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TBS系「情熱大陸」出演に異様な情熱を傾ける男、漫画家・宮川サトシ。その強い思いを1冊のエッセイ漫画『情熱大陸への執拗な情熱』に記したのだが、執筆の動機は「好きな子にイジワルしたくなった」というものらしい。

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 『情熱大陸への執拗な情熱』で話題の漫画家・宮川サトシ)


新進の漫画家が情熱大陸出演を目指す訳>>


■情熱大陸の魅力は"短さ"にあり

「『情熱大陸』の魅力は"短さ"にあると思います。約23分間という短い時間に、1人の人間の何かに対する情熱が詰まっている。それを成立させている大きな要素が、葉加瀬太郎さんが作ったテーマソング『情熱大陸』です。インパクトがあって、一気に気持ちを掴(つか)むんです。いろいろなドキュメンタリー番組のディレクターさんに話を聞くと、一番悩むのがテーマソングらしいですよ。

ちなみにこの曲のトリビアとして、CDで聞くとラテン系の感じからあの有名な『テテッテーテーテー』って導入に入るんですけど、番組で聞くと『ピピピュピュポポポポ......』っていう電子音から入るんです。あれは葉加瀬さんがスポンサーの『アサヒビール』さんへの敬意とサービス精神で、ビールの音をイメージして納品時に足したものなんです。これは初代プロデューサーの方から直接聞いた話なんで間違いありません。

情熱大陸出演のために日々努力している事>>


話を戻しますけど、『情熱大陸』は構成もすごいですよね。普通ドキュメンタリーって"場所"から始まるんですよ。たとえばお寿司屋さんだったら、『東京・築地......』みたいなナレーションからスタートする。でも『情熱大陸』は場所とか余計なもの全部省いて、"人"から入るんですよ。例えば『若者が熱狂する男がいる......』とか、どんな人なのかをまず説明する。今回密着した人は、こういうことをやっていて、今からこういうことをして、結果こうなったんだよって、構成がすごくシンプルでガツンと入ってくるんですよ。それがスマートでカッコよくて、短い時間でもその人の魅力を伝えることができる理由だと思います」

■大好きな"土屋太鳳(つちや・たお)"回

「『自分も情熱大陸に出たい』と思ったのは、フジテレビ系ドラマ『リーガルハイ』や映画『キサラギ』などで脚本を務めた古沢良太さんの回を見たときです。脚本に行き詰まって悩むシーンがすごく良いんですよ。悩んで、悩んで、悩み抜いて舞台の脚本を書き上げるんです。自分も漫画家なんで『こんなにすごい人がこれだけ悩むんだ』ってすごく励みになりました。

出会った瞬間にこんなことを言う人に注意>>


一番好きな回は、その時の気分とかテンションによって変わるから、なかなか決められない。でも強いて言うなら、土屋太鳳さんがシンガーソングライター・シーアのMV撮影に挑む回が好きですね。ダンスをするんですけど、最初は体が柔らかすぎて逆にビシッと決まらない。それを3週間かけて少しずつ詰めていく。で、今から本番ってときに、『うわー!!』って叫ぶんですよ。それですごい迫力の舞踏を披露して、終わったときに一言『伝わるかな?』って言うんです。僕、それでもう泣いちゃって......。ああ、この人は若いのにすごいな。そこらへんの軽い恋愛物ばかりに出ているアイドル女優とは違うなって思いました(笑)。

あと、ある画家さんの回で、個展までに絵を仕上げないといけないのに間に合わなかったことがあるんです。それってすごくリアルでいいじゃないですか? 無理やりな演出もしないし、お蔵入りにもさせずにそのまま流す。情熱大陸ならではのうそがない世界というところもいいですよね。

好きとはまたちょっと違いますが、個人的に一番びっくりしたのは、幼なじみの海洋生物学者・渡辺佑基君が出演するのを知ったことです。寝っ転がりながら見ていたんですけど、彼が予告に出てきたときは、思わず『ウッ!』って起き上がりました。テレビ見ていてあんなに驚くことってそうはないんじゃないですかね(笑)。

もうすぐ放送される第1000回(インタビュー当日の時点で972回)は、ファンの間では誰が出るのか話題になっています。葉加瀬太郎さんという意見が多いですけど、僕は思いきって、『1度出たけどもう1回出たい』という有志に1000回目のゲストを務めてほしいですね。だって1回じゃ言いたいことを言い切れなかったなんて、"情熱大陸オブ情熱大陸"じゃないですか! 最終回でもいいんで、僕はそういう人が見てみたいです」

■好きすぎて歪(ゆが)んでしまった!? 『情熱大陸』への思い

「『情熱大陸』は、マニアックなことに一生懸命情熱を傾ける人たちが出てくるところが面白い。だけど、僕には安易に人気タレントをたくさん出して、視聴率狙いに走ったように見えてしまった時期がありました。本当は人気タレントの新たな一面を見せてくれたりしていたんですけど、僕が『情熱大陸』を好きすぎるせいで、うがった見方をしてしまっていたんです。

大病を乗り越えた後に霊媒師を経験した訳>>


その他の出演番組>>

・出演熱望漫画家に情熱大陸スタッフの反応は?
・情熱大陸出演で起こる現象"大陸婚"とは?
・ギャグ漫画のアニメ化で出来た驚きの役
・情熱大陸出演したすぎる漫画家が離陸した訳


そこで "好きな子にイジワルしたくなる"みたいな感覚が沸いてきて、『情熱大陸への執拗な情熱』を書き始めました。この漫画は、エッセイ漫画であると同時にギャグ漫画でもあります。『情熱大陸』という名前をタイトルに入れて笑えるような漫画を描いたら、情熱大陸の敷居がちょっと下がるじゃないですか? それが目的だったんです。

でも、漫画を描いていると『情熱大陸』のいろいろな情報が入ってくるんです。5年間密着しているのにいまだにオンエアがない人がいるとか、途中でお蔵入りしてしまったとか。そういうのを聞いていると、やっぱりすごく尊い番組だって気付くんです。『あ、この番組やっぱりすごい! 僕なんかがちょっかい出しちゃいけないやつだった!』って(笑)。それで結局どんどん番組へのリスペクトは増していきました。

正直、今はそんなに自分が『情熱大陸』に出たいとは思っていません。この漫画を出したことで、"大陸達観"してしまったんです。今、考えた言葉なんですけど(笑)。ただ、これはいったん"大陸離れ"をして、逆に引き寄せるっていう作戦でもあるんですけどね。出演するためには、追うだけじゃなくて、引くことも大切なんで(笑)」

◆宮川サトシ

漫画家。エッセイやSFなどジャンルは多岐に渡るが、共通して、身近に起こりえる人間味のあるギャグを盛り込むのが作風。著書に『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』や『情熱大陸への執拗な情熱』、『そのオムツ、俺が換えます』などがある。原作を務めるギャグ漫画『宇宙戦艦ティラミス』は、2018年にアニメ化が決定している。
座右の銘は、「情熱大陸」の中での世界的ダンサー菅原小春さんによる言葉「好きだから辞めたくなる」。

(取材・文/沢野奈津夫@HEW

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