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 お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹による芥川賞受賞作を映画化した『火花』(11月23日公開)。本作で、若手お笑いコンビ「スパークス」として、リアルな芸人世界を体現している菅田将暉と川谷修士(2丁拳銃)が、劇中同様、息の合ったテンポで、互いの印象や撮影エピソードを語り合った。

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菅田将暉&川谷修士(2丁拳銃)/映画『火花』(11月23日公開)


【劇場予告編 1】『火花』菅田将暉&桐谷健太 W主演>>


【特集】映画『火花』(GYAO!)>>
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■菅田将暉は本当にバケモノ!(川谷修士)

【劇場予告編 2】『火花』菅田将暉&桐谷健太 W主演>>


――劇中のコンビ「スパークス」は、中学の同級生という設定でしたが、実際の菅田さんと川谷さんは20歳近く年齢が離れていますよね?

川谷: 驚きですよね。ホンマに20ちゃうからな。

菅田: すごいことですよね。日本の俳優で20歳も若返らせた人いないでしょう。あ、でも大河ドラマ(「おんな城主 直虎」)で阿部サダヲさんが(徳川家康の幼少期として)13歳の役やっていましたね。

川谷: それ、俺よりもっとすごいやん!

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若手コンビ「スパークス」演じる、菅田将暉&川谷修士(2丁拳銃)
(C)2017『火花』製作委員会


――お二人の会話を聞いているだけでも、劇中さながらですてきなコンビに見えますが、お互いどんなところがすごいと思っていますか?

川谷: 菅田さんがすごいんですよ。僕なんかすごいところなにもないですからね。

菅田: いやいや、すごいところありますやん。浮気したことないんでしょ?

川谷: ないけど、おまえもないやろ?

菅田: そもそも結婚してないから!

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菅田将暉&川谷修士(2丁拳銃)/映画『火花』(11月23日公開)


川谷: でもホンマに、最初から俺にピッタリ合わせてくれるんですよ。それがすごい。本当にバケモノかって思いました。

菅田: そりゃそうでしょ。僕が漫才師を知るにあたって、情報は修士さんがすべてなんですから。

川谷: でも「どうしたらいいですか」とか、なにも聞いてこないんですよ。最初に食事に行ってしゃべってから、一切質問もなかった。それこそネタ合わせに関しても、僕ら(2丁拳銃)って、もう25年もコンビやってるんで、相方とも楽屋ではしゃべらんし、「ネタ合わせするか」みたいな感じではやらないんです。自然と、相方が「どうも2丁拳銃です」って言い出すと、スッとネタ合わせが始まったりするんですね。菅田くんも、それと同じようにやるんですよ。なんも聞いてこないのにびっくりしましたよ。

――菅田さんは、川谷さんたちのそういうやり方をご存じだったのですか?

菅田: いや、なんも知らなかったです。ただ、先ほどもありましたが、僕ら同級生の役でしたが、実際は20歳近く離れているので、いざ本番で急に切り替えるのは難しいって想像できてたんです。そのとき、修士さんから「敬語やめよう」って提案していただいたのですが、やっぱり年の差を考えると、なかなかため口もきけないので、いつ始まるかわからないタイミングでネタ作りを始められると、普段も同じテンションでボケられるし、突っ込んでくれると思ったので、そういうやりかたをしたんです。

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菅田将暉&川谷修士(2丁拳銃)/映画『火花』(11月23日公開)


川谷: こうやってすごく考えているところも、やっぱりすごいんですよね。あとは、プライベートでもずっと本当にため口で。これってなかなかできない、その意味でもすごいんですよ、菅田くんは。

菅田: 修士さんが「敬語やめよう」って言ってくださるんだから、それに乗らないわけにはいきませんからね。しかも、それが絶対に作品や漫才のためになりますからね。

川谷: ホンマに、ゲームとかしながら、こっちのほう全く見ないで「このゲームやったことあんの?」とか言うんですよ。20歳上ですよ、僕。ため口でも多少はこっちみるでしょ? ホンマのコンビみたいでしたよ(笑)。

