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デーモン閣下が、11月8日にオリジナル・ソロアルバム『うただま』をリリース。今年3月にアルバム『EXISTENCE』をリリースしたばかりだが、最新作は閣下のパブリックイメージを大きく変える"やさしいうた"をコンセプトにした作品だ。伝統楽器や民族楽器を使った和のアプローチも多く、ノスタルジックな雰囲気も漂う。そんな最新作に込められた閣下の思惑とは?

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デーモン閣下、オリジナル・ソロアルバム『うただま』をリリース


【ミュージックヴィデオ】デーモン閣下 「少年時代」(ショート ver.)>>


■"表のデーモン"と"裏のデーモン"

「『うただま』は、もともと『EXISTENCE』とセットで考えていたアルバムだ。『EXISTENCE』は吾輩(わがはい)の従来のイメージと変わらないハードロックやヘヴィメタルを基調としたものだったが、それ以外のジャンルで吾輩が長年やってきた音楽をアルバムにして、続けざまに出そうという企画が最初からあったんだ。"表のデーモン"と"裏のデーモン"と言えるかな。どっちが裏か表かわからないけれども、フハハハ!」

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デーモン閣下、オリジナル・ソロアルバム『うただま』をリリース


「アルバム『うただま』のコンセプトは"やさしいうた"だが、だからと言ってバラード集にしようとは思っていなかった。プロデューサーとともに楽曲を決めて、どの曲にどの楽器を当てはめていくかを決めていったんだ。NHK Eテレの番組『0655』と『2355』のために歌った曲『toi toi toi !! - うただま編 -』と『砂漠のトカゲ』も、『うただま』を作る大きなきっかけではある。"日本のリズムを作る"ことを目標にしている番組なんだが、この2曲のようなリズミカルな歌も入れようと思っていた。吾輩の歌声を全面に出して、"聴き終わった後に、やさしい気持ちになるものにしたい"というのがアルバムの大きなコンセプトだ」

「Eテレの楽曲は、これまで吾輩が世の中にバーンと主体的に発信してきた音楽とは毛色がまったく違ったんだが、吾輩自身も『意外とおもしろい!』と思ったし、同じように思ってくれた人も多かった。吾輩の声質や歌い方は、人を威嚇したり悲しい気持ちにさせたりする歌の方が合うと思っていたんだがな、フハハハ!」

■閣下が惹(ひ)かれた"はかなさとノスタルジー"とは?

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デーモン閣下、オリジナル・ソロアルバム『うただま』をリリース


「井上陽水氏の『少年時代』は非常に個性的な歌であるがゆえに、ちょっと気を緩めると、陽水氏のモノマネになってしまう。しみじみ歌いたくなる曲だが、それを我慢して意識的にドライな表情で歌ったな。『toi toi toi !!』を歌ったときに、気持ちは同じでも表情を変えて歌うと、歌は違って聞こえてくると気づいたのだ。吾輩は何十年も歌い続けてきているんだがな(笑)」

「『少年時代』のMVは、サンドアートパフォーマーの田村祐子女史に依頼した。以前吾輩のコラボレーション・ライヴで共演したことがあったんだが、絵を消しては、次々と新しい絵を描き続けていくスピードに唖然としたね。サンドアートは、同じ絵が二度と描かれない"はかないアート"であることにも、吾輩はすごく惹(ひ)かれた。吾輩の歌をしっかり聴かせたいという趣旨のMVで、吾輩が実写で激しく動き回るのはイメージにそぐわないが、映像で躍動感も表現したかったので、田村女史のサンドアートがピッタリだと思ったんだ」

「『うただま』はノスタルジックな雰囲気のアルバムであるから、MVやCDジャケットまわりのアートワークも吾輩の視点から見た懐かしい雰囲気が出るようにしたかった。絵本みたいなブックレットも付けたいと思って、吾輩が『鉄拳がおもしろいんじゃないの?』と提案した。『時間がない』と言いながら、たくさんのスケッチをすぐに描いてくれて、こちらから細かい注文を出す前に(笑)、早々とアルバムコンセプトをくみとって仕上げてくれた。題字は鉄拳に『閣下が書いてみてはどうですか?』と言われたので、吾輩が書いてみたんだが、ジャケットまわりも全くいつもと違うテイストなので、どんな反響なのか気になるところだな」

■日本の伝統芸能をエンターテインメントに昇華

「吾輩は長年に渡って純邦楽にも携わってきているから、『千秋楽』はぜひアルバムに収録したいと思っていた。『千秋楽』は、もともと1200年以上の歴史がある"雅楽"の古典曲だが、アレンジを担当してくれた稲葉明徳氏が、"古典曲に現代風のメロディーと歌詞を乗せる"というアイディアを30年ほど前に思いついていたらしい。それを10年前くらいから吾輩も一緒に作っていきたいと取りかかり始めて、『うただま』で初めて自分の歌として世の中に出すことになった。この曲があることで、和テイストを強く感じさせるアルバムになっているかな」

