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ヒップホップユニット・電波少女(でんぱがーる)が、メジャーデビューアルバム『HEALTH』を9月27日にリリースし、絶賛発売中。2009年に結成され、まずインターネット動画サイトで話題となり、各音楽チャートの上位を賑(にぎ)わすようになっていた。ストリートシーンからもラップスキルや反骨精神を鋭く表現したリリック(歌詞)が評判を呼んでいる彼ら。ヒップホップ人気が国内でますます拡大していく中、彼らが熱い支持を集めているのはなぜなのか?

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電波少女(でんぱがーる)、メジャーデビューアルバム『HEALTH』絶賛発売中


【ミュージックビデオ】「ME」>>


■過酷な47都道府県ヒッチハイク経由のメジャーデビュー

電波少女は昨年、メジャーデビューをかけた47都道府県を回るヒッチハイクの旅に出た。道中ではストリートライブが行われ、バンジージャンプや滝修行などのミッションもクリア。無事に目標を果たせたが、その経験は楽曲にどんな影響があったのだろうか?

ハシシ(MC/リーダー、曲作り担当): 「旅の途中がつらすぎて、いざゴールしたときもメジャーデビューを喜ぶ感情がわき起こるのに時間がかかるほど、悲惨な精神状態でした(笑)。そのリアルな気持ちを吐き出した曲が『FOOTPRINTZ』です」

【ミュージックビデオ】「FOOTPRINTZ」>>


nicecream(ボタンを押す係兼パフォーマー): 「歌詞にもあるように、ヒッチハイク企画はものすごい苦痛もありましたが、協力してくれた方たちに感謝の気持ちでいっぱいです」

ハシシ: 「旅の途中でのストリートライブは、僕たちのことを知らない人たちを"いかに魅了するか"をすごく考えました。まずはnice(cream)のダンスで『なんかやってるぞ!』と目を引くと、お客さんが寄って来てくれることが多かったです。その後、いかに自分の歌やラップを聞いてもらえるかが課題でした」

【スペシャル映像】電波少女的ヒッチハイクの旅 総集編>>


「ヒッチハイク前から『HEALTH』に収録する楽曲の制作を始めてはいたんですが、いざメジャーデビューが決定しても、曲作りに関しての過剰な気負いは、ありませんでした。メジャーを意識してちょっとなだらかにした部分もありつつ、僕が尖(とが)らせたいと思ったところはそのままです。『今までの曲よりもクオリティー高く、おもしろい作品を作ってやろう!』という一心でしたね。
僕は普段からリリックを書き溜めてはいるんですけど、それらの言葉はあまり曲に使いません。『HEALTH』収録の曲も、ほとんどがここ1年くらいに感じたことを書いたリリックばかりです。特にアルバム収録曲の『未来は誰かの手の中』は、締め切り3日前に白目を向きながら完成させました(笑)」

nicecream: 「僕はこの曲にドキっとさせられたんです。僕たちの個人的でリアルな裏側がテーマになっているけれど、リスナーに呼びかけるような作品に仕上がっていたので驚きました」

ハシシ: 「制作に時間がかかったのは、先行配信した『NO NAME.』と『ME』ですね。"リード曲を作る"というスタート地点だったので、今の高校生を驚かせられるのか、リリックを読んだ大人がおもしろがってくれるのかを考えながら作りました。僕らの音楽を聞いてほしいリスナー層は、特に限定していないんです」

nicecream: 「『NO NAME.』のMVは、今すごく注目されている若手俳優・笠松将くんが主演してくれて、電波少女のちょっとダークな雰囲気を表現してもらえましたね」

■"良いラップ"とはどんなもの?

インディーズ時代にリリースした楽曲「INVADER」で、どこにも属さない自分たちの立ち位置を歌にしているが、今も大勢の中で生きることで感じる鬱屈(うっくつ)とした思いは消えないままのようだ。

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電波少女(でんぱがーる)、メジャーデビューアルバム『HEALTH』絶賛発売中


ハシシ: 「僕らはいろんなジャンルの音楽の影響を受けていますが、やっぱり基本はヒップホップです。ただ、聞いてくれた人がギターロックやエレクトロな部分を聞き取ったなら、聞き手が決めたジャンルに当てはめてもらってもかまいません。僕は『音楽業界に貢献しよう』とか、『ヒップホップシーンを盛り上げよう』とか大それたことは正直思っていないです。結局は長く聴かれる音楽を作りたいと思っています」

