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橋本ルルは、動くドールとでも呼ぶべき"ドール着ぐるみ"初のファッションモデルとして昨年7月にデビューし、いまや国外からも注目される存在へと成長した。熱い支持の裏には、少女たちの「かわいくなりたい」という願いがあるらしい。

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 ドール着ぐるみ初のファッションモデル・橋本ルル)


【映像あり】世界に一人?ドールファッションモデルとは>>


■コンプレックスを抱く女子たちに勇気与える

橋本ルルの"中の人"は、ずっと自分に自信がなく、ファッションを心の底から楽しむことができなかった。そんなある日、ドール着ぐるみ(人形の質感を目指した着ぐるみのこと)に初めて出会い、「これは私の理想だ」と衝撃を受ける。それから数年後、ドール着ぐるみの制作を手掛けるユニット"ぬこパン"といったクリエイターたちと知り合い、橋本ルルを共同制作するに至った。

ドールファッションモデルへの世間の反応>>


「インタビューでよく今後の夢や目標を聞かれるんですが、私にしたらドール着ぐるみを身にまとってかわいく活動できている時点で、すべての夢が叶(かな)っているんです。ものすごく個人的な感情からスタートしたものなので、外国の媒体から取材を求められたり、『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に出演させていただいたり、これだけの反響があることに驚いています」

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(c)橋本ルル


橋本ルルのユニークなところは、"中の人"の存在を隠さないところだ。さすがにファンの前で言葉を発することはないが、人形ではなく、あくまでドール着ぐるみを着た人間であることをオープンにしている。

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(c)橋本ルル


「『不思議な人形が現れた、中の人はいません』という世界観よりも、人形になりたい人間がドール着ぐるみを頑張って着て人形になっているリアルの方がエモーショナル。なにより、その方が私らしいと感じたんです」

ファンからは「ドールになった経緯も含めて勇気をもらった」や「自分も容姿に悩みを持っていたけれど明るい気持ちになれた」といった声を受け取っているという。

■「ミスiD」出場への批判に反論

橋本ルルは、講談社が主催する女性タレントオーディション「ミスiD 2018」の選考を通過して、約4000人のエントリーのうちファイナリスト83名にまで残っている。同オーディションは、出場者の個性も重視することが特徴。一般投票の結果も鍵となっているため、多くの出場者はSNSを通じて活発に一般の人々と交流し、ときには誹謗(ひぼう)中傷を直接ぶつけられることもある。そんな性質のオーディションだからこそ、橋本ルルのように顔を隠した、完全な生身ではない出場者に対して「矢面に立っていない」との批判も寄せられた。

ドールファッションモデルとファンの交流>>


「『ミスiD』が容姿関係なく個性の光る子を選出しようとしているのは感じられます。でもこれまで毎年、賞に選ばれるのは、やっぱり......。ありのままを受け入れられるためには、結局生まれつきかわいくないとダメなんだ、ということを感じていました。」

賛否両論を巻き起こしながらも、ファイナリストにまで残ったことを橋本ルルは誇りに感じている。

「『ミスiD』が『橋本ルル、アリだね』と判断したということですから、ひとつの革命だと思っています。才能や生まれつきのかわいさもあってこそではなく、"たとえそれらには恵まれなくても、なりたい理想になれた"私だって全然アリ。そんなメッセージが発信されたことに、救いを感じる方がいてくれたらと思います」

■橋本ルルの精神はギャルと同じ

「かわいくなりたい」という夢は叶(かな)ったが、橋本ルルは現在、"メインストリームになる"というのを目標としている。その考えのもと、今年8月には日本テレビ系「今夜くらべてみました」への出演も果たした。

ドールファッションモデルならではの苦労>>


その他の出演番組>>

・ドールとアンドロイドの奇妙な共演
・ドールファッションモデルの憧れは?


「元からドールやそれに近いカルチャーに理解がある方々が集まる場にだけ出ていくという活動の選択もあったと思います。でも、それだと世界が広がらないと思うんですよ。たとえ厳しい道のりになったとしても、それまでドールなんて見たこともない人たちが偶然テレビで私を見かけて、共感できたり、勇気を持ってくれるかもしれない。その方が大切だと感じました」

橋本ルルに、自分が何か特殊な活動をしているという意識はない。

「単に、『お化粧やオシャレをしてかわいくなりたい』という感情の延長線にいるのが私だと思うんです。『かわいくなりたい。じゃあ、着ちゃえ』っていうことだから。橋本ルルの根底にある"かわいくなりたい"という感情は、元から同じ趣味の人だけでなく、どんなカルチャーが好きな人でも分かるかもしれないものじゃないでしょうか。今の反響は、私が初めてドール着ぐるみに出会ったときのように、橋本ルルを見て『これは私にとっての理想だ』と感じてくれた人が多かったということなのかもしれません」

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 ドール着ぐるみ初のファッションモデル・橋本ルル)


座右の銘は、ギャル系ファッション誌『小悪魔ageha』に書かれていた「生まれたときからかわいかったら、今のあたしはいなかった」という言葉。"自分の好きなファッション、自分の好きな自分を貫く"という点において、橋本ルルはギャルをリスペクトしているそう。

「メインストリームになる上でひとつ大きな目標だった、テレビ出演は叶(かな)いました。実は今、国も関わる大きなコンペを狙っているんです。そこで結果を残すことができたら、またひとつメインストリームに近づいたことになるでしょう。コンプレックスって、はいはいアンダーグラウンドねって流されることとか、みんなに認められない寂しさにも及んでいると思うんです。私はその全部をひっくり返したい。そして、『私は私を革命した』と、いつか言いたいです」

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 ドール着ぐるみ初のファッションモデル・橋本ルル)


◆橋本ルル
ドール着ぐるみ界初のファッションモデルとして、昨年7月に活動を開始。東京・ラフォーレ原宿にて来店イベントを行うなど、新たなファッションアイコンとして国外からも注目されている。セルフプロデュースによるファースト写真集『DOLLMODE』を公式オンラインショップにて発売中。11/4(土)「Devil's Night」(渋谷R-Lounge)に出演。
座右の銘は、「生まれたときからかわいかったら、今のあたしはいなかった」

(取材・文/原田イチボ@HEW

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