコーディングして。その中から絞り込んだのが本作です。

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弾語りアレンジをベースに20曲入りフルボリュームベスト的アルバム


──ギターの弾き語りにするか、ピアノの伴奏にするかはどう決めたのですか?

大森: 例えば、「オリジナルはギター主体だったから、今回はピアノにしよう」とか、「この曲はギターじゃ無理かな?」とか。私のギターは歌に寄り添って抑揚をつけるスタイルなので、そんなに情報量がないんですよ。でもピアノだったらそれより情報量も多く入れられるから、そういうのが合いそうな曲はピアノにしましたね。特にメジャー以降の楽曲って、弾き語りで飽きさせないような言葉の入れ方をしているというよりは、さまざまな楽器を使っているし音数も多くなっているし、その中で「歌」もフレーズの一つのような組み込み方をしていることが多いんです。そうすると、ギターよりもピアノの方がしっくりくるというか。「焼肉デート」や「子供じゃないもん17」はそうですね。

──今回はAL『絶対少女』の時と同様、アナログ・レコーディングだったそうですが、それは弾き語りライヴの空気感をそのままパッケージしたかったから?

大森: そうですね。マイクに向かっているのではなく、聴いている人にマイクを介さずダイレクトに歌いかけているような、そんなサウンドにしたくて。リヴァーブやエコーはかけず、マイクの位置や距離も1曲ずつ吟味して。いつもお願いしているエンジニアの原(真人)さんとは、そんな感じでいろいろ試行錯誤しました。

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大森靖子、アルバム『MUTEKI』を9月27日にリリース


──ちなみに、今回のレコーディングで大森さんが使用したギターは?

大森: Gibson HUMMINGBIRDが、インディーズの頃からずっと使っているものと、2、3年前に購入した限定モデルの2本あって。箱鳴りの明るさがそれぞれ違うので、曲によって使い分けています。もう1本はGibson J-40。30~40年前に作られた、バッキバッキにボディが割れてて全然鳴らないけど、部屋で弾くとめっちゃいい音がするんですよ。家で曲を作るときは、ほとんどこれを使っていますね。

■新曲「流星ヘブン」のテーマは"創造的自殺"その真意は?

──書き下ろしの新曲「流星ヘブン」は、どのようにして作られましたか?

大森: 大好きなアイドルや、私を含めてライヴなどでステージに立つ人のことをイメージしながら作りました。ライヴだけでなく、例えば曲を作ってCDに残す行為とか、アイドルだったら写真集を出すとか、それってその時の自分を殺して埋葬しているような感覚があるんです。そういう感覚を重ねながら、アイドルやアーティストは生きているんだなと。

──歌詞の中の、"自撮りは私の遺影"や"2ギガのムービーは走馬灯"といった描写には、そんな意味が込められているのですね。その時の自分を凍結するというか、封じ込めて埋葬するみたいな。

大森: そうなんです。で、それって受け手からしたらありがたいことじゃないですか。そんな風に封じ込めたものを"受け取っていい"ということは、"勝手に殺していい"ということになる。最近は、一般の人でも結構そういうことをやっている人が多いじゃないですか。自撮りをSNSに投稿したり、ムービーをリアルタイムで配信したり。そういう生き方している人たちって、単純にすごいな、かっこいいなと私は思っているんです。「創造的自殺」というか。逆に、本当に誰かが死んだ時の、人々の受け止め方に違和感を持つことはよくあるんですよね。

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弾語りアレンジをベースに20曲入りフルボリュームベスト的アルバム


──例えば?

大森:簡単に言うと、アーティストの訃報が流れた時に、そんなに好きでもなかったのに「追悼の意を述べます」と言い出す人ってイヤですよね?(笑)それってある意味では、「他人の死を自分のものにしようとする行為」だと思うんです。私は誰かが死んだ時とか、軽々しく言及したりしないようにしてて。むしろ、死んだことを「受け入れない」っていう受け止め方を心がけているんです。まあ、それは人それぞれの受け止め方なのですが。

■こっちの方が面白くて、向こうがバカなんだということを早く知ってほしい

街中や夜の森を彷徨う3人の大森靖子。自分自身を埋めたり、引きずったりと自分自身と対峙しながら衝撃のラストを迎える――。新曲「流星ヘブン」MVは大森靖子 Youtube ChannelとGYAO!で2パターンアップされており、間違い探しが盛り込まれている

──「流星ヘブン」のMV撮影について、印象深かったのは?

