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ついに最終回を迎えた、『陸王』。これで"こはぜ屋"の戦いは、本当に終わりを迎えたのか。
池井戸潤氏の原作「陸王」がドラマ化され、日曜劇場に登場し、堂々たる人気を博してきた。
最終回の24日は、まさに"陸王日和"だった。スペシャルダイジェストは、午後2時と7時から2回にわたり放送された。その『超緊急特別ドラマ企画』では、第一話から楽しんできたファンに向け、また今まで見たことない人にも面白さが伝わる、まさに"ザ・ダイジェスト"だった。その続きをすぐにオンエアで見られるような編成で、しかもドラマではオンエアされないオフレコ映像ありとなっていた。最終回に向け、盛り上がりは最高潮に達していたといえよう。

サムネイル

第74回ヴェネチア国際映画祭(写真:Splash/アフロ)


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■最終回の概要

前回でシルクレイが欲しいFelix社の御園社長(松岡修造)は、こはぜ屋の宮沢社長(役所広司)に傘下に入ることを断られていた。ところが最終回では、逆に業務提携とこはぜ屋支援を提案してきた。5年返済の3億円融資という提案だった。ただし5年以内に3億円を返済できなければ、Felixの傘下に入るという条件が課されていた。

宮沢の息子・大地(山崎賢人)(「山崎」の「大」は「立」が正式表記)やこはぜ屋顧問の飯山(寺尾聰)は、シルクレイの売り込み先を探し、興味を持ってくれそうな企業を探し回っていた。ところが大企業を敵に回した戦いは、散々なものだった。

いっぽう茂木裕人(竹内涼真)は、再びアトランティスのサポート契約を結び、最新モデルのRⅡを履いていた。近いうちに豊橋国際マラソンを控える茂木に、シューフィッターの村野(市川右團次)は、最後の"陸王"となった最新の茂木モデルを届けようとしたが、城戸監督(音尾琢真)に断られる。だが宮沢の茂木に対する思いと責任感の誠実さを知った村野は、"こはぜ屋の思い""宮沢の思い"を伝える。
茂木は豊橋国際マラソンでは、どのシューズを履くのか。世界陸上の出場権をかけた毛塚(佐野岳)との戦いを制することができるのか。

実り始めた大地の就活は......? そして、こはぜ屋の未来は......?

■『陸王』の魅力

「勝利を信じろ!」と叫ぶ宮沢の言葉やあきらめないで進むこはぜ屋の姿を追っていると、「ラストはきっとハッピーエンドになるのだろう」と想像はできていた。
だが、そうとわかっていながら、次々に起こるハプニングと乗り越えなければならない山が立ちはだかる。こうも続くと、やはりどんなに頑張ってもどうにもならない現実に負けそうになる。しかし、もがき苦しみながらも、それでも諦めない宮沢の"ドポジティブ"と、そんな社長についていく社員たちを見ていると、もしかしたら自分にもできるのではないかと踏み出す原動力と勇気が湧いてくる。
努力だけではない。誠実さと謙虚な姿勢、一緒に戦う仲間を家族のように大切にする心、それを人との絆というのだろうか。人間だからこそ築くことができる人間同士のつながりに、美しさを感じる。

そして茂木裕人を演じた、竹内涼真の足はなんて美しいのだろう。
役作りのために4カ月前から走り込み、青山学院大学の陸上部の指導を受けて来た。ただ鍛え抜かれただけではなく、マラソンランナーとしてのアスリートの無駄のない筋肉は、その分野を極めたスポーツ選手特有の芸術的な体だ。

ライバルの毛塚役を演じた佐野岳にも同じことが言える。
マラソン・レースの38kmを超えたあたりで、接戦になった2人はお互いの顔を見合い、満足そうにほほ笑む。このシーンを見た時、ある言葉が頭に浮かんだ。
「あぁ、なんて気持ち良いのだろう。このまま2人でずっと走っていたいと思ってゴールに向かっていました」
シドニーオリンピックの女子マラソン。リディア・シモンとの長い並走が続いた時、最終的に金メダルを取った高橋尚子が、後のドキュメンタリー番組の中で語った言葉だ。
もちろん五輪では、メダルを取るために走るのだ。しかもライバルに勝つことが大前提だ。それでも「走ることが気持ちいい」「走ることが好き」と語る選手の言葉には感動するし、つい応援したくなる。
いつの間にか『陸王』を見ながら、一生懸命に茂木を応援している自分がいた。

そして、やはり役所広司。この人なしには、『陸王』はなかった。
何度一緒に涙を流しただろう。こんな社長が本当にいたら、社員は絶対幸せだ。
こはぜ屋のモデルとなった行田市の『きねや足袋』のホームページ(HP)を見ると、足袋のランニングシューズは実際に在庫切れとなるヒットをしたようだ。まさに『陸王』そのもので、単なるフィクションではないドラマだ。脚本力、制作スタッフの熱い思いが、とてもリアルに伝わってくる力作だった。
ドラマのエンディングで、茂木の勝利からわずか一年で、売上30億円、の従業員数3倍というこはぜ屋が映し出された。メインバンクは、埼玉中央銀行から"東京中央銀行"に代わっていた。
これって、もしかして......!?
「日曜劇場TBS」「脚本池井戸潤」とくれば、やはり『半沢直樹』が思い浮かぶ。
続編『陸王』の予告なのか。その時のメインバンクが"東京中央銀行"で、番組は『半沢直樹』とコラボした作品になるのか。
膨らむ妄想、想像、そして期待。おさまることを知らずに、願いばかりが大きくなっていく。

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コラムニスト: はたじゅんこ
監修:次世代メディア研究所

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