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 福山リョウコの人気漫画を、中条あやみ、志尊淳、小関裕太ら若手俳優たちで実写映画化した『覆面系ノイズ』(11月25日公開)。本作のメガホンをとったのが、前作『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』で若い男女の恋愛模様を瑞々(みずみず)しく切り取った三木康一郎監督だ。バラエティ番組演出やホラー映画など、さまざまなジャンルで活躍する三木監督が、自身の演出ポリシーについて語った。

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三木康一郎監督、『覆面系ノイズ』(11月25日公開)


【予告編映像】中条あやみ、志尊淳、小関裕太が出演『覆面系ノイズ』>>


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■中条あやみには、なにも与えなかった

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感情豊かな歌声の持ち主・ニノを演じる中条あやみ、『覆面系ノイズ』(11月25日公開)
(C)2017「覆面系ノイズ」製作委員会


――原作コミックの実写化ですが、作品を読んだときの感想を教えてください

三木: 読み進めていくうちにだんだん面白くなってきて、仁乃(ニノ)という女性を中心にどうやって物語を構築していこうかなと考えました。

――仁乃を演じたのは中条あやみさんでしたが、彼女にはどんな仁乃像を求めていたのでしょうか?

三木: 実は「こうしてほしい」ということは一切言ってないんです。

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正体不明の覆面バンド「in NO hurry to shout;」(イノハリ)
(C)2017「覆面系ノイズ」製作委員会


――そこにはなにか意図が?

三木: この映画は仁乃という主人公の心が揺れ動く映画だと思っています。なので、現場でもなにも言わなかったんです。ぶっちゃけて言うと、みな登場人物は思い悩んでいるんです。なんとなくおどおどしながら演じるのが正解なのかなと思ったので。こちらが答えを出して、しっかりとしたお芝居を堂々とされても面白くないんじゃないかなってね。どこの位置に立つとか撮影的なことは言いましたが、あとはなにも言わなかったです。

――中条さんは困惑されたんじゃないですか?

三木: 彼女のなかでも、最後まで正解が出なかったかもしれません。前々から中条あやみさんという女優を知っていたのですが、彼女を主軸として映画を撮るということになったとき、視聴者は、彼女の小ぎれいでうまい芝居なんて望んでいないと思ったんです。その時々でみせる、ストレートな喜怒哀楽の表情を見たいのかなって。だからこういう演出方法になりました。

■本人の個性をキャラクターに落としこむ演出方法

――志尊淳さんや、小関裕太さんをはじめ若い俳優さんが多かった現場ですが、彼らにはどういった演出をされたのでしょうか?

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志尊淳が演じるユズ、『覆面系ノイズ』(11月25日公開)
(C)2017「覆面系ノイズ」製作委員会


三木: 僕はお芝居が上手かどうかというのはあまり関係ないと思っているんです。それよりも本人がいま持っているキラキラしたものとか、個性を出していきたいと思うタイプなので、あまり「ああしろ、こうしろ」とは言わないですね。彼らに対しては、それぞれのキャラクターを見極めて、役柄にどうその個性を当てはめていくかというやり方です。

――俳優さんたちのパーソナルな部分を知るために、なにかされていることはありますか?

三木: 僕はモニターを見ていることが多いですね。演じている姿を見ていると個性に気づくことが多いです。

――演じている部分で個を見極めるのですか?

三木: 普通に会話をしていても、その人がどういう人物なのか全然わからないんです。でも本番になると、基本的にみんな本気になるじゃないですか。そのときに「なんとなくこの人はこういう個性を持っているのかな」ってわかったりするんです。そこに挑む過程とかも参考になります。

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志尊淳が演じるユズ、『覆面系ノイズ』(11月25日公開)
(C)2017「覆面系ノイズ」製作委員会


―― 一緒に飲みにいったり、事前に交流などはしないのですか?

三木: 絶対しないですね。僕自身が、あまり落ち着きのない人間なので、集中していない

としっかり物事を見極められないんです。だから事前に、俳優と密に会話をしたりということは一切しません。まあ、そういうことをした方がいいのかなという気持ちもどこかにあるんですけれどね。

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映画『覆面系ノイズ』(11月25日公開)
(C)2017「覆面系ノイズ」製作委員会


■決められたなかで起こるライブ感が面白い

――バラエティの演出からホラー映画、本作のような青春・恋愛映画など幅広いジャンルを手がけていますが、ご自身のなかにある映像作品へのこだわりは?

三木: 基本的に自分は面白い人間だと思っていないので、正解を持っていないんです。だから、最低限決められたなかで起こる、ライブ感があるアクシデント的なことをしっかり拾いたいなという思いはあります。台本という決まりごとはありますが、そこからどういう予期せぬことが起こるのか、細かい演出はしませんが「これを撮りたいぞ」ってカメラを近くに置いたり、遠くに置いたりすることはあります。

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劇中の「in NO hurry to shout;」、Sony Music Recordsよりメジャーデビューが決定
(C)2017「覆面系ノイズ」製作委員会


――今回は恋愛要素の強い青春映画でしたが、どんなことに注力したのでしょうか?

三木: 恋愛作品は中途半端に恥ずかしがったりしてしまうと見透かされちゃうので、なるべく自分が思う恥ずかしい部分を正直に描いていこうという思いはありました。なので、やると決めたら100パーセントやりきろうという思いは強かったです。

――最後に座右の銘をお聞かせください。

三木: 「手を抜かずにやりきる」。映画って監督のものという風潮がありますが、僕はそうは思っていないんです。いろいろな人が携わり、それぞれの思いが集約しているものが映画だと思うんです。だから監督が手を抜くと、うまくいかないし、誰も幸せにならないので、しっかりいろいろな人の思いを受けて手を抜かずにやりきることが大事だと思っています。

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映画『覆面系ノイズ』(11月25日公開)
(C)2017「覆面系ノイズ」製作委員会


6年ぶりの再会が、初恋をもう一度奏でる――。
映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』で大ヒットを飛ばした三木康一郎監督が繊細な演出と美しい映像で贈る最高のラブストーリー。中条あやみらが熱演する、劇中に登場する正体不明の覆面バンド「in NO hurry to shout;」(イノハリ)は、Sony Music Recordsよりメジャーデビューが決定。そして本作にはオオカミバンド・MAN WITH A MISSION
が音楽監修/プロデュースとしているのも話題。彼らが原作を読み込み、作品の世界観と、中条あやみの声域を踏まえたうえで書き下ろしたのが、物語のクライマックスをエモーショナルに彩る「Close to me」だ。映画の枠を飛び越えた、今後の展開に注目が集まる。
2017年11月25日(土)公開。

(取材・文・写真:磯部正和)
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■三木康一郎(みきこういちろう)
1970年生まれ、富山県出身。1993年よりバラエティ番組のディレクターとして活躍する一方で、2006年に「都立水商!」でドラマ監督デビュー。その後、2012年に『トリハダ-劇場版-』で映画監督デビューを果たすと、『のぞきめ』(16年)などのホラー映画から、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(16年)のような恋愛映画まで、幅広いジャンルで活躍している。

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
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