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10月第1週にスタートしたこともあり、早くも最終回を迎えた『奥様は、取り扱い注意』。最後の最後で"綾瀬はるか×西島秀俊"の壮絶なバトルが炸裂(さくれつ)した。アクションあり、結婚生活の中での"夫婦関係の悩み"あり、"ちょいエロ"なサービスシーンありのよく練られた作品を見ていると、テレビドラマはかなりの水準に達していると再認識させられる。

サムネイル

Japanese actress Haruka Ayase displays Japanese watch giant Seiko Watch's female wrist watch collection "Lukia" in Tokyo, March 2, 2016.(写真:つのだよしお/アフロ)


綾瀬はるか vs 西島秀俊のアクションシーンがすごい>>


■最終回の概要

セレブな主婦・伊佐山菜美(綾瀬はるか)は、元秘密工作員で正義感が強く、怒らせると大暴れし、さまざまな問題を解決してきた。近所に住む主婦友達のトラブルを、次々と打開してきたのである。
ある日、小雪(西尾まり)から、菜美の夫・伊佐山勇輝(西島秀俊)が公安の人間だと知らされる。公安は工作員とは敵対関係にあり、勇輝は菜美を監視するために近づき、結婚したのだという。
家に帰ってきた勇輝と、無言のままキッチンで夕飯の準備をしていた菜美とのバトルが始まる。
菜美のキレのいい技が炸裂(さくれつ)し、勇輝もかわしながらアクロバティックなディフェンスは、最終回の一つのメインと言えるだろう。
バトルの中で、勇輝は菜美のチョップをかわした勢いで、菜美のほおを平手打ちしてしまう。思わず「ごめん」と謝る勇輝。2人の写真が入ったフォトフレームが床に落ち、割れてしまったところで、2人が冷静に戻り、それぞれの愛を再確認する。そこで、「休戦」となる。

一方、近所の主婦友達の大原優里(広末涼子)は、久しぶりに優しい啓輔(石黒賢)の態度に、心を改め、新たな生活を夢見て、横溝(玉山鉄二)と対決することを決意する。1人で横溝のテリトリーに足を踏み入れ、「言いなりにはならない」と宣言するが、「命だけは助けてやる」と言われるも暴行を受け、優里は入院してしまう。
病院にお見舞いに来た菜美は、優里が階段を踏み外したのではなく、「誰にやられたのか」と問い詰める。優里は自分が不貞行為を行っていたこと、画像や動画を横溝に撮られていたことを打ち明ける。

もう1人の友人・京子(本田翼)は、夫が浮気して家を出ていたが、同居している義母との2人暮らしに息が詰まっていた。夫に電話をし、夫婦の愛を再確認し、夫の帰りを待っていた。
だが横溝に捕まってしまい、菜美が盗んだ画像と交換に、人質に取られていたのだった。
勇輝に監視されている菜美は、「おとなしく暮らし、平凡で幸せな主婦でいることが、夫婦の幸せだ」と、横溝との対決に行くことを止められていた。
平凡で幸せな家庭を望んでいた菜美は、近所の友人の問題を解決するために戦いながら、あることに気づいてしまった。
それは、菜美にとってはどうしても譲れないものだった。

■全体の総括

脚本を書いた金城一紀といえば、『SP 警視庁警備部警護課第四係シリーズ』『BORDERシリーズ』『CRISIS』など、シリアスな作品が多かったが、今回の『奥様は、取り扱い注意』では、コメディタッチのエンターテインメント性の強いドラマとなっていた。新たな一面に、さらなる可能性を感じさせてもらった。

運動神経抜群の綾瀬はるかのキレの良い戦いっぷりで、次々と悪党の男たちを倒していくシーンは、見ていてスカッとするほど、気持ちの良いものだった。
肝心なところで悪党たちが尻をすぼめて、素直に負けを認めるところが、多少生ぬるい気もするが、エンタメドラマとしては、「これもアリか」と許容範囲だ。

それにしても、ドラマに出演する俳優陣の全体的な演技力のレベルが、上がったことを実感する。
アラフォーとなった広末涼子が、細かい目の動きで心のブレを演じるシーン。まだ25歳なのに、本田翼のフツーの人懐っこい女子の演じ方。ベテランの石黒賢や西島秀俊の堂々たる演技。これらを見ていると、役を演じながらも、そういう人物に見えてくるから不思議でしょうがない。
主役の綾瀬はるかのアクションなどでの体当たりの演技の裏には、相当の努力があったのだろうと伺える。
かつてトレンディドラマの全盛期、ドラマの視聴率がぐんぐん伸びている頃、アイドルやモデルから俳優へ転身する役者は少なくなかったが、ここまでの高い演技力は備わっていなかったように思う。
ルックスが"かわいければ良い"時代は終わった。表現者としての質を求められる中で、プロの役者同士の相乗効果が生み出した結果なのだろう。

その視点で『奥様は、取り扱い注意』を改めて見直すと、随所に俳優のクオリティの高さを発見できるはずだ。ぜひ、そんなドラマの楽しみ方もしてみてもらいたい。
幸い同ドラマは、リアルタイム視聴率で3位。録画再生などのタイムシフト視聴率は1位となっている。ゆったりできる時間に、じっくり見たいという視聴者が一番多いくらい、単なるコメディではなく、中身の濃いドラマだったはずである。
これからも同作のような質の高いドラマで、俳優たちの活躍と卓越した表現を堪能したいものである。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修:次世代メディア研究所

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