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TBS火曜よる10時枠は2014年春にスタートして3年あまり。今回の『監獄のお姫さま』は15作目となるが初回視聴率は9.6%だった。

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TBS火曜ドラマの視聴率比と満足度


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これまでのTBS火曜よる10時枠を振り返ってみると、最初の2年ほど初回視聴率が二桁にのることがなく苦戦していた。16年に徐々に数字が上がり始め、今年夏の『カンナさーん!』では12.0%に達した。前提には『重版出来!』『逃げ恥』『カルテット』など、データニュース社「テレビウォッチャー」が調べる満足度が初回から3.9を超える話題作が増え始めていた。
ところが今期の『監獄のお姫さま』は、初回視聴率9.6%と二桁に届かなかった。宮藤官九郎のオリジナル書き下ろしだけあり、かなりユニークな物語となっている。NHK朝ドラ『あまちゃん』の時のように、次第に不思議な魅力をみせ、多くの人を魅了するかもしれない。はたまた脱落者続出となり、数字は低迷してしまうかもしれない。
それでもクドカンはクドカン。ホームランか三振か、とてもスリリングなドラマが始まったことだけは間違いない。

■物語の前提

まず豪華な女優陣の夢の競演に目が行く。
小泉今日子×満島ひかり×菅野美穂×夏帆×坂井真紀×森下愛子と来た。この6人による"おばさん犯罪エンターテインメント"である。そんなドラマ、今まで聞いたことがない。
彼女たちの復讐のターゲットは、「爆笑ヨーグルト姫事件」の真犯人・伊勢谷友介。

6人のうち5人は、罪を犯した犯罪者。殺人未遂の馬場カヨ(通称はババカヨ・小泉今日子)・所得隠し&脱税の勝田千夏(財テク・菅野美穂)・横領と詐欺の大門洋子(女優・坂井真紀)・違法薬物不法所持の足立明美(姉御・森下愛子)・薬物中毒の小島悠里(しゃぶ厨・猫背椿)。5人に共感した女刑務官は若井ふたば(先生・満島ひかり)。本来は相いれないはずの両者が刑務所で心を通わせ、共同作業が始まった。全ては冤罪(えんざい)で服役した江戸川しのぶ(姫・夏帆)のためである。
さすがにクドカンのオリジナル台本だ。あり得ないにもほどがあるハチャメチャな設定だ。

■第1話のあらすじ

初回はいきなり「サンデージャポン」の収録風景。
ドラマを見ようとチャンネルを合わせたのに、「おっ、間違えた!」と思わず番組欄をチェックしてしまう卑怯(ひきょう)な入り方だ。
しかも収録風景から、生出演していたEDOミルク社長・板橋五郎(伊勢谷友介)の記憶のフラッシュバック、そしてクリスマスの日と展開するが、なぜかこれが2度繰り返される。わざと見ている者を混乱させるような演出だ。その後も奇妙なシーンが続く。視聴者は脳をフル回転させないとついていけないが、初回視聴率9.6%と同枠初回が3クールぶりに一桁に落ちてしまったのは、この辺りで混乱してしまった視聴者が逃げてしまったからではないかと思わせるような"あり得ない"展開だ

いずれにしても、収録中に AD が出したカンペに"息子が誘拐された"と書いてあったのが事の始まりだ。スタジオに入り込んだ 馬場カヨ(小泉今日子)がすり替えたものだった。
その後、朝から吾郎とその家族の動向を見張っていたカヨは、他の仲間と連絡を取り合って郊外のアウトレットへ向かい、かねてから計画していた吾郎の息子の誘拐を決行しようとする。
ところが実行犯の洋子(坂井真紀)が違う子を連れてきてしまい大混乱。皆で計画を立てた復讐ノートを見て、どうにか立て直そうとするカヨたち。どうすればいいかわからず 若井ふたば(満島ひかり)に泣き付くが......。
クドカンの台本らしい笑いと涙ありのドタバタ劇が展開される。

■ドラマの見どころ

クドカンが「3年前からあたためていた」というこの作品は、「リベンジ計画はまさかのハプニングばかり!?過酷な状況でも逞しく生きる女たちの生き様を通して、絆・友情・生きる意味を描く...」とホームページで謳(うた)われている。
笑いあり、ほっこり心が温まるシーンあり、ミステリーあり、と視聴者を大いに楽しませながら、やがてボディブローのように、生きることに不器用な人間たちの切なさや悲しさがにじみ出るようになっている。
NHK朝ドラ『あまちゃん』の時もそうだったが、オーソドックスなドラマしか見て来なかった人々は、途中で脱落する可能性がある。ところが尖(と)がった部分、あり得ない部分を面白がれると、そこから登場人物や物語の重層性が次第に見え始め、やがてさまざまな新発見をするようになる。
その楽しさにハマる視聴者が続出し、ドラマが展開するに従って視聴率が上昇して行くことがある。『あまちゃん』の時で言えば、60~70代の女性は一定程度脱落したが、30~50代で新たに朝ドラを見始めた人が増加し、結果として19%台で始まったが後半は23%台を超えるようになっていた。

はたして今回は、どんなパターンになるだろうか。
初回は明らかに結論の半分近くを見せている。恐らく2話以降で復讐を決行するに至る経緯を魅せつつ、復讐劇を少しずつ前に進め、最終回で本当の決着を見せるのであろう。
はっきり言って、複雑怪奇な展開をする可能性もあり、脱落者続出の心配もある。それでもあえて、こうした難度の高い展開に挑む辺りがクドカンのクドカンたるゆえんである。どう宮藤節がさく裂して行くのか、楽しみにしたい。

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文責:次世代メディア研究所

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