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コンビニ業界の競争は熾烈(しれつ)だ。
2016年、サークルK・サンクスがファミリーマートと経営統合。その結果、現在コンビニ業界は3強の様相を呈している。店舗数の第1位はセブン-イレブンで、先述の統合により業界2位に躍り出たのがファミリーマート。逆に第3位へと後退したのがローソンだ。

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Japanese actor Eguchi Yosuke,September 25, 2006.(写真: ロイター/アフロ)


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11月14日放送の『ガイアの夜明け』(テレビ東京系列:毎週火曜夜10時~)では、そんなローソンの"おにぎり"について特集した。社長の竹増貞信氏が言うには、ローソンにとって"おにぎり"が占めるポジションは「ど真ん中」で、非常に力を入れていると言う。中でも1番人気の「シーチキンマヨネーズ」は、1日約20万個も売れる大ヒット商品。また200円近い価格帯の高級おにぎりシリーズで売上ナンバー1の"おにぎり"は「焼さけハラミ」だと言う。番組ではこれら人気商品のリニューアルに密着した。

■リニューアルとは問題点を改善すること?

「焼さけハラミ」は、脂の乗った大きな鮭(さけ)の切り身が入っているのが特徴の人気"おにぎり"だ。しかし、切り身の大きさがバラバラで、「何口食べても具にたどり着かない」との声も聞かれるという。
開発責任者の堤洋平氏がタイの加工工場に訪れると、「大量に仕入れるとどうしてもサイズにバラツキが出てしまい、小さな鮭(さけ)からハラミを取ろうとすると、薄い部位しか取れない」との事情を知る。合わせて鮭(さけ)の価格高騰という状況にも見舞われ、開発に苦慮することになってしまった。
当初は、具の均一性に関する問題については、生産性を落とすことになるものの小さな部位は使わないようにすることで解決し、鮭(さけ)の価格高騰問題については、やむなく値上げをしようとした堤氏。しかし開発会議において「値段は若干上げざるを得ないが、満足度を下げてはいけない。前回並みではダメ。」と叱咤(しった)される。悩んだ堤氏は「塩こうじ」に着目し、鮭(さけ)にうまみを付加することでよりおいしい味を目指していく。

ここで注目したいのは、リニューアルでは「問題点を改善するだけでは不十分」という点だ。
お客様の声から「具の大きさがバラバラ」という問題点は明確になっていたため、その点については確かに改善が必要だろう。しかし味については特に問題となっていたわけではない。むしろヒット商品なのだから好評を得ていたように推測される。
にもかかわらず、ローソンでは変化しないことは「何の努力もしていないことになる」と言う。結果として、味に変化を加えたリニューアル商品を販売した週には、"おにぎり"全体で全店2割増の売上を達成。堤氏は「これで終わりじゃない。愚直にお客様の声をしっかり聞いて、ニーズはどこにあるのかを探し続けて変化し続ける。それが一番大事。」とまとめた。

■売上が落ちた定番商品はどうすべき?

番組の後半は、首都圏を中心に23店舗を展開している創業107年の老舗高級スーパー「紀ノ国屋」が舞台となった。
紀ノ国屋は、60年以上前から自家製パンを開発し、インストアベーカリーで販売するなどパンへのこだわりが強く、現在ではおよそ200種類ものパンを販売している。中でも「ドイツパン」が看板商品だが、年々、売り上げが落ちているという。お客様からは、「これは食べたことがない。普通の白い食パンでいいかな、冒険しなくていい」との声も出ていた。そもそも「ドイツパンを食べたことがなく、またどうやって食べていいかわからない」という客が多いようだ。
「この状況を変えたい」と考えたのは、副社長の高橋一実氏。SNS配信料理動画サービス「デリッシュキッチン」を運営する株式会社エブリーに、ドイツパンを使った新たなサンドイッチの開発を依頼する。その結果、試行錯誤を重ねて提案したオムレツサンドのレシピは大好評。ドイツパンは全店で4倍もの売上を記録するようになった。

一般的に、「変化」というと"古いものを変えて新しいものを生み出す"ようなイメージがある。それだけではなく、これまでにある商品を新しいアイデアで生かしていくことこそが、現在の小売業界における「変化」の重要なポイントなのだろう。
高橋氏は、「独自商品を失うのは紀ノ国屋の価値を落とす」と言う。「売上が下がってきたからといって、それを切り捨てることはマイナスだ」と考え、「昔からあるものを改めて、新しく提案していくことをやっていきたい」と語る。

これはなにも小売業だけに留まる話ではなく、どのビジネスにおいても同様のことが言えるのではないだろうか。中には変わらないことが価値を持つ商品もあるが、多くの商品は変化しないままでは時代に取り残されてしまう。「昔からある商品を新しく提案する」ことは簡単なようで非常に難しいことだが、ぜひ番組を通じてそのヒントを感じていただければと思う。

※高橋一実の「高」は「はしごだか」が正式表記。

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文責:一般社団法人日本味覚協会代表 水野考貴
著者ブログ:『味覚ステーション~世界一面白く食品・栄養・味覚を学べるサイト』
監修:次世代メディア研究所

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