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「初めて好きになった人は、好きになっちゃいけない人。」―― これまで数々の恋愛映画でみずみずしい女優の姿をスクリーンに映し出してきた三木孝浩監督の最新作『先生!、、、好きになってもいいですか?』(10月28日公開)。本作でヒロイン・響を演じたのが女優・広瀬すずだ。意外にも本格的な恋愛映画は初めてという広瀬を三木監督はどのように演出したのだろうか――二人に話を聞いた。

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『先生!、、、好きになってもいいですか?』(10月28日公開)


【特集】映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』(GYAO!)>>

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■広瀬すずは映画的な芝居をする

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――三木監督は広瀬さんとお仕事をご一緒するのは初めてですね。

三木: 最初にすずちゃんと会ったのは、彼女が14歳ぐらいのとき、ある作品のオーディションに参加していたんです。そのときからキラキラしていたのですが、キャラクターのイメージと違ったためご一緒できなかったんです。その間にどんどん人気者になっていって、なかなか機会がなかったのですが、今回ようやくご一緒することができました。

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生田斗真×広瀬すず『先生!、、、好きになってもいいですか?』(10月28日公開)


――劇中、広瀬さんの透明感がすごかったのですが、どんな演出を心掛けたのでしょうか?

三木: これまですずちゃんが演じてきたキャラクターは心が強い女の子が多かったのですが、今回の響というキャラクターは、いたって普通の女の子。そんな子が人を好きになったことで、いつもよりつい一歩前に出てしまう。その繊細な揺らぎや表情をアップで撮りたいと思っていました。すずちゃんはとても映画的なお芝居をする女優さんという印象を持ちました。

――広瀬さんは本格的な恋愛映画は初めてとのことですが、先生を好きになってしまうという役柄を演じるうえで意識したことはありますか?

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『先生!、、、好きになってもいいですか?』(10月28日公開)


広瀬: これまでの作品だと、言葉で気持ちと体を一体化させて表現することが多かったのですが、この作品では行動や顔に"自然に出ちゃっている"という感覚がありました。"出す"のではなく"出てしまう"というのは、すてきですよね。自分で自分をわかっていない感覚を楽しめました。完成した作品を見て、寄りの絵がすごく多かったのですが、一つまばたきするタイミングでも心情って変わってくるので、その意味ではとても意識をしました。

三木: 編集をしていて、響の表情で心の声が聞こえてくることが多かったです。最初はもっとモノローグが入っていたのですが、なくても伝わる部分が多かったので、どんどん削られていったんです。表情だけで伝わるお芝居が多かったので、とても良いなと思いました。

■"初めての恋は――先生" 新しい純愛映画

――広瀬さん自身、先生に憧れたりした経験はあったのでしょうか?

広瀬: ないですね。中学校のバスケ部の顧問の先生が若くて格好良かったので、ファンクラブみたいなものもあったんです。でも試合のことを熱く話す先生だったので、私は"顧問の先生"という見方しかしていなかったです。

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『先生!、、、好きになってもいいですか?』(10月28日公開)


――表情のお芝居で伝えられるという手応えはありましたか?

広瀬: 現場で生田(斗真)さんがずっと格好良かったので(笑)、常に(生田が演じた)伊藤先生を自分のなかに感じることができました。本格的なラブストーリーは初めてだったのですが、会ったときから"共演者"というよりは"これから好きになる人なんだ"という感覚で入っていけたんです。生田さんは本当に現場では優しくて気さくな方だったので、響がまっすぐになる理由もわかるし、生田さんの表情や温度で受けとれるものもたくさんあり、フラットな状態で臨めたことは自信につながりました。

――辛い恋愛も描かれました。

広瀬: 後半は一人のシーンも多く、しかも伊藤先生から結構傷つく言葉もたくさん言われてしまうんです。すごく好きで格好いいって思っていたのに「なんでこんなに私は傷ついているんだろう」という気持ちになると悲しかったです。

■声のトーンや表情のアプローチ、三木監督のこだわりはすごい!

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『先生!、、、好きになってもいいですか?』(10月28日公開)



――非常に女優さんをみずみずしく撮る三木監督ですが、初めての三木組はいかがでしたか?

