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石原さとみ主演のTBS金曜ドラマ『アンナチュラル』。
今クールは既に多くのドラマが3話あたりまで来て、序盤戦の状況はだいたい見えて来た。視聴率的には『99.9 -刑事専門弁護士-』『BG~身辺警護人~』『アンナチュラル』『もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~』の順に好調なスタートを切ったが、データニュース社「テレビウォッチャー」の満足度調査では、『99.9』と『アンナチュラル』がともにドラマの平均3.6~3,7を大きく上回り3.9前後と高い支持を集めている。
番組の予算規模を考えると、『アンナチュラル』の奮闘ぶりが目立っていると言えよう。

サムネイル

1月ドラマの視聴率比較


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■石原さとみが開く新境地

これまでは清純派のイメージが強かった石原さとみだが、法医解剖医というエキスパート役に初めて挑戦し、彼女ならではの新しい専門家の味わいを出している。

そもそも法医学の現場は、"7K"と言われている。
「きつい」「汚い」「危険」がご存じ"3K"。加えて「規則が厳しい」「休暇がとれない」「化粧がのらない」「結婚できない」の"4K"で"7K"というらしい。
しかし石原さとみの現場は、カラッとしていて逆にリアリティがある。
例えば、亡くなった方の自宅に聞き取りに行った帰りの車中。主人公のミコトと臨床検査技師・東海林夕子(市川実日子)は冗談を言い合い、ケタケタ笑い合っている。不謹慎と思う方もいるかもしれないが、こういう職場はたえず死体と隣り合わせ。四六時中深刻に振る舞ってなんかはいられない。二人があっさりサッパリと演じている辺りは、ナチュラルで良い。

それでも仕事には大きな責任が伴う。そんなミコトの潔さ・誠実さ・まじめさ・仕事に対する責任感は、石原さとみの凛(りん)とした"高飛車な一面"と、最後まで手を抜かない"ひた向きな一面"により、見事に説得力をもって表現されている。今作は、石原さとみが新境地を切り開く代表作になるかもしれない。

■第3話の概要

法医解剖医の三澄ミコトが働く「不自然死究明研究所」・通称UDIラボは、国の認可を受けた全国初の"死因究明"に特化した研究所。警察や自治体から依頼された遺体を解剖し、調査する機関だ。
ある日、ミコトは"主婦ブロガー殺人事件"の裁判に、代理証人として出廷することになる。被告は被害者の夫・要一(温水洋一)で、殺害の動機は妻からの精神的DVによるものだと罪を認めていた。
検察側からは、凶器と傷の一致を証言するよう依頼されたミコトだが、裁判で証拠として提出された包丁が、本当の凶器ではないことに気づいたミコトは凶器の矛盾を指摘。さらに、被告の要一も無実を訴えたことから裁判は大混乱に......!
有罪率99.9%のらつ腕検事・烏田(吹越満)とミコトの法廷バトルが始まった。

■初めに事実認識ありき

『アンナチュラル』第3話は、極めて珍しいやり方だと思うが、TBS日曜の『99.9-刑事専門弁護士』と妙に呼応する作られ方をしている。
日本の刑事事件における裁判有罪率は"99.9%"。
ただし、そこには大きな落とし穴がある。いったん起訴されると、検察が作り上げたストーリーが正しいと裁判で鵜呑(うの)みにされがちで、刑事事件を専門に扱う弁護士の数も極端に少ない。結果として、現場の検証を含め事実認識を正しくすることは極めて難しく、弁護側勝利の確率は0.1%しかない。
松本潤主演の『99.9』は、正にその0.1%にこだわる刑事専門弁護士の活躍だ。実はTBS日曜劇場は、こうした小が大を逆転するパターンが多く、多くの視聴者に受け入れられている。

『アンナチュラル』も似た構造を持つ。UDIラボは、従来なら見落とされがちな事件の真相を地道な努力で解明していく。ドラマの中で「日本における不自然死の8割以上は、解剖されないまま適当な死因をつけられているのが実態だ。先進国の中で最低の水準である。」と語られるが、しかし「死と向き合うことは、生と向き合うこと」と同ドラマは謳っている。その死の原因を正しく認識することが、今を生きる人々の命を救うことがあり、未来の危機を回避することにもつながる。つまり少しでもより良い世界に変えたいという"志"が前提で、圧倒的に不利な状況を逆転して事実に肉薄する物語なのである。

■第3話の見どころ

主人公のミコト(石原さとみ)は、裁判に検事側代理証人として出廷することとなる。ところが、担当検事との事前の打ち合わせでは、「余計なことを言わないように」と釘(くぎ)を刺されてしまう。
しかし裁判に出廷してみると、証拠として検事が提出した凶器に矛盾があることに気づいたミコトは、その場で証言を撤回してしまう。これで裁判は大混乱に陥るが、検事は別の法医学者のスペシャリストを招き、証拠が間違っていないことを証言した。しかも、あろうことか「未熟な女性法医学者である」と、女性を侮辱するような言葉を浴びせかけ、ミコトの証言を否定しにかかって来た。

男社会や権威主義の世界では、こうした"えげつない"やり口は今も実際に存在する。この圧倒的に不利な状況を、ミコトはどう逆転するのか。
その手法も、なるほど現場主義で地道に証拠を集めると、必ず事実に行きつけるという、番組ならではの醍醐味(だいごみ)がある。このスッキリ感がある限り、同ドラマは視聴者の支持を集め続けるだろう。主人公ミコトの今後の活躍を楽しみにしたい。

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文責・次世代メディア研究所

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