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デーモン閣下、オリジナル・ソロアルバム『うただま』をリリース


「最近は、和テイストの楽曲もJ-POPで増えてきているが、『うただま』に収録されている和楽器の使い方は、他のアーティストの楽曲と全然違うという自負はある。吾輩が和楽器を演奏しているわけではないんだけどね(笑)。今では漢字や浮世絵がプリントされたファッションも山のようにあるが、吾輩は数十年前から『変な服を着てる』という目で見られながら(笑)、和の要素を音楽やファッションに取り込んでいた。時代がどんどん和を取り込んでいるが、とっくに先行していた吾輩はさらに進んだものをやっている。誰か吾輩にいつか追いつけるかな?(笑)」

「吾輩は、エンターテインメントとしてハードロックを昇華させたことに関しては先駆けていたんだが、日本の伝統芸能はまだまだ現代のエンターテインメントとして、確立に至っていないと思うな。吾輩は伝統芸能の分野でも、現代にも未来にも通用するエンターテインメントを作りたいと思っている。今はまさに過渡期だと思っているから、次の世代がこぞって見に行きたいと思うような音楽にしていきたいんだ」

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デーモン閣下、オリジナル・ソロアルバム『うただま』をリリース


『うただま』
ジャケットには鉄拳氏による書下ろしイラストを使用。

<収録楽曲>
1.「やつらの足音のバラード」
 三線・太鼓・声:名嘉常安
2.「見上げてごらん夜の星を」
 ピアノ:林正樹
3.「故郷(ふるさと)」
 クロマティックアコーディオン・BGV:小春(チャラン・ポ・ランタン)
4.「toi toi toi !! - うただま編 - 」
 鍵盤ハーモニカ:松崎雄一、篳篥・笛:稲葉明徳、ヴァイオリン:岡田鉄平、ヴィオラ:成谷仁志、チェロ:武井英哉、鳴物:デーモン閣下
5.「千秋楽 - 雅楽・盤渉調古典曲をモチーフとした独自楽曲 - 」
 オルケスタ・デ・ミヤビヤーナ(鞨鼓・篳篥・謡:稲葉明徳、鉦鼓・笙:髙原ブロンディ聰子、楽太鼓・龍笛・楽琵琶・謡:上坊有平)、ピアノ・謡:松崎雄一、ほか
6.「Zutto」(新録self cover曲) 
 二胡・声:シュウミン、ルネサンスリュート・テオルボ:金子浩
7.「少年時代」 尺八(一尺四寸・一尺九寸)
 三橋貴風、筝(十七絃・二十絃):外山香
8.「砂漠のトカゲ」(「Eテレ2355」おやすみソング)
 ピアノ・ドラムス・トランペット:堀江由朗、合唱:川の字トリオ(阿部舜、木村優作、菅原達郎)
9.「君が代」
 篠笛・謡:稲葉明徳、ピアノ・謡:松崎雄一、謡:髙原ブロンディ聰子、上坊有平、ほか
10.「今も翔ぶ - From The New World - 」
 第1ヴァイオリン:岡田鉄平(スギテツ)、第2ヴァイオリン:田中大輔、ヴィオラ:成谷仁志、チェロ:武井英哉

<以下、収録音作品>
11.「Interlude - 天 - 」
12.「Interlude - 地 - 」
13.「Interlude - 人 - 」

◆デーモン閣下 プロフィール
悪魔。「表現者」「音楽・娯楽の創作と演出」などアーティスト活動のみならずバラエティー、スポーツ、報道、教育、芸術、環境、国際、CM、選挙特番など遍く媒体で「ご意見番」として活動。現在、情報番組「ひるおび!」にコメンテーターとして出演。 魔暦前17(1982)年、ロックバンドの姿を借りた悪魔集団「聖飢魔Ⅱ」の歌唱・説法方として現世に侵寇(しんこう)。魔暦前10('89)年、大教典「WORST」はオリコンALチャート第1位を記録、「NHK紅白歌合戦」に出場(ともにHM/HRでは史上初)。
和の伝統芸能との共演・共作活動は30年間。純邦楽器の可能性を追求するシリーズ「デーモン閣下の邦楽維新Collaboration」は19年目、75公演に至る。
魔暦19(2017)年は春に『EXISTENCE』を、11月8日に『うただま』と、2作をリリース。
「広島県がん検診啓発特使」「早大相撲部特別参与」(共に6期目)。
<座右の銘>「常識破りとなるも、常識外れとなるなかれ」

(取材・文/岩木理恵@HEW
(写真/トレンドニュース)

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