広瀬: 過去の作品では、自分たちで何回もお芝居をして、気持ちが通じ合ってから本番に入ったり、台本を持たずに撮影に臨んだりしたことがあったのですが、この現場では、三木監督が一番響の気持ちになってくださっている気がしました。すごく細かくアドバイスや演出をしてくださったので、分かりやすかったし、これまで経験したことのないような現場でした。

三木: 女優さんに対してアプローチが細かいのはいつも反省するのですが、それは僕が撮るヒロインは、これまで他では見せたことがないような表情をしてもらいたいというのがあるんです。なので、わりと女優さんに任せた普段やっているような芝居だと、差別化が図れないかなと思ってしまうんです。特に声のトーンとかはかなり細かいです。

広瀬: 確かに声は「もう少し高く」とか「もう少しハスキーに」という演出がありました。三木さんワールドにどっぷりはまれる現場でした。

――そんな三木監督が一番だと思う広瀬さんのシーンはどこでしょうか?

三木: 僕が好きなのは美術室のシーンですね。ある告白を裏で聞いてしまったときの目の動きとか、すごく親近感ある表情で大好きです。あとは海で伊藤先生と車に乗っているシーン。あそこで伊藤先生を見つめて物言いたげな表情はすごく良かったです。

■人を想う気持ちだけでまっすぐに生きること

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『先生!、、、好きになってもいいですか?』(10月28日公開)


――この映画でどんなことを伝えたいでしょうか?

三木: これまで自分の主観が第一だった女の子が、初めて人を好きになって他者の視点に立つことを覚え、人として成長していくというラブストーリーが好きなのですが、この映画では、そういった部分をとてもシンプルに描いています。こうした気持ちって誰にでもあると思うので、青春時代の楽しいことも、傷ついたことも、いろいろ思い出していただければと思います。

広瀬: (竜星涼演じる)浩介が「大人やりすぎてわからなくなっちゃったんじゃないの」というセリフがあるのですが、高校を卒業したばかりの私でも、どこか客観的になって、自分の気持ちだけで突っ走ることを忘れてしまっているのかなと感じることがあります。でも人を想う気持ちだけでまっすぐに生きることのすてきさってあると思うんです。そういったことを感じてもらえたらうれしいです。


初めてのときめき、初めての胸の苦しさ、そして初めてのキス。人生でたった一度しかない初恋は、先生への片思いから始まった......。
純文学の香りさえ感じさせられる、先生と生徒の切ない純愛を描いた原作は、累計発行部数570万部を突破した河原和音による少女コミック。大人の男性の色香を放つ生田斗馬がぶっきらぼうな伊藤先生に、まぶしい笑顔の広瀬すずが少し内気な女子高生・響を演じる。2017年10月28日公開。

(取材・文・写真:磯部正和)
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三木孝浩(みき・たかひろ)
1974年8月29日、徳島県出身。ORANGE RANGE、いきものがかり、FUNKY MONKEY BABYSなど多数のアーティストのミュージックビデオやCMなどを演出する。2010年には宮崎あおい、高良健吾出演の『ソラニン』で長編映画監督デビューし高い評価を得る。その後も、『僕等がいた 前篇/後篇』(12年)、『陽だまりの彼女』(13年)、『ホットロード』(14年)、『アオハライド』(14年)、『くちびるに歌を』(15年)など数々のヒット作を世に送り出している。待機作に小玉ユキのコミックを実写映画化した『坂道のアポロン』(18年)がある。座右の銘は「神は細部に宿る」。

広瀬すず(ひろせ・すず)
1998年6月19日生まれ、静岡県出身。2012年に雑誌「Seventeen」の専属モデルとなり、13年、ドラマ「幽かな彼女」で女優デビュー。15年、「学校のカイダン」でドラマ初主演を飾ると、映画『海街diary』(15)で日本アカデミー賞新人俳優賞など、数々の映画賞を受賞。『ちはやふる-上の句・下の句-』(16)で映画単独初主演を果たした。その後も『四月は君の嘘』(16年)、『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(17年)で主演を務めるなど、最も期待される若手女優の一人だ。座右の銘は「志を持って日々新た」

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

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