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 夢枕獏(ゆめまくら・ばく)の小説「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を原作に、世界的巨匠である中国のチェン・カイコー監督がメガホンをとった日中共同製作映画『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(2月24日公開)。真言宗の開祖・空海の若かりし頃の姿を生き生きと活写した本作で、主人公・空海を演じたのは、実力派として映画関係者の絶大な支持を受けている俳優・染谷将太だ。初の海外作品に挑んだ染谷が、本作を通じて得たことや撮影を振り返った。

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主人公・空海を演じた染谷将太『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(2月24日公開)



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■チェン・カイコー監督の美意識の高さに驚かされた

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『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(2月24日公開)


――中国での撮影ということでどんな準備を心がけましたか?

染谷: 中国語での撮影なので、セリフを覚えることが最大の準備でした。さらに空海という役柄は、これまで演じたキャラクターよりも想像力が必要でしたし、どう表現したらいいかは悩みました。

――チェン・カイコー監督はどんな方なのでしょうか?

染谷: 人の意見をとても聞き入れる方という印象ですね。ワンシーンの撮影で何日もかけるのですが、ワンカットごとにモニターをチェックして、意見交換しながら撮影を進めていくのです。あとは意表をつく演出をされることもありました。ここは怒るだろうというシーンで、あえてユーモアを取り入れてみたり......。

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主人公・空海を演じた染谷将太『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(2月24日公開)


――映像的な面では?

染谷: 徹底した美意識の高さには驚かされます。カイコー監督が「この作品を通して、真の美しさを追求したい」とおっしゃっていたのは印象に残っています。

――カイコー監督とは通訳を介したコミュニケーションだったのですか?

染谷: そうです。カイコー監督は中国の古い詩を引用した演出をされることがあるのですが、詩の和訳というのは難しいらしく、大変な部分もありましたが、とても丁寧に接してくださる方でした。

■丸刈りを披露「頭の形には自信がある!」

――壮大なスケールのセットが組まれての撮影だとお聞きしましたが、出来上がった作品を見たときの感想は?

染谷: 現場で撮影しているときから「とんでもない規模だ」と思っていましたが、映像になると、より説得力があってすごいなと思いました。物語のキーポイントとなるネコはCGなのですが、映像になったときの表現力の高さがすごかったです。

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『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(2月24日公開)


――染谷さんが演じた空海は歴史上の偉人ですが、なにか意識されたことはありますか?

染谷: とらえにくい役という印象で、どう体現したらいいのか難しかったです。宗教家ですが、この映画の中ではとても人間的。エンターテインメントでもありますので、その部分を意識しました。

――丸刈りも似合っていました。

染谷: これまでも気づいたら頭を刈っていることが多いのです(笑)。頭の形には自信があります。

――染谷さんの考える空海の魅力とは?

染谷: 空海が持ち帰ってきた考え方に「なにものにもとらわれない。惑わされない」というのがありますが、自分もそうありたいと思っています。しかも空海はそういう考えでありつつも、しっかり物事の芯をとらえるのがすごいです。

■中国はエネルギーに溢(あふ)れた国

――北京プレミアにも参加されていましたが、中国という国の印象は?

染谷: 現場で強く感じましたが、とにかくエネルギーに溢(あふ)れた国という印象です。この映画にもそういった熱量は感じられると思います。僕はこの映画を「ジェットコースタームービー」と思っています。謎を解くと、どんどん新しい謎が出てくる。ミステリーでありファンタジーであり、人間物語であり......とにかく勢いがある映画です。

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主人公・空海を演じた染谷将太『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(2月24日公開)


――劇中には幻術が出てきますが、使ってみたいですか?

染谷: 以前エスパーの役をやったのですが、そういうものを使えることによる苦悩が生じるので、僕はいいです(笑)。

――大変だったシーンはありますか?

染谷: (ホアン・シュアン演じる)白楽天と対峙(たいじ)するシーンは、掛け合いがとても長く、感情的にも揺らぐシーンで、セリフの多さもあり大変でした。

■中国の大スターホアン・シュアンは「人間的にもすてきな方」

――ホアン・シュアンさんは中国で大スターですが、どんな方でしたか?

染谷: 俳優としてとても意識の高い方でした。役への向き合い方がすごかった。人間的にもすてきな方で、僕が現場に戸惑っているときも、彼に結構助けてもらいました。言葉もフォローしていただけたし、部屋にワインを届けてくれたこともありました。

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『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(2月24日公開)


――撮影以外のときはどんなことをして過ごしていたのですか?

染谷: 集中力を保つのも仕事の一つなので、息抜きにお酒を飲んだりしていました。リラックスしたいときは音楽を聴いたりもしていました。

■「新鮮さ」が大切

――海外クルーとの撮影。今後も海外に目を向けていきますか?

染谷: 映画の仕事は国境を超えると思っていて、基本やっていることは同じ。国内外問わず、映画作りが好きでこの仕事をしているので、自分が必要とされるなら、どんな場所でも行きたいです。

――規模にこだわらず作品に出演されているイメージがありますが、なにか出演作品へのこだわりはありますか?

染谷: 見たことや触れたことがない世界には惹(ひ)かれます。この仕事はずっと転職しているような感覚なので「新鮮さ」は大切にしています。

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『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(2月24日公開)


――この作品を経験して得たことは?

染谷: 役者の仕事を始めたときは子役で仕事としての意識がなく、現場がただ楽しいという思いでここまできてしまっています。でもそれは大切なことで、この作品でも、現場はすごく楽しくて、一生忘れられないと思ったぐらいです。こうした感情を得たことは、またいつか生きてくるのかなと思っています。

――最後に座右の銘を

染谷:「なるようになる」です。

日中共同製作映画『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』は、2月24日公開。

(取材・文・撮影:磯部正和)
(C)2017 New Classics Media,Kadokawa Corporation,Emperor Motion Pictures,Shengkai Film

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■染谷将太(そめたにしょうた)
1992年生まれ、東京都出身。子役として俳優のキャリアをスタートさせると、2009年公開の『パンドラの匣』で映画初主演。2012年公開の『ヒミズ』では、第68回ベネチア国際映画祭・マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)を二階堂ふみと共に受賞。その後も、『寄生獣』(14~15年)、『さよなら歌舞伎町』(15年)らで主演を務めるなど、若手実力派俳優として高い評価を受けている。座右の銘は「なるようになる」。

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

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