大森: この曲は、今言ったように「創造的自殺」がテーマで、でもそれを監督には言っていなかったのに、「自分で自分を殺して、次の自分が現れる」っていうプロットが来たのでびっくりしました。監督ってすごい職業だなと(笑)。そういう、作り手の意図を共有できる人と仕事ができている幸運もあると思うし、そういう人を選ぶ私のセンスもさすがだなあと。

──(笑)。一人三役を演じる大森さんは、SNS上に存在する複数アカウントのメタファーなのかなと。

大森: 今って、3つくらいアカウントを持っている人が多いらしいんですよ。あるいは、アカウントを何度も登録し直したりする人とか。そうするとスッキリするらしいんですよね。でもそれってSNSの時代だからということでもなくて、昔からある感覚だったと思うんですよね。そういう人たちの自己顕示欲や承認欲求を、別にバカにする必要なんてないと思っていて。だって、自分で自分を承認できるような環境を、小さい頃に親なり先生なりが整えてくれなかったのが原因で、今こんなに生きづらくなってしまっているわけで。そう思うと、今の子たちの自己顕示欲や承認欲求って、SOSだと思うんですよね。「助けて!」って。そういう人たちをバカにしたり、マウンティング対象にしたりしている側の人たちの方が、圧倒的につまらない。

──確かにそうですね。

大森: なぜ今、そっち側の人の方が「多数意見」とされているのか、意味がわからない。昔から私は「マイノリティの味方」って言われるんだけど、マイノリティなんて思っていないし「むしろ逆だろ」って思いますね。だって、こちらの方が圧倒的に面白いじゃないですか(笑)。単純に、新しいことをやろうとしている人、目立つ人って攻撃されやすくて。学校なんて、モロにそういうことが起こりやすい環境ですが、こっちの方が面白くて、向こうがバカなんだということを早く知ってほしい。

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弾語りアレンジをベースに20曲入りフルボリュームベスト的アルバム


──9月30日(土)には、大森靖子 30人限定弾語りLIVEの生配信があります。こちらへの意気込みは?

大森:これ、MVの間違い探しを真面目にやってくれた人だけが来られるらしいので、「話が早い人たち」が集まってくれると勝手に思っているんですよ(笑)。前置きの必要がない、基本情報はちゃんとしたお客さんばっかり集まっていると思うので、こちらもそのつもりで挑もうかなと思っていますね(笑)。

──11月からは全国ツアーが始まります。

大森: 今回のツアーは、ライブハウスを会場にしたところが一つもなくて。例えば金沢21世紀美術館や、本願寺広島別院など、これまでにないイレギュラーな空間も結構あるので、例えば照明を明るめにして、お客さんの顔がちゃんと見えるようにして演奏したら面白いかなとかいろいろ考えています。まだまだ先のことなので、具体的なことはまだ何もしていないんですけどね。でも、これまでに行ったことのない場所もたくさんあるし、楽しみにしています。

【ミュージックビデオ】大森靖子、これまでのMVを一挙配信中>>

【ミュージックビデオ】「draw (A) drow (Music Video/大森靖子Ver.)」(2017年8月30日リリース)>>


【ミュージックビデオ】「わたしみ」(2017年8月30日リリース)>>


【ミュージックビデオ】「サイレントマジョリティー」(2017年8月30日リリース)>>


・・・
2017年11月3日から2018年1月20日の期間で、「超歌手大森靖子 MUTEKI弾語りツアー」は全15箇所開催を決定。
ニュー・アルバム『MUTEKI』は、9月27日発売。初回特典で未収録楽曲3曲が無料ダウンロードできるシリアルナンバーを封入。

<CD収録内容>
01 流星ヘブン
02 みっくしゅじゅーちゅ
03 愛してる.com
04 SHINPIN
05 新宿
06 TOKYO BLACK HOLE
07 焼肉デート
08 生kill the time 14 you、、(ハート)
09 子供じゃないもん17
10 絶対彼女
11 ミッドナイト清純異性交遊
12 夏果て
13 あたし天使の堪忍袋
14 Over The Party
15 マジックミラー
16 呪いは水色
17 アナログシンコペーション
18 お茶碗
19 君と映画
20 ハンドメイドホーム

<DVD収録>
大森靖子MUTEKI DVD
超移動式楽園kitixxxgaia 流星ヘブン行

大森靖子 LIVE TOUR 超移動式楽園kitixxxgaia@Zepp DiverCity 2017.7.20
01. ドグマ・マグマ
02. 非国民的ヒーロー
03. イミテーションガール
04. きゅるきゅる
05. 地球最後のふたり
06. ピンクメトセラ
07. LADY BABY BLUE
08. マジックミラー
09. 夢幻クライマックス かもめ教室編
10. M
11. オリオン座
12. 君に届くな
13. 最終公演
14. あまい
15. TOKYO BLACK HOLE
16. 音楽を捨てよ、そして音楽へ
17. アナログシンコペーション
<アンコール>
18. draw (A) drow
19. ミッドナイト清純異性交遊
20. IDOL SONG
21. 絶対彼女

流星ヘブンMusic Video
01 流星ヘブン[零]
02 流星ヘブン[弐]

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大森靖子、アルバム『MUTEKI』を9月27日にリリース


◆大森靖子(おおもり・せいこ)
1987年9月18日生まれ、愛媛県出身。2007年に弾き語りで音楽活動をスタートして、2014年にメジャーデビュー。道重さゆみ、アップアップガールズ(仮)、℃-uteなど近年は楽曲提供も積極的におこなっている。
座右の銘は、「死にながら生きてたい」

(取材・文/黒田隆憲)

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エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
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