菅田: でもそれって、修士さんがそうさせてくれる"隙間"みたいなものを作ってくださる方だからできたんですよ。僕が下の方にいたら、しっかりしゃがんで目線をあわせてくれる、そんな温かさを持っているんですよね。

■ラストの漫才シーンは奇跡的! 板尾監督の心憎い演出も

――でもこうした二人の関係性が、ラストの感動的な漫才につながっていくんでしょうね。

菅田: 解散する最後の漫才は、一切打ち合わせや、事前にくち合わせもしていないんです。

川谷: ホンマに奇跡的でしたね。

菅田: 事前に板尾(創路)監督の心憎い演出もあったんです。最後の漫才の撮影の日だけ、僕と修士さんは楽屋を別々にされて修士さんだけ一人隔離されていました。ただ、僕の部屋には他の芸人さんがたくさんいてすごく楽しかったのですが(笑)。

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菅田将暉&川谷修士(2丁拳銃)/映画『火花』(11月23日公開)


川谷: あのシーンは本当にド緊張したよ。解散のシーン、本気で解散したないって思ったんです。それ以降、2人で漫才するシーンの撮影もなかったので、「これで終わりかー」って思ったら、何とも言えない気分になってね。そんななか、「スゲー」って思ったのは、最後のオチのボケにいったとき、それまでお客さんみんな泣いていたにもかかわらず、ウケよったんですよ。号泣から笑うって、すごいことなんです。

菅田: ウケましたね。そのことに泣きそうになりました。役者は、ああいう感情を吐露する映画のクライマックスシーンって、わかりやすくどこかエンターテインメントにするんです。いくら自然にしようとしても、お客さんを見たり取り繕って演じてしまうんです。そんななか、修士さん見たら、感極まってとかではなく、本気で解散して辞めるのが寂しいみたいな顔。あの顔見たとき、役者ってなんなんだろうって、これやられると勝たれへんなって思っちゃいました。

川谷: あれは(川谷演じた)山下という役ではなく、俺自身だったと思います。菅田さんと漫才をやっていたコンビの僕という気持ちでしたね。「やめんのいややな」っていう演技でもなんでもない、ただただドキュメンタリーでした。

■板尾監督は愛情深い人...「気にせず、芸人を代表する気持ちでいってこい」

――お互いの信頼は最初からあったのでしょうか?

川谷: 最初からネタに関しては信頼していました。しかもアドリブもスムーズなんです。というのも、台本通りやっているのですが、俺がよく間違えるんです。そうすると菅田くんが「おまえなにやってんねん」、「どうした山下」って入れてくれるんです。

菅田: 僕は、はじめて板尾さんの前でネタをみせるというとき、一番笑っていただいた瞬間が、僕の「山下!」っていうアドリブだったんです。その瞬間、おぼろげながら、なにかわかった気がしたんです。板尾さんからも「菅田くんの面白いと思うものでいいから」って言っていただけたので、自分を信じてやりました。

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菅田将暉&桐谷健太のW主演、映画『火花』(11月23日公開)
(C)2017『火花』製作委員会


川谷: 普段から面白いですからね。ただ立っているだけだったのに「バーン」ってケツ蹴られて「なにボッとして立ってんねん」って言うんですよ。「撮影ないから立ってんねん」ってことですけれど、普通20歳上のおっさんのケツ蹴れます?

