ここから本文です

残すところ、2017年もあとわずか。1年の締めくくりといえる「NHK紅白歌合戦」の放送も迫ってきた。年々、さまざまな趣向を凝らしている紅白だが、第68回を数える今年はどういった見どころがあるのだろう? そこで、前年に引き続き番組の制作統括を務める矢島良チーフプロデューサー(以下、CP)に取材を行い、主に三つのテーマについて語ってもらった。その1では、初出場歌手が選ばれた経緯を聞く。

サムネイル

(C)NHK


【特集】「第68回NHK紅白歌合戦」(Yahoo!テレビ)>>

──今年の「紅白」に初出場する歌手・グループは全10組。中でも、デビュー30周年のエレファントカシマシ、同じく10周年のHey! Say! JUMP、またFolder時代から数えると20周年の三浦大知さんと、節目を迎えた方たちが多いという印象があります。

「まず、あらためて説明いたしますと、紅白の出場者は初か否かにかかわらず、その年の活躍と世論の支持、番組の企画・演出に合致しているかという三つの要素を満たす歌手やグループの方々の中から、総合的に判断させていただいております。特に初出場の方は注目を集めますが、お話のあったエレファントカシマシさんはちょうどデビュー30周年ということで、初めてのオールタイムベストをリリースされ、音楽チャートの上位に食い込むヒットを記録しました。また、6月にはNHKの『みんなのうた』で『風と共に』という歌を書き下ろしていただくなど、例年になく精力的に活動されていると認識しまして、今回、満を持して初出場を打診して受けていただいた次第です。(ボーカルの)宮本浩次さんもおっしゃっていましたが、地方のライブ会場にお客さんがあまりいらっしゃらないこともあった時期を経て、今年のツアーではどの会場も満員になったそうで......息の長い活動を続けてこられたからこその結実ではないかと思っております」

──なるほど。続いて、竹原ピストルさんはいかがでしょう?

「皆さんもご存じのように、『よー、そこの若いの』という曲がCMソングとして広まりましたが、この曲はもともと、2015年にリリースされているんですね。それが足かけ2年でロングヒットしている。それも10~20代というよりも、もう少し上のサラリーマンや働いている方々の心をつかむような歌として支持を集めているというのが大きかった、というところです。また、今年は『東京五輪音頭』のアレンジバージョンにも参加されたり、俳優としてもご活躍をされたりと、アクティブな1年だったことも考慮いたしました」

──続いてまいりましょう。トータス松本さんはソロとしては初出場ですね。

「すでに発表しておりますが、トータスさんは椎名林檎さんが書き下ろした『目抜き通り』という曲がすごく話題になったという認識がありまして、椎名さんとコラボレーションしていただくということで、ソロとして初出場していただくお願いをした次第です。ちょっと話が前後しますけれど、リオデジャネイロ五輪があった昨年の紅白から20年の東京五輪へ向けて、紅白の盛り上がりをどう継続させていくか大きなテーマとしてある中で、われわれが大きな取り組みと位置づけている一つに、"東京の魅力"を見つめ直して世界に発信していくことがあります。そういう意味でいうと、『目抜き通り』は東京を象徴する街の一つである銀座をテーマにした歌ですので、番組の中核を担っていただきたいと思っています」

──そういった継続性も考えていらっしゃると。では、デビュー10周年を迎えたHey! Say! JUMPについてはいかがでしょうか?

「先ほども話題に上がりましたが、デビュー10周年ということで、例年に増してご活躍がめざましかったと思っています。今年は2曲のシングル『OVER THE TOP』『Precious Girl/Are You There?』とベストアルバム『Hey! Say! JUMP 2007-2017 I/O』を発表して、ともにチャート1位を記録していますし、個々でも映画にご出演されたりテレビでご活躍されたり、本当に充実した1年を過ごされたのではないかと思っておりまして、そういったところで出場を打診した次第です」

──続きまして、その実力が今年広く認められることになった三浦大知さんについてはどうでしょう?

