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 眼光鋭い風貌のコワモテ俳優として数々の作品に出演してきた遠藤憲一。近年は、バラエティ番組などで、チャーミングな素顔が明かされると、ドラマや映画でコミカルな役も演じるようになった。最新作『ミックス。』(10月21日公開)では、プチトマト農園を営みながら卓球クラブに通う中年男性・落合元信を演じた。この役柄も、試合前になると緊張のあまり腹痛をおこしてしまうという愛すべきキャラクターだ。コワモテでカワイイという稀有(けう)な存在を突進中の遠藤が、自身のことや本作の魅力を語った。

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遠藤憲一 出演、ロマンチックコメディー映画『ミックス。』(10月21日公開)


【予告編映像】映画『ミックス。』>>


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■出演俳優たちの仲の良さが作品に出ている

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失恋をきっかけに帰郷するヒロインに新垣結衣、彼女とペアを組む元プロボクサーに瑛太
(C)2017『ミックス。』製作委員会


――遠藤さん演じる落合は、とてもキュートなキャラクターでしたが、古沢良太さんの脚本はいかがでしたか?

遠藤: 古沢さんとは前回『外事警察』でご一緒しました。あの作品は緊迫感あるものでしたが、今回は楽しい映画。緩急自在でコメディも上手で、緻密で完成度の高い台本だなって思いました。

――卓球のミックスダブルスが題材でしたが、こういった設定の役を演じるのはいかがでしたか?

遠藤: お話をいただいたとき、とんでもなく卓球がうまい役柄だったらどうしようと思ったのですが、台本読んでそんなに上手な設定じゃなかったので安心しました(笑)。僕の素の性格に近い役柄だったので、楽しく演じました。

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遠藤憲一 出演、卓球のミックスダブルスが題材『ミックス。』(10月21日公開)
(C)2017『ミックス。』製作委員会


――田中美佐子さんなどフラワー卓球クラブのメンバーたちとの和気あいあいぶりが、見ている側にも伝わってきました。

遠藤: 空き時間もみんな同じ部屋にいたんです。(広末)涼子ちゃんと美佐子さんは家庭があるからPTAの話をしていたり、お互いの顔を交換するアプリで遊んだり......。控室での時間が濃厚だったので、そのにぎやかさが作品のなかにも出ている気がしますね。

――ロマンチックとコメディのさじ加減が絶妙でした。

遠藤: ばらばらだった卓球クラブが、一つの大会に向けて頑張っていく展開は、のどかな感じで好きでしたね。

■最近の趣味はウォーキング後に喫茶店での読書

――落合は仕事以外で卓球クラブに通っていましたが、遠藤さんは俳優の仕事以外の余暇はありますか?

遠藤: 趣味がないんだよね(笑)。本当は旅をしながら写真を撮ったりするのが好きなんだけれど、最近はできていないですね。今はウォーキング後に喫茶店で読書することくらいかな。昔は作品に入っているときは台本以外の本を読めなかったんだけど、いまは気分転換になるんです。

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遠藤憲一 出演、卓球のミックスダブルスが題材『ミックス。』(10月21日公開)


――どんなジャンルの本を読まれるのですか?

遠藤: 今は村上春樹さんが好きです。結構はまっていて、エッセイとかも読んでいます。

――悪役からコミカルな役まで、幅広い演技でファンを魅了していますが、好きな役柄はあるのですか?

遠藤: 僕は家族一緒に見られるようなホームドラマが好きなんです。世代によって嗜好(しこう)が全然違うかもしれませんが、誰が見ても楽しめるような作品に一本でも多く関わりたいって思っているんです。

――その意味では、遠藤さんは最近、若い世代からも支持されている印象があります。

遠藤: 昔、戦隊ものに出ていたときは、近所の子どもたちがよく声をかけてきてくれて嬉しかったですね。今は小中学生の子たちも、気づいてくれることが多い気はします。少し変わってきたのかなと思うことはありますね。

――出演作が続いていますが、気持ちの切り替えは?

遠藤: 夜、音楽を聴きながら一杯やるのが気分転換ですかね。音楽って芝居のアイデアになることもあるんです。ジャンルはばらばらですが、インストゥルメンタルとか良く聴きます。

■想像を超える面白さに遭遇したくて俳優を続けている

――本作には「自分の居場所」というテーマも内在していますが、どんなときに遠藤さんは俳優業が自分の居場所だと感じますか?

遠藤: 一番きつい作業は台本を覚えたりする準備なんです。その上で、どんなシーンになるのか想像するのですが、大体が反省することが多いんです。でもたまに想像したものとは違う面白さにグッと展開すると、喜びや充実感を感じますね。そういう場面に出会いたくて俳優を続けている部分もあります。

――具体的に印象に残っている作品はありますか?

遠藤: 三池崇史監督の『天国から来た男たち』という作品は、ずっと出演を熱望していてやっと参加できたのですが、その作品で自分を解放できたんです。羞恥心を外してくれたきっかけとなった作品ですね。

――長く俳優業をなさっていますが、続けるモチベーションはなんなのでしょうか?

遠藤: 僕の場合、他にやれるものがなかった。それが一番かな。年がら年中、しんどいとは思っていますが、しんどくても他にできることがないから、やっているという感じです。

■表現は無限! だから、やりがいがある

――年がら年中しんどいとおっしゃっていますが、年を重ねるごとにしんどさは増していくものなのでしょうか?

遠藤: 増していきますね。いろいろな作品をやっているので武器もいっぱい使ってしまっているんです。そんななかで、いかに新鮮さを保ちながら、いままでやったことがない内面のなにかを探り当てていく作業は、どんどん大変になる。俳優というのは人間の心を表現することだと思っているのですが、その表現は無限だと信じています。でも、相当なエネルギーを使って見つけにいかないと出てこないから、探り当てていく作業はやっぱりしんどいです(笑)。でもそのぶん、やりがいはありますけれどね。

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遠藤憲一 出演、ロマンチックコメディー映画『ミックス。』(10月21日公開)


――そんな遠藤さんの座右の銘を教えてください。

遠藤: 「逃げない」ですね。逃げたくなることはたくさんあるけれど、僕は若いころ逃げ癖がついたことがあったので、とにかくいまはやり出したら逃げない。俳優の道を逃げずにやり続けていきたいです。


テレビドラマ「リーガルハイ」の脚本家・古沢良太と石川淳一監督が再び組んだ、ロマンチックコメディー。かつて天才卓球少女と呼ばれたアラサー女性が、亡き母の残した卓球クラブの再建と、失恋相手とその恋人のペアの打倒を目標に、男女の混合ダブルスで試合に挑む姿を映す。失恋をきっかけに帰郷するヒロインに新垣結衣、彼女とペアを組む元プロボクサーに瑛太がふんする。そのほか広末涼子、遠藤憲一、蒼井優、真木よう子ら豪華キャストが集結。映画『ミックス。』は、2017年10月21日(土)全国東宝系にて公開。

(取材・文・写真:磯部正和)
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遠藤憲一(えんどう・けんいち)
1961年6月28日生まれ、東京都出身。1983年、NHKドラマ「壬生の恋歌」で俳優デビュー。その後も数々のテレビドラマや映画、Vシネマでさまざまな役柄を演じると、2009年放送の連続ドラマ「湯けむりスナイパー」では、連続ドラマ初主演を果たす。ドラマ、映画、舞台と幅広い分野で名バイプレイヤーとして活躍。座右の銘は「逃げない」。

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