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『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』が快調だ。
初回視聴率13.3%、第2話11.1%。やや下がったものの、余裕の二桁維持。今クールのドラマの中では、5本の指に入っている。
日本テレビの土曜ドラマ枠でも、過去3年で初回二桁だったドラマは9本あった。ただし2話も二桁を維持したのは16年冬『怪盗 山猫』と15年秋『掟上今日子の備忘録』だけだった。そのうち後者は12.9%→10.3%と推移し、結局シリーズ平均は二桁に届かなかった。逆に前者は14.3%→13.6%と推移し、シリーズ平均は10.9%と唯一二桁を維持した。
こうしてみると今回の『もみ消して冬』は、シリーズ平均で久々の二桁キープの可能性が高い。

サムネイル

日テレ土曜ドラマの視聴率比較


山田涼介の顔芸が視聴者の爆笑を誘う>>


■着想の勝利

好調な理由の第一は、着想の勝利だろう。
ドラマは"馬鹿馬鹿しくも美しすぎる家族愛"をテーマにしている。全員東大卒の三大エリート兄弟が主な登場人物だが、長男が天才肌の心臓外科医の博文(小澤征悦)、長女は司法試験を首席合格した弁護士の知晶(波瑠)、そして主人公の次男は警視庁エリート警察官の秀作(山田涼介)だ。
その三兄弟を育てた父・泰蔵(中村梅雀(なかむら・ばいじゃく))は難関私立中学・北沢学園の学園長をしている。

そんな一家は、毎回毎回奇想天外なトラブルに巻き込まれ、あり得ない方法で解決しようとし、想定外の決着をしていく。毎回、秘密の家族会議が執り行われ、そこで法律や常識より「家族の幸せ」が優先される。
しかも主人公はエリート感が若干足りない末っ子で、兄や姉にコンプレックスを抱いている。さらに警視庁エリート警察官であるため、問題解決の手法に対して職業倫理的に葛藤もする。その揚げ句にあっと驚く行動に出て、しかも想像を超える解決をし、その一連の出来事を通じて人間的な成長を遂げていく。とまあ、愉快痛快な"どコメディ"ホームドラマで攻めたところが新しい。

■初回の概要と魅力

初回では、父・泰蔵(中村梅雀)が好きになった女性に裸の写真を撮られ、金を要求されてしまう。厳格な父のまさかの告白にショックをうける秀作。これが世に出れば北沢家は終わる。博文と知晶は医者と弁護士の職業倫理に反してでも何とかしようと奔走し、秀作にも協力させようとする。
そして「家族を守りたいが法律は犯せない」と葛藤し追い詰められた秀作は、女性を説得しようと、警察の中でも説得のスペシャリストであるSITのホープに相談するが埒(らち)が明かない。そして結局、自ら法を犯して、裸の写真の隠滅に奔走する。

ここで秀逸なのは、主人公役の山田涼介の顔芸だ。
厳格な父の失態を知って失望する顔。兄や姉から罵倒された時の困った顔。そして認められた際の喜びの顔など、思いっきりデフォルメした"変顔"の数々が、アイドルで二枚目なのに"そこまでやるか"と大好評。
つけられている奇妙な独白と相まって、視聴者の爆笑を誘っている。

■第2話の概要

初回で家族の危機を乗り越え、北沢家の一員として少しだけ認められた気がする秀作(山田涼介)。
......と思う間もなく博文(小澤征悦)が血と泥にまみれて帰ってきた。浜野谷院長(柴俊夫)の愛犬ジョンを逃してしまい、探し回っていたという。ジョンがなつけば昇進できると、こっそり手なずけようとしたらしい。
ジョンがいなくなる直前に一緒にいたことが浜野谷院長にバレてしまい、72時間以内に見つけないとクビと宣告されてしまった。
ピンチの博文は、そっくりな犬を探すという知晶(波瑠)の無謀な提案にのる。賛成できない秀作を外して作戦は着々と進むが、楠木(千葉雄大)が活躍し、知晶に頼られていくのを見た秀作は、北沢家での自分の立ち位置が脅かされる危機を感じ、結局は第2話でも最も重要な役割を引き受けさせられていく。

今回も山田涼介の顔芸百変化は健在だ。独白も冴(さ)えている。
しかも今回は、犬をしつける話が入っているところが味噌(みそ)。犬は飼い主家族の力関係を見抜くという。見習い執事の楠木松也(千葉雄大)も含め、父・兄・姉・主人公の力関係に揺らぎが生じ、しかも犬から見た上下関係が笑える結末になっている。
やはり着想の勝利は、ストーリー展開にも随所で生きている。どこまで愉快痛快な"どコメディ"をやり切り、山田涼介が新境地ともいうべき演技を振り切り続け、役者としての幅を広げるか。いろんな局面を楽しめるドラマとなりそうで、進化の行く末がとても楽しみなシリーズである。

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文責・次世代メディア研究所

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