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武井咲×ディーン・フジオカ主演『今からあなたを脅迫します』。初回が放送された。
視聴率は8.0%。データニュース社「テレビウォッチャー」が測定する満足度も3.33。量的にも質的にも評価も今一つだった。ただし満足度評価は、性年代で大きく割れた。"毀誉褒貶(きよほうへん)の激しい番組は名作"というとらえ方が放送業界にはある。その意味で、当ドラマも大きな可能性を持っていると言えよう。

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島崎遥香, ディーン・フジオカ, 武井咲, Oct 08, 2017 : 15日スタートの連続ドラマ「今からあなたを脅迫します」のトークイベントに出席(写真:MANTAN/アフロ)


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■番組の設定

まず主演の2人には求心力がある。
『黒革の手帖』で原口元子役を史上最年少で見事に演じ、女優としての新たな一面を切り開いた武井咲。直後にEXILE TAKAHIROと電撃結婚・妊娠を発表したことで、今回の出演にも注目が集まっている。
『アスコーマーチ』(2011年春)で17歳ながら連続ドラマの初主演を務め、以後10作以上の連ドラ主演をやってきた存在感は大きい。凛(りん)とした清楚(せいそ)さゆえの活躍と言える。

一方ディーン・フジオカは、NHK朝ドラ『あさが来た』で、「五代様ロス」なる言葉が生まれるほどブレークした。その後、ドラマやバラエティで引っ引っ張りだこになり、「今、最も勢いのある芸能人」と言われるほど注目されている。

加えてインパクトのあるタイトル。そして"悪"で人を救う『灰色のヒーロー』脅迫屋と、善人すぎる"究極のお人よし女子"というキャラ。ドラマの設定としては申し分ない。

■初回ストーリー

ある日、倉庫で一人の男が縛られ脅迫される。
その脅迫DVDと電話番号が、葛城菜緒子宛となって女子大生・金坂澪(武井咲)のアパートに届く。映像の中で「これからあなたを脅迫します」と言って、"脅迫屋"と名乗る男が要求したのは「振り込め詐欺でだまし取った金を返さないと恋人を殺す!」というもの。脅迫され銃を突きつけられているのは、振り込め詐欺の共犯者で恋人とされる佐藤貴志(稲葉友)だった。
澪は宛先が間違っていると気づくが、人質に取られている"佐藤さん"を助けるために、犯人に示された番号へ電話をかける。
電話を受けた「脅迫屋」千川完二(ディーン・フジオカ)は、葛城菜緒子と思っていた女が"金坂澪"と名乗り大混乱。実は葛城菜緒子は、澪のアパートの前の住人だったのである。
千川は澪に「今回のことは忘れてくれ」というが、澪が「要求された金額を払う」と言い出し、驚いた千川は電話を切ってしまった。

次の日、澪の前に千川が現れ、「これ以上自分に関わらないように」と脅迫する。
帰宅した澪に郵便書留が届いた。老紳士(近藤正臣)からの現金300万円が入っていた。嫌そうに現金をスーツケースにしまう澪。だが中には、すでに大金が隠されていた。いっぽう千川は、振り込め詐欺被害にあった老夫婦の依頼で、600万円を取り返すために四苦八苦していた。仲間で盗み担当の目黒(三宅弘城)と、ハッキング担当のギャル・栃乙女(島崎遥香)とともに、千川は無事依頼人の要望に応えることができるのか。実際には、脅迫を武器に問題解決を図る千川と、お人よしで金持ち女子大生・澪の出会いにより、事件は意外な方向に転がって行ってしまう......。

■割れた評価

初回の満足度は、F1(女20~34歳)とM3(男50歳以上)が極端に高く、中高年女性と若い男性と正反対の受け止めとなった。

「咲、可愛い」女31歳(満足度5・絶対見る)
「ぱるる(栃乙女役)がかわいかった」女34歳(満足度5・絶対見る)
「ストーリーがおもしろかった」男66歳(満足度5・絶対見る)
「期待していなかったが、めちゃ面白かった」男51歳(満足度5・絶対見る)

若い女性は出演者がかわいいとかカッコ良いと言った見た目で評価していた。そして中高年男性は設定や話の展開を面白がっていたようだ。

「美男美女のコンビだが、内容は面白くない」男24歳(満足度2・たぶん見ない)
「脅迫というタイトルでシリアスを期待したが、全く期待外れだった」男39歳(満足度1・絶対見ない)
「ディーン様を見ようとしたけど、詰まらなかったのでもう見ません」女72歳(満足度2・たぶん見ない)
「思ってたのとちがったけど次も見るかな?」女38歳(満足度2・見るかも知れない)
「つかみどころがなく微妙な感じだった」女47歳(満足度1・たぶん見ない)

「善悪・好悪はあざなえる縄の如し」。
同じようなドラマの内容に対して、賛否が大きく別れた。登場人物が正反対のキャラクターで、言動や物語の展開が常識を度返ししている。このために面白がる人と拒絶する人とに、反応が両極端に分かれたようだ。
見る側の生理は繰り返し見ることで慣らされて行くが、慣れないものには拒否反応が出やすい。その意味では、このドラマが全く新しい世界を攻めていると言えそうだ。

■作品の可能性

原作は期待の新星・藤石波矢の小説『今からあなたを脅迫します』。まだ20代の前途有望な若者だ。
脚本は渡部亮平と関えりかの30~40代コンビ。渡部は『時をかける少女』『黒い十人の女』と、従来のドラマと異なる世界を攻めていた。関も『キャリア~掟破りの警察署長~』『ハロー張りネズミ』と一風変わったドラマを手掛けてきた。

こうした若い制作陣が新しいドラマに挑戦しているため、見る側の感じ方も両極端に分かれたようだ。つまり今後の伸びしろの大きい、新たなタイプのドラマを創り出す可能性があると言えよう。

作品の完成度を上げる努力とともに、テレビドラマの可能性を広げるため、いろいろな意味で新しい挑戦が随所にみられる同ドラマ。今後の展開に期待したい。

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文責・次世代メディア研究所

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