「三浦さんは、これまでもダンスと歌を高く評価されてきましたが、今年の頭に発表したシングル曲『EXCITE』が『仮面ライダーエグゼイド』の主題歌となり、お子さんからお母さん世代まで幅広く浸透して支持を集めたということを、われわれの方でも認識しております。大規模なライブも成功させるなど、活躍が顕著だったということでオファーをいたしました」

──白組では3ピースバンド・WANIMAの初出場も話題となりました。

「デビュー間もないとはいえ、インディーズで活動しているころからヒット曲を出している存在で、今年はメジャーデビューシングル『Gotta Go!!』がいきなりチャートで3位を記録したほか、いくつかの曲がCMソングに起用されたりと、お茶の間で話題を呼んだ存在ではないかと認識しております。また、12月20日にNHK総合で放送しました『WANIMA 18祭‐1000人のシグナル‐』という18歳の方たちと共演する番組にもご出演いただいて、若い世代の心をつかんでいることも踏まえて、紅白初出場へという流れになりました」

──以上6組が白組でしたが、丘みどりさんは演歌界の新星といえる存在ですね。

「丘さんは昨年発表した『霧の川』が『日本作曲家協会音楽祭』で奨励賞を受賞したり、『日本作詩大賞』で優秀賞に選ばれるなど、この数年で着実にステップアップされてきました。その勢いを象徴するように、今年発表された『佐渡の夕笛』が演歌歌謡ランキングの1位を獲得、若手演歌歌手の中ではひときわ注目される存在としての活躍が顕著だったということで、お願いをした次第です」

──ガールズバンドのSHISHAMOも、今年は躍進がめざましかった印象です。

「存在感としてはWANIMAに近いところがありますが、やはりアルバム『SHISHAMO 4』が音楽チャートで1位を獲得したのはもちろんですが、収録曲『明日も』が携帯電話のCMソングに起用され、バンド名もCM内でコールされたことで注目を集めたという認識をしております。また、最近の音楽チャートはCDのセールスだけではなく、YouTubeをはじめとした動画サイトでどれだけ再生回数をカウントしたかというところも見過ごせなくなってきていますが、SHISHAMOの曲は1000万回以上再生されていることから、女子中高生のユーザーからの支持の高さがうかがえます」

──同じく、TWICEも女子中高生をはじめ若い世代から圧倒的な支持を集めました。

「今年、日本で本格的なデビューを果たしましたが、いきなりアルバム『#TWICE』が30万枚を超えるセールスを記録して、10月に発表したシングル『One More Time』も、リリース時点で20万枚の売り上げを数えて音楽チャートで1位になったりと、注目を集めている存在だと思っています。先ほどのSHISHAMOも同様、動画再生回数も非常に多いですし、彼女たちがとる"TTポーズ"をまねした画像がSNSで広がるという、若い世代のトレンドを象徴しているのかな、という観点から出場をお願いしました」

──なるほど。では、最後は若いながらも卓越した歌唱力を誇る5人組、Little Glee Monsterを。

「リトグリも着実にステップアップしてきた中で、今年の1月に発表したアルバム『Joyful Monster』が音楽チャートで2位を記録したり、アリアナ・グランデの日本公演でサポートアクトを務めて話題になるなど、中高生を中心とした若い世代の支持を集めていることが実証されました。また、下半期には連続ドラマ『陸王』の劇中歌に起用された『Jupiter』で印象的な歌声を響かせているようなところからも、より幅広い層に訴求できたのではないかということも含めて、出場を打診した次第です」

──なお、初出場が10組というのは多いのでしょうか、それとも......?

「割合的に言うと、例年とそんなに変わっておりません。昨年、一昨年も10組でしたので。ただ、ことさら入れ替えをしたくて初出場枠を設けているわけではなくて、最初にも申し上げたとおり、作り手としては1年の締めくくりの紅白ですので、その年に活躍された方々、活躍がめざましかった方々に出場いただきたいという思いをもとに選考していった結果、第68回の今年も以上の10組になったというところです」

【ミュージックビデオ】紅白出場アーティストの映像を配信中>>

取材・文=平田真人

【番組情報】「第68回 NHK紅白歌合戦」 NHK総合 12月31日 午後7:15~11:45(中断ニュースあり)

Facebookコメント
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。
PR

最新記事

rss

もっと見る

本文はここまでです このページの先頭へ