菅田: それで言うと、僕が修士さんに漫画をあげる約束してたんで、撮影の日に持っていったんです。でも普通に渡すのは面白くないので、着ているベンチコートのフードに入れたんですよ。なのに、待てど暮らせど気づかないんですよ。ホンマにアホやなこの人って思ったんです。

川谷: 気づかなかったわけじゃないんです。気づいてたんですが「こいつふざけおったから、いじらへんぞ」って感覚なんです。そうしたら菅田くんから「いつ気づくねん」って言うんです。そのとき、フードに入った本が、僕にプレゼントしてくれる本だってわかって......「めっちゃいいやつやん」ってなったんですよ。

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菅田将暉&桐谷健太のW主演、映画『火花』(11月23日公開)
(C)2017『火花』製作委員会


――芸人である板尾さんが監督を務めたというのもお二人にとっては大きかったですか?

川谷: 俺にとって芸人として大先輩ですし、青春時代に見ていたレジェンド。そんな方から声をかけていただいて、ただただうれしかったです。

菅田: 「最初にキャスティングしたのが修士だ」って板尾さんは言っていましたよね。

川谷: もう「たまらんわ」って感じですよね。映画に出られることだけでもうれしいのですが、それを超えて板尾さんに選んでいただけたというのがメチャメチャうれしいです。

菅田: すごく愛情深い方ですよね。優しいし、最後の漫才ライブのときの距離感の作り方とかも演出の一つですが、僕に対して「気にせず、芸人を代表する気持ちでいってこい」って言うだけなんです。そして「もしアドリブを一個入れるなら、修士が泣いていたら『おまえなにわろてんねん』って言ってあげて」って言われたんです。「なにその洒落(しゃれ)た演出」って思って、その言葉だけで涙止まらなくなってしまいました。本当に言葉を使って人を笑わせたり、感動させたりすることに長けた方なんだなって日々感じていました。

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菅田将暉&川谷修士(2丁拳銃)/映画『火花』(11月23日公開)


――最後に座右の銘を聞かせてください。

川谷: ないなー。役者としてなんかあんの?

菅田: ないんですよね。一つだけ必ずやることはあるんですが、それは家に帰ったらすぐに風呂に入るってことです。いまのところ人生で唯一それだけは決めているんです。そうしないとすぐソファとかに寝て体調崩してしまうんで。

川谷: じゃあ俺もそれ。帰ったらすぐ風呂に入ること。コンビだし(笑)。

【ミュージックビデオ】菅田将暉×桐谷健太 「浅草キッド」>>


お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹が執筆し、第153回芥川(あくたがわ)賞を受賞した「火花」が、菅田将暉&桐谷健太をW主演に迎え、待望の映画化。売れずにくすぶっている若手芸人と、型破りなスタイルで己の笑いを追求する芸人が出会ったことから始まった、"胸が締め付けられるような"アホで愛おしい芸人青春ストーリー。板尾監督たっての希望により主題歌に起用されたのは、ビートたけしの名曲「浅草キッド」。それぞれアーティストとしても活動する菅田と桐谷が、エモーショナルな歌声を聞かせている。

【特集】映画『火花』(GYAO!)>>

(取材・文・写真/磯部正和)
(菅田将暉 ヘアメイク:AZUMA、スタイリスト:猪塚慶太)
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菅田 将暉(すだ・まさき)
1993年2月21日生まれ、大阪府出身。2009年「仮面ライダーW」にてフィリップを演じ俳優デビュー。その後、数々の映画・テレビドラマに出演し、2013年に公開された映画『共喰い』で圧倒的な演技を披露し、第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。以降『男子高校生の日常』(13年)、『明烏 あけがらす』(15年)、『セトウツミ』(16年)、『溺れるナイフ』(16年)、『帝一の國』(17年)などで主演を務めるなど、若手実力派俳優として引っ張りだこだ。

川谷 修士(かわたに・しゅうじ)
1974年5月17日生まれ、兵庫県出身。1993年に、相方の小堀裕之と共にコンビ「2丁拳銃」結成し人気を博す。俳優としては『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』(97年)で声の出演、『とっかえっ娘。』(02年)、『浪商のヤマモトじゃ!』(03年)、『カミカゼハナビ』(08年)などがある。

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