「最新アルバムはサウンドのみでも楽しんでほしいですし、その上でリリックを読んでどんな意味が込められているのか、じっくり考えてもらえたらうれしいです」

「僕は曲作りの前に細かいところまで決め込んで完成させるので、フィーチャリングアーティストにも注文を多く出しています。でも、『クビナワ feat.ぼくのりりっくのぼうよみ&ササノマリイ』では、ぼくりりの事をリスペクトはしてるんですが普段から考え方が一致することがあまりないので(笑)、タイトルは『クビナワ』にしてキーワードを"死"にするということだけ決めました。そこからお互いに"それっぽい"リリックをまるで抽象画を描くような感覚で書いたんです。最初に決め込まなかったことで、逆にうまくまとまったのかなと思います」

【ミュージックビデオ】「A BONE feat. Jinmenusagi & NIHA-C」>>


■考えをひっくり返された、セカオワとのイベント出演

電波少女は、テレビ朝日系「フリースタイルダンジョン」で活躍するラッパーが多数出演するイベントや、SEKAI NO OWARIのイベントに呼ばれるなど、幅広くラブコールを受けている。他のアーティストとの共演からは、どんな影響を受けたのか?

ハシシ: 「セカオワさんをはじめ、ここ1年くらいは電波少女にとって体験したことがない程の大きな会場で、雲の上の人だと思っていたアーティストの方たちからイベントに呼んでいただけました。今までいろんなライブを見てきて、メッセージ性が強い武骨なアーティストこそ、お客さんの心を動かせると思っていたんですけど、セカオワさんのショーを見てそんな考え方をひっくり返されました。当然そういう部分も持ち合わせているんですが、お客さんを楽しませるファンタジーを作り出すのってすごいエンターテインメントだなと」

nicecream: 「僕も他のアーティストさんと共演することで、いかにショーの完成度を高めるかに目を向けられるようになりました。ライブを重ねながら、ブレイクダンスの新しい技もどんどん見せていきたいです」

ハシシ: 「自分たちのライブをやるときも、お客さん全体を包み込むような雰囲気を作りたいと考えるようになりました。家で耳だけを使って曲を聴くのとは違い、ライブ会場では目で見る楽しさもありますし、現場の振動が共鳴して熱気が満ちてきたりして、いろんな要素があります。ライブではバックダンサーを入れたりしながら、もっと体感する楽しさも作り出していきたいです」

電波少女メジャーデビューアルバム「HEALTH」絶賛発売中。

初回限定盤(CD+DVD)
※CD収録曲
01. INTRO
02. ME
03. FOOTPRINTZ
04. 21世紀難民 feat. れをる (from REOL)
05. 先天性ハートブレイク
06. 花火 feat. NIHA-C
07. MONE\CLIP feat. Jinmenusagi
08. SKIT1
09. 未来は誰かの手の中
10. クビナワ feat. ぼくのりりっくのぼうよみ&ササノマリイ
11. SKIT2
12. NO NAME.
13. A BONE feat. Jinmenusagi & NIHA-C
14. OUTRO

※DVD収録曲
電波少女 ワンマンライブ"EST."at Shibuya WWW X(2017.06.18)

01. INTRO
02. FOOTPRINTZ
03. オルタネートエラー feat. トップハムハット狂
04. Mis(ter)Understand
05. Earphone feat. Jinmenusagi
06. RY feat. Jinmenusagi
07. オーバードーズ feat. NIHA-C
08. MO feat. NIHA-C
09. ME
10. 笑えるように
11. COMPLEX feat. Jinmenusagi, NIHA-C

※MV&Short Movie
12. ME MV
13. FOOTPRINTZ MV
14. NO NAME. -Short Movie-『デイドリーマーA』

通常盤(CD) 

◆電波少女(でんぱがーる)プロフィール
2009年に数名の個性派MC・TMで電波少女が結成され、幾度かのメンバー加入、脱退を経て現在のMC担当ハシシとパフォーマンス&ボタンを押す係担当のnicecreamの2名で活動。2010年にフリーダウンロードで公開した音源集「廃盤」をリリースし、2000DL以上を記録した。2013年には1stアルバム『BIOS』をリリース。(※現在は廃盤)2015年に2ndアルバム『WHO』をリリース。2016年には『電波少女的ヒッチハイクの旅』と題し、全国をヒッチハイクで移動し47都道府県全県にてストリートライブを敢行した。各動画サイトにアップロードされたMVなどの映像は累計で200万再生を突破しており、今、最も注目と期待を集めているHIPHOPCREWである。

<座右の銘>ハシシ「どうやらまだまだこれかららしい」nicecream「低速は仕方ないが、継続は力なり」

(取材・文/岩木理恵@HEW
(写真:トレンドニュース)

